山川静夫さんが語る!歌舞伎のたのしみかた。-その1-

さんかくすと文がえます

日本語にほんどになった、歌舞伎かぶき言葉ことば

H松
H松

さきほどの、口説くどくという日本語にほんごもそうですが、歌舞伎かぶきからまれた日本語にほんごってとてもおおいんですよね。

山川さん
山川さん

そうですねえ。たとえば、大見得おおみえる」という言葉ことばがありますよね。おおげさな言葉ことばって、自信じしんたっぷりな様子ようす相手あいてせるさまをあらわ言葉ことばですが。これも、歌舞伎かぶきからきている日本語にほんごなんですよ。ひとって、興奮こうふんすると視線しせんさだまらなくなって、ボーっとしちゃうでしょう。歌舞伎かぶきはその、ボーっとしている様子ようすをちょっとおおげさにをカッと見開みひらくことで表現ひょうげんするんですね。カッと見開みひらいて、しばらくそのままうごかない。これも歌舞伎かぶきの「お約束やくそく」で、わざと舞台ぶたい風景ふうけいえないことによって、おきゃくさんからたときにのようにえるように工夫くふうをしているというわけなんです。

H松
H松

大見得おおみえっている様子ようす映像えいぞう日本文化芸術振興会にほんぶんかげいじゅつしんこうかいさんのサイトでつけました!こうやって、おおききく手足てあしをのばしたり、見開みひらいたりした状態じょうたいでしばらく動作どうさめることで「見得みえって」いるんですねえ。

見得 | 歌舞伎の演出と音楽 | ユネスコ無形文化遺産 歌舞伎への誘い
山川さん
山川さん

見得みえっているときに、かわいたおとがするでしょう?これも、歌舞伎かぶきならではの演出えんしゅつです。ツケわれています。舞台ぶたい右側みぎがわに、ツケわれている道具どうぐたたひとがいて、見得みえるタイミングにわせて「バタバタ、バタバタ!!」とツケをケヤキのいたけて場面ばめんおとげるんです。

ツケをっている写真しゃしんを、こちらのサイトから確認かくにんできます。

歌舞伎用語案内
H松
H松

まさしく、「」なんですね。

山川さん
山川さん

そのとおり。そうそう、Hまつさんがいま何気なにげなくという言葉ことば使つかわれましたが、これも歌舞伎かぶき言葉ことばもとになった日本語にほんごですよ。ほかにも、正念場しょうねんば」「修羅場しゅらば歌舞伎由来かぶきゆらい日本語にほんごです。場面ばめん関連かんれんする言葉ことばですと、物事ものごと最後さいご意味いみする大詰おおづめ」という言葉ことば歌舞伎用語かぶきようごからきていますね。

H松
H松

なんと!でも、われてみれば、言葉ことばいたときに歌舞伎かぶきのワンシーンがあたまかびますね。なるほど、納得なっとくというかんじがします。

山川さん
山川さん

社会科しゃかいかまなびというより、国語こくごのお勉強べんきょうになってしまいましたかね?ですが、こうして言葉ことば歴史れしきをみていくと、日本語にほんご単語たんご由来ゆらいになっているほど、歌舞伎かぶきという芸能げいのうがいかに日本人にほんじんあいされ、したしまれてきたかということをかんじることができますね。これからも、歌舞伎かぶき日本にほん伝統芸能でんとうげいのうとして、みなさんにしたしまれていってほしいとおもいます。

H松
H松

歌舞伎かぶきをみることで、日本語にほんご面白おもしろさや奥行おくゆきのふかさをまなぶこともできそうだなとあたらめておもいました。

今日きょうはいったんここまでにいたしましょう。山川やまかわさん、次回じかいつづきよろしくおねがいいたします!

次回じかい歌舞伎かぶき公演こうえんたのしむ「お約束やくそく」につづく!うご期待きたい!!

山川さんの著作「歌舞伎の愉しみ方」

この記事を書くにあたって、主に参考にさせて頂いた著作は以下の著作です。

こちらの本には、もっともっと詳しく歌舞伎についての「なるほど!」と思うお話が書かれているので、「もっと歌舞伎を知りたいなあ…」と思った方は是非ご一読ください!

山川静夫,2008, 「歌舞伎の愉しみ方」,岩波新書.

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