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最終回では、クリスマスに読みたい絵本を紹介させていただきます。朗読の動画も合わせて紹介しているので、良かったら活用してくださいね。

ぜひ、お気に入りの一冊を見つけてみてください!
目次
1. Father Christmas
2. Madeline’s Christmas
3. The Polar Express
4. The Story of Christmas
5. The Gift of the Magi
6. A Christmas Carol
1. Father Christmas (Raymond Briggs作)
大型本の漫画です。ちょっと人間味のあるサンタさんが、クリスマスイヴにお仕事をしている様子が描かれています。セリフはとても少なく、絵をみながら自分で物語を繋いでいくのがとても楽しいです。目で観ることが難しい場合は、後で紹介するYouTubeの音声を聴いてみてください。良い感じに描写してくれています。
サンタさんがたびたび言っている blooming は、「途方もない」「ひどい」というような、イギリスの古めの表現。なかなか文句の多いサンタさんですね。ただし、blooming には「花盛りの」「はつらつとした」のようなポジティブな意味もあります。最後のせりふ “Happy blooming Christmas to you” は、こっちの意味だと良いな…。
朗読の動画はこちら。原作の絵本に書かれていないことも読まれています。
2. Madeline’s Christmas(Ludwig Bemelmans作)
「マドレーヌ」シリーズの一冊。舞台はパリの学校で、蔦の絡まる古いお屋敷に12人の女の子たちが暮らしています。キャラクターがみんな可愛くて、文章のリズムも良く(韻もたくさん踏まれています)、おすすめのシリーズです。サンタではなく、魔術師が登場します。
魔術師が魔法を唱える場面で、mumble という言葉が出てきます。これは「ぶつぶつつぶやく」といった意味ですが、辞書で調べてみると、「声が小さいだけでなく聞き取りにくい意を含む」(ジーニアス英和辞典)とあります。何だか面白い説明ですね。
ちなみに呪文の「アブラカタブラ~」は、アラム語がもとになっているという説があるのだそうです。
朗読の動画はこちら 。自動作成の字幕もありますが、絵本の文字のほうが読みやすいかもしれません。
3. The Polar Express(Chris Van Allsburg作)
クリスマスイヴの夜、「僕」は北極行の汽車に乗り、夢のような旅をします。サンタさんやトナカイ、エルフたちのいる北極で、素敵なプレゼントをもらうのですが…。
大人になって純粋さや素直さを失ってしまう前に、一度読んでほしいなと思うお話です。
車掌さんが、”cup his hands around his mouth” するシーンがあります。cup というと、飲み物を入れるあの「カップ」を思い浮かべますよね。ここでは、その cup という単語を使って、「手を口の周りでカップのように丸める」様子を表しているのです。こういう単語は他にも色々あります。例えば…
【例】
milk a cow 牛の乳をしぼる
water a garden 庭に水をやる
google a word 言葉をググる(検索する)
朗読の動画はこちら 。字幕は自動作成ですが、ナレーションとBGMがハイクオリティです。
4. The Story of Christmas(Jane Ray作)
聖書にもと基づいたお話です。キリスト教の視点からクリスマスの起源を考えることができます。余談ですが、私は十数年前にこの物語のお芝居(日本語)をしたことがあります。天使役でした。
天使のセリフなどに、聞きなれない英語がたくさん出てくると思います。聖書のお話なので、格調高い(ちょっと古い)英語が使われているのです。たまに辞書に載っていないことがあるので、いくつかメモを作ってみました。(メモがあっても難しいかも…)
【メモ】
thou [代名詞] 汝は
thee [代名詞] 汝を
thy [代名詞] 汝の
art [be動詞] areと同じ。
shalt [助動詞] shallの変化形。
unto [前置詞] ~に(to) / ~まで(until)
babe [名詞] 赤ん坊
朗読の動画はこちら 。実際の絵本を上から撮っているスタイルです。
5. The Gift of the Magi(O Henry作)
クリスマスにプレゼントをもらったり、贈ったりしたことはありますか。この物語に登場する二人には、お互いにプレゼントをするための十分なお金がありません。何とかプレゼントを買おうと、それぞれ自分の大切なものを売ってしまうのですが…。
切ないけれど温かい、ちょっと考えさせられるお話です。
お金の表現が出てきます。$1.87は、”one dollar and eighty-seven cents” (1ドル87セント)のこと。アメリカのお金には、ドル紙幣と、セント硬貨があります。
朗読の動画はこちら。字幕が付いています。
6. A Christmas Carol(Charles Dickens作)
おそらく、クリスマスのストーリーの中で最も有名かと思われます。みなさんもご存じかもしれませんね。強欲で冷たい商人のもとに、クリスマスイヴの夜、幽霊が現れます。幽霊に過去・現在・未来のクリスマスを見せられた彼は、改心するのか…。
このお話は Stave1 から Stave5 の五つのパートに分かれています。”stave” とは、音楽の「節」や「詩句」のこと(Iwanami’s New English-Japanese Dictionary)。Christmas Carol という題(carol は「聖歌」)にふさわしい言い方ですね。
朗読の動画はこちら。絵はありませんが、読み上げている文の色がかわるので、目で追いやすいです。ダイジェストのアニメ版 もあります。

以上6冊、「読んでみたいな」と思う絵本はありましたか?絵本の良いところは、英語が少し難しいと感じても、絵をじっくりと眺めたり、声に出してリズムを味ったりしながら、楽しく読み進められるということかなと思います。
ここまで4回にわたり、クリスマスにまつわる記事を連載させていただきました。いかがでしたか?ぜひ今年は英語(や色々な外国語)でも楽しみながら、素敵なクリスマスをお過ごしください!