言葉でつなぐ、つながっていく① ―なぜそう“あいさつ”するの?

集合している子どもたちのイラスト 国語:まなナビNAVI

さんかくすと文がえます

いろいろなあいさつ

目次

  • あいさつの語源
  • おはよう
  • こんにちは
  • こんばんは
  • オッス
  • さようなら
  • あばよ
  • グッドバイ
  • ごきげんよう
  • ありがとう
  • かたじけない
  • おかげさま
  • 恩に着る
  • すみません
  • ごめんなさい
  • 面目ない
  • 点字と手話について

あいさつの語源(ごげん)

「あいさつ」。
するのは少しドキドキするけれど、されるとうれしい。
それがあいさつ。

「あいさつ」は漢字にすると「挨拶」となります。
一気に(むずか)しくなりましたね。
でも漢字から「あいさつ」の意味や秘密(ひみつ)をたどれるのではないか…―。

  

M先生
M先生

…ということで、挨拶(あいさつ)語源(ごげん)早速(さっそく)たどってみようではありませんか。

 

まずは挨拶(あいさつ)の「」の字。

おす」「ひらく」「おしのける」という意味があるそうです。
他にも「()しはかる」、「近づく」、「()れる」など。

 

挨拶(あいさつ)の「」の字

せまる」「おしよせる」という意味のある漢字です。
切り込む」という意味も(ふく)まれてくるとか。

  

M先生
M先生

「挨」も「拶」もなかなか、(いきお)いを感じる語です。なんだか意外。

 

そもそも「挨拶(あいさつ)」という言葉の語源(ごげん)禅宗(ぜんしゅう)の考え方があるようです。

 中国の「(そう)」という時代に仏教の禅宗(ぜんしゅう)に関して『碧巌録(へきがんろく)』という本が書かれました。
 その本の中に「一挨一拶(いちあいいつさつ)()深浅(しんせん)を見んと(よう)」という言葉が残されています。

 挨拶は、禅宗で問答を交わして、相手の悟りの深さ浅さを試みることを「一挨一拶(いちあいいつさつ)」と言った‥‥
 師匠(ししょう)弟子(でし)に声をかけるなどし、その弟子(でし)の返答をもって修行の度合いをはかる、ということが行なわれてきた、というのがそもそもの「挨拶(あいさつ)」の意味であり、由来(ゆらい)なのだそうです。

 ここから一般に問答(もんどう)や返答のことば、手紙の往復などを挨拶(あいさつ)と言うようになったといいます。

 

 漢字の意味ともともとの「挨拶(あいさつ)」の言葉の使われ方を考えてみると、
挨拶(あいさつ)」とは声をかけた相手の心にフッと切り込んで、相手の気持ちや元気かどうかなどの状態(じょうたい)をおしはかり、声をかけられた方もその呼びかけにサッと答えて、自分の状態(じょうたい)を示すような…
なんだか緊張感(きんちょうかん)すら覚えるような、そういう言葉の()け合いだったのかもしれません。

猫の魔法使い

 

 挨拶(あいさつ)というのは魔法(まほう)のような言葉で、「こんにちは」などの一言で、少し元気が出たり、緊張(きんちょう)がゆるんだりもします。

 一方で、「おはようございます」とか「こんにちは」と声を出すことは、自分自身の中で気合を入れることにもつながるような気がします。

 

M先生
M先生

 本当に昔のことですが、通っていた中学校で「あいさつ運動」というものがありました。
 なぜか、その活動がしっくりハマっていた私は(田舎(いなか)だったのでできることかもしれませんね)、登下校(とうげこう)でも「こんにちはぁ」とよく挨拶(あいさつ)していました。
 そんなある日、声をかけたおばあさんが挨拶(あいさつ)感激(かんげき)してくれたことがあります。
 ただの「こんにちは」が時に、こんなにも人を喜ばせたり、感動させてしまうことがあるのか…という強い印象(いんしょう)を残した経験です。

 

 初めて顔を合わせる人と「こんにちは」を言いあうだけで、もう「ただの知らない人」ではなくなってしまう…そんな気持ちになれる魔法(まほう)の言葉だなあ、とつくづく思います。

 

 アイヌ語の「こんにちは(イランカラプテ)」は、
あなたの心にそっと()れさせてください」という意味なのだそうですが、挨拶って本当に、相手の心にふっと寄り添って近づくことのできる呪文じゅもんのようだな、と感じます。

 

 

おはよう

 

「お早う」というのが、そもそもの「おはよう」だったようです。

「お早くからご苦労さまです。」という朝早くから働く人へのねぎらいの言葉でした。

 最近では、「おはよう」の魔法(まほう)は時間帯を問わず使われるようにもなっています。
その背景には「こんにちは」が近い関係の相手には使いにくいニュアンスを持つ言葉として定着してきたことがあると研究されていたりもするそうです。

 

 

ちなみに点字では…

 点字の仕組(しく)を習ったことがある人もいるかもしれませんが、基本的には、点字は6つの点字の組み合わせで一つの音を示しています
濁点(だくてん)拗音(ようおん)(きゃ、きゅ、きょなど)などはその目印の点字を組み合わせて一つの音を示していきます)

 点字には漢字はありませんし、ひらがなやカタカナの区別もありません。

 

M先生
M先生

点字は点字で独自のルールがあったりするのですね。
そのうちの一つが基本的に耳で聞いた通りに書き表す、ということです。
そして、のばす音で「う」と書くところは、長音符(ちょうおんふ)を使います

 

 「おはよう」は「おはよー」と点を打ちます。
(のばす音でも、「あ」「い」「え」「お」の場合は長音符(ちょうおんふ)は使いません。)

⠊⠥⠜⠒

ちなみに手話では…

片手の(にぎ)りこぶしをこめかみに当てて、素早く下ろします。
両手の人差し指を向かい合わせて曲げます。これは「挨拶(あいさつ)」を表しています。

 

 

こんにちは

 

通行人A
通行人A

今日(こんにち)は、ご機嫌いかがですか

通行人B
通行人B

今日はよいお天気ですね

 
など、「今日は」を主語にした文章の(りゃく)で、お昼に初めて出会った人の体調や心境(しんきょう)気遣(きづか)う言葉の後半が省略(しょうりゃく)されて定着されたものだそうです。
江戸時代の武家(ぶけ)挨拶(あいさつ)起源(きげん)になったともいわれています。

 

M先生
M先生

「こんにちは」と書くけれど、
発音は「こんにちわ」とする背景には、もともとその後に会話が続いていた、という理由があったのかもしれないのですね。

 

ただ、「こんにちわ」のほうが親しみやすい印象がある、という理由で、
誤った表記と知りながらあえて「こんにちわ」と表記されることもあるそうです。

 

 

ちなみに点字では…

基本的に耳で聞いた通りに書き表します。なので、「こんにちわ」と点を打つことになりますね。

⠪⠴⠇⠗⠄

ちなみに手話では…

人差し指と中指を(ひたい)の中央に当てます。これは時計の12時を表します。
そして、両手の人差し指を向かい合わせて曲げあいさつをあらわします。

 

 

こんばんは

日が暮れてから、人に会ったり、人を訪ねたりしたときの挨拶(あいさつ)の言葉。

 

S先生
S先生

今晩は良い晩ですね

 

など、会話文が(りゃく)されて定着したものと言われています。

なので、「こんばんは」の後に文章が続くと考えると、「こんにちは」と同様、
「こんばんわ」ではなく「こんばんは」という表記します。

 

ちなみに点字では…
M先生
M先生

耳で聞いた通りに書き表すので、「こんばんわ」と点を打つのでしたよね。

 

⠪⠴⠐⠥⠴⠄

ちなみに手話では…

両方の手のひらを相手に向け、そのまま交差させながら下ろします。これは「暗い」をあらわします。
そして、両手の人差し指を向かい合わせて曲げあいさつをあらわします。

 

 

オッス

 

若者同士が道などで出会ったときの挨拶(あいさつ)語で親しい間柄(あいだがら)で用いられるといいます。

 ドラゴンが持つオレンジ色のボール?を探しに行く冒険漫画(ぼうけんまんが)の主人公も、よくこの挨拶(あいさつ)を使っている印象がありますね。

 もともとの語源(ごげん)は、京都にあった武道(ぶどう)専門学校の生徒の間から生まれた言葉で「おはようございます」の(りゃく)だという説もあるようです。(諸説(しょせつ)あるようです)

 

空手少女
空手少女

おはようございます

空手少年
空手少年

おはよーっす

空手少女
空手少女

おわーす

空手少年
空手少年

おす!

 

などのように、だんだん略されて定着していった…という説もあります。

 

ゴリラの空手達人

「オッス」という言葉には、武道(ぶどう)の精神である「自我(じが)(おさ)我慢(がまん)する」という意味の「()して(しの)ぶ」があてられ、漢字では「押忍(おす)」と表記されるようになったという説もあります。

挨拶(あいさつ)の「オッス」は恐らく「おはようございます」の(りゃく)ですが、応援団(おうえんだん)などが()(ごえ)風に用いる「オッス」は「押忍(おす)」の意味からと考えられます。

 

K原さん
K原さん

押忍っ!!

M先生
M先生

押忍っ!

 

さようなら

 

然様(さよう)なら」の略だそうで、
然様(さよう)ならば(そういうことならば)、私はこれで失礼いたします」といった意味があったそう。

 

ちなみに点字では…

 

H松
H松

のばす音で「う」と書くところは、長音符(ちょうおんふ)を使うのでしたよね

M先生
M先生

そうでした!
なので、下の点字のようになりますね。
長音符は視覚的にも、伸ばし棒「-」と似てますね。

⠱⠜⠒⠅⠑

ちなみに手話では…

私たちがいつも自然と手を振っている挨拶(あいさつ)ととても似ていますね!

 

あばよ

別れの挨拶(あいさつ)の言葉。「さようなら」よりくだけた言い方。

あばよの語源(ごげん)には「さらばよ」の(りゃく)、「また()はばや(またあはばや)」が(てん)じたもの、「ああ、あれは」という感動を示す語「あは」に助詞の「よ」がついたものなど諸説(しょせつ)あるそうです。

 

鼻歌まじりの愉快な旅人


「按配よう(あんばいよう)」の(りゃく)語という説が最も注目されているという。
按配(あんばい)」とは「体調」の意味として近世(きんせい)から使われている言葉で、「あばよ」も近世(きんせい)から使われている言葉であるため、意味と語形(ごけい)の両面からみて、この説が妥当(だとう)といわれているそうです。

  

 

グッドバイ

 

英語「good-bye」からの外来語。かつては「good-bye」を古くは「Godbwye」といい、「God be with ye」の短縮(たんしゅく)形だったそう。

 

「God be with ye」とは、「ye」が古い二人称代名詞「you」を指し、「神さまがあなたと共にありますように」「神様のご加護(かご)がありますように」という意味だったそうです。

にこにこ笑顔が素敵な天使

「God」を直接口にするのを遠慮(えんりょ)する風潮(ふうちょう)があったことや、「good morning」や「good night」など他の挨拶(あいさつ)の言葉も登場し、17世紀から「God」が「good」に変わり、18世紀にはいり、現在の形になったのだそう。

日本では明治中期から用いられているそうです。

 

ごきげんよう

相手の健康状態を伺うという意味で、相手を気遣(きづか)丁寧(ていねい)なあいさつ表現。
「ご機嫌(きげん)よくお過ごしですか」を短くして「ごきげんよう」になったと言われています。

古き良きお嬢様

明治時代には山の手言葉として貴族(きぞく)華族(かぞく)が日常的に使っていたといいます。

 山の手言葉とは、現在の標準語(ひょうじゅんご)基礎(きそ)となった東京の山の手で使われていた言葉だと言われています。
 明治期に武家(ぶけ)をルーツとする華族(かぞく)が使っていた言葉として知られてるものでもあります。
 「お(じょう)様言葉」として知られる言葉(づか)いも、山の手言葉に近いものかもしれません。

 語源(ごげん)として知られているのは、室町(むろまち)時代の京都の宮中(きゅうちゅう)で使われる御所(ごしょ)言葉だったそうです。女官(にょかん)が天皇にあったときの挨拶(あいさつ)として使ったそう。

基本的に、朝、昼、晩を問わず、いつでも使えるあいさつ表現。
出会ったときにも、別れ(ぎわ)にも使える言葉です。

M先生
M先生

出会ったときの「ごきげんよう」は「お元気でしたか」という意味で用いられ、
別れ(ぎわ)の「ごきげんよう」には「次に会うときまで健康でいてください」という意味合いが込められているといいます。

 

インターネットで「ごきげんよう」という言葉を探すと「一般的ではない」ので、使うと嫌味(いやみ)にとらえることもある、などとも紹介されていたりします。

あいさつ表現にも流行(はや)りすたりがある、ということも、なんだか不思議です。

 

 

いろいろなありがとう

ありがとう

ありがとうの語源(ごげん)は、形容詞の「有り難し(ありがたし)」の連用形「有り難く(ありがたく)」がウ音便(おんびん)化し、「ありがとう」となったと言われています。

「有り難し(ありがたし)」は「有る(ある)こと」が「難い(かたい)」という意味で、本来は「滅多(めった)にない」や「(めずら)しくて貴重だ」という意味を表していました。

 

手話で「ありがとう」を交えて会話する二人

 中世(ちゅうせい)になり、(ほとけ)慈悲(じひ)など貴重で得難(えがた)いものを自分は得ているというところから、宗教的な感謝の気持ちをいうようになり、近世(きんせい)以降、感謝の意味として一般にも広がったそう。

 そもそも滅多(めった)にないことに対して発せられる言葉だと思うと、
うれしい!という喜びの感情も「ありがとう」の言葉の中には込められているといえそうですね。

  

ちなみに点字では…
M先生
M先生

“ありがとう”にも「う」で音がのびている!
つまり「「ありがとー」ですね!

⠁⠓⠐⠡⠞⠒

ちなみに手話では…

手のひらを下に向け、その手の甲に片手を当てて(おが)むように引き上げます。

M先生
M先生

勝った力士が手刀を切る様子に由来している、という説もあるそうですよ。

 

 

かたじけない

ありがたい。もったいない。恐れ多い、という意味。

文語(ぶんご)かたじけなし」の口語(こうご)で、「ありがたい」が一般的なのに対し、改まった丁寧(ていねい)な言い方です。

本来、かたじけないは相手の身分や言動と自分を比べたときに引けを取り、「恐れ多い」といった感情を表す語で、(てん)じて「ありがたい」「もったいない」という感謝の気持ちを表す言葉となりました。

 

M先生
M先生

心からありがたく思っていることを伝えたいときや、
自分にはもったいないほど親切にしてくれたときに
「かたじけない」という言葉が使われるようです。

 

「かたじけない」も「ありがたい」も「もったいない」も自分には不相応(ふそうおう)で恐れ多いという意味から感謝の気持ちを表すようになっており、日本人独特(どくとく)の感情表現といえるとも。「私なんかが」というニュアンスが含まれます。

「恐れ多い」という意味のかたじけないは、「ありがたし」の「がたし」の例から「かたしけ(難気)なし」が語源と考えられています。

 

おじいさん
おじいさん

かたじけない。

おじいさんを助けた謎の人物
おじいさんを助けた謎の人物

お気に召さるな!
礼には及ばぬ!

M先生
M先生

‥‥ちょっとかっこいい…!
真似してみたくなりますね(笑)

S先生
S先生

‥‥表現を?それとも、謎の人物のコスプレを…?
(謎の人物はいわゆる「獅子ししかしら」じゃな。歌舞伎に出てくる獅子の精じゃ。)
…おっといかん。脱線したな。すまんすまん。

  

おかげさま

 

感謝の気持ちを表す語。挨拶(あいさつ)の言葉としても用います。

 おかげさまは、他人からうける利益や恩恵(おんけい)を意味する「お(かげ)(かげ)」に「様」をつけて丁寧(ていねい)にした言葉。

古くから「(かげ)(かげ)」は神仏(しんぶつ)などの偉大(いだい)なものの陰で、その庇護(ひご)を受ける意味として使われているそうです。
ただ、「蔭」という字が常用外漢字ということもあって、「陰」という漢字で代用されることが多いそう。

M先生
M先生

ちなみに「かげ」という言葉にもいろいろな漢字がありますね。

 

もともと「かげ」の語源は、『古典基礎語辞典』によると、陽炎、鏡などと同じだそうです。
おおもとの意味は「光」で、太陽や月、灯火などの光を意味し、「月影つきかげ」といえば「月光」、「火影ほかげ」といえば「灯火の火」を意味したとか。

」という漢字

」という漢字は、
  ・「光」を意味する字の「景」、
  ・彩や模様、飾りなどに関する文字を形作る「さんづくり(彡)」
から成り立ち、光でできる模様というような意味あいを持つ漢字になるようです。

月に映るうさぎの影

光の反射はんしゃなどによって鏡や水面みなもに映る姿のことも「影」の字であらわします。
そこから姿じたいを「影」という漢字であらわすようになったのだそうです。

面影おもかげ」や「撮影さつえい」などの熟語に「影」という字が含まれることも、これで納得できますね。

 

」という漢字

」という漢字は、
  ・小高い山や丘を意味する「こざとへん」
  ・インという音を表す「侌」という”つくり”
の二つを組み合わせて成り立つ漢字です。

どうやら、山などによって生じる薄暗い陰、という意味合いを持つようです。
「陰陽」という言葉があるとおり、「明るい部分」に対する「暗い部分」というニュアンスですね。

ど鏡、かげろう

M先生
M先生

この「かげ」という言葉や漢字について、いろいろと例文を紹介しながら説明をしているのが、下記のホームページです。
「なるほど…」が詰まっていますよ。

 

 

恩に着る

受けた恩をありがたく思う、という感謝を表す表現のひとつです。

」とは、他の人から与えられた「めぐみ」や「いつくしみ」という意味ももつそう。

『日本書紀』や『古語拾遺(こごしゅうい) (しゅうい)』などの日本の古典に出ている「恩」は、
「めぐみ」「みいつくしみ」「みうつくしみ」などと()まれているようです。

「めぐみ」は、草木(くさき)()ぐむなどというときの()ぐむを名詞形にしたものとされているそうですが、草木(くさき)()ぐむのは冬眠(とうみん)していた草木(くさき)の生命力が陽春(ようしゅん)の気にはぐくまれて目覚めることによる…

‥‥つまり、ある者が他の者に生命を与えたり生命の発展を助けることが恩を(ほどこ)すことであり、その逆が恩を受けることであるとみられているそうです。

芽吹きのイラスト

 

そもそも仏教用語でもある「恩」という漢字。

大乗本生心地観経(だいじょうほんじょうしんじかんぎょう)』という書物の中には、
  ・父母の恩
  ・国王の恩
  ・衆生(しゅじょう)の恩(衆生(しゅじょう)とは生きとし生ける全てを表す言葉だそうです)
  ・三宝(さんぽう)の恩(お釈迦しゃかさまがお弟子でしさんに説かれた教え。心のり所となる大切なものとして、「仏」「法」「僧」の三つのことを指すそうです)
など四恩(しおん)を心に深く感じ大切に思うことが、仏道(ぶつどう)修行の要素であると説いているとか…。

 

 

ちなみに「恩着せがましい(恩恵(おんけい)(ほどこ)して、いかにも感謝しろと言わんばかりの態度)」など「着る」という表現がついてくるのはなぜなのか…

この「着る」という言葉には「身に引き受ける」という意味がこめられているそう。

「罪を着る」という言葉が同様に「着る」という語を使う例です。
「罪を着る」という場合は、自分の罪ではないのに、その罪を引き受ける、という意味になります。

浦島太郎

恩に着る」という表現をする場合、恩を身に引き受ける
―「このご恩は一生この身に引き受け、忘れません」というニュアンスが含まれてくるとか。


あなたに借りができました」というようにも意味を受け止めることができる言葉です。

 

M先生
M先生

むかしばなしに出てくる、「浦島太郎」のカメさんや「鶴の恩返し」の鶴も、みんな「恩に着ます」と言っていたような気がしてきました…。

 

 

いろいろなごめんね

すみません

「仕事を終える」「気持ちがおさまる」「満足する」という意味を持つ()む」に丁寧(ていねい)の助動詞「ます」をつけ、否定した形。

()む」の否定ですから、
いくら謝罪しても謝罪しきれない」という意志を伝えようとしていて、この程度の謝罪では「自分の気が()まない(気持ちがおさまらない、満足しない)」という意味が込められた言葉だったそう。

H松
H松

感謝を示すときにも「すみません」と伝えることがありますよね。

M先生
M先生

その場合は「大したお礼もできず、気持ちがおさまらない」という気持が込められているそうです。

 

ごめんなさい

御免(ごめん)」とは、相手が正式な許可(きょか)認可(にんか)を下すことを(うやま)った言い方だそうで、「なさい」は「してください」という意味。
鎌倉(かまくら)時代からみられる言葉だそうです。

つまり、「ごめんなさい」とは、自分の罪を認めて相手に許しを()う謝罪の言葉です。

本来は、許す人を(うやま)う言い方として用いられたそうですが、室町(むろまち)前期には許しを求める言い方で、相手の寛容(かんよう)を望んだり、自分の無礼(ぶれい)()びる表現になっていきました。

「ごめんあれ」「ごめん候へ」などの形で初めは使われていましたが、「ごめんくだされ」やその省略の「ごめん」が多く用いられるようになっています。

 

K原さん
K原さん

「ごめんください」とか挨拶で使われることもありますよね。(あいさつ)

M先生
M先生

許しを()う「御免(ごめん)させてください」の意味が挨拶(あいさつ)として使われるようになったものなんだって。
「それは御免(ごめん)だ」などの拒絶(きょぜつ)・断りは、比較的新しい用法で江戸時代からみられるそうです。

 

ちなみに点字では…
M先生
M先生

「ごめんなさい」の「ご」の字は、
”こ”に濁点(だくてん)を意味する点字をつけて表現することになりますね。

 

⠐⠪⠿⠴⠅⠱⠃

  

ちなみに手話では…

 

人差し指と親指で眉間(みけん)の辺りをつまむ動作をし、その後片手で(おが)みます。

 

M先生
M先生

「すみません」という意味としても用いることができそうです。

 

面目(めんぼく)ない

「恥ずかしくて人に合わせる顔がない」という意味。
何か失敗をしたときや失態(しったい)を起こしたときに「面目(めんぼく)ない」ということがあります。

面目(めんぼく)」は「顔つき・世間に対する名誉(めいよ)・様子」を意味します。

 

M先生
M先生

」という漢字には、「人の顔」や「うわべ」など、さまざまな意味が含まれていますね。
音読みで「メン」などと読みますが、訓読みでは「おも」や「おもて」、「つら」などの読み方があります。

「面」という言葉を使ったことわざや、熟語など詳しい説明が書かれているので、下記のホームページもよかったら覗いてみてください。

 

 

M先生
M先生

いろいろな挨拶(あいさつ)を見てきましたが、もっともっと状況に合わせていろいろな表現の仕方がありそうですね。

 

それにしても、私たちが日ごろしている「あいさつ」は、相手に対する願いや想い、気持ちがこもったメッセージだったのですね。
言葉にはたましいが宿る―「言霊ことだま」なんて言葉もありますが、ひとつひとつの表現に込められた思いを改めて考えながら、今日も「おはよう」や「ありがとう」と挨拶あいさつしていきたいなあ。

みなさん、いつも見守って下さっていてありがとうございます!

  

 

点字と手話について

点字についての参考記事

  

点字で文章を書くときには、言葉の切れ目に1マス間を空けることが必要です。
(「分かち書き」と呼びます)

例えば、

ずっとひらがなだけでくとうてんもなくそのままかかれているととてもよみにくいわけです

上の書き方では、言葉の切れ目が分かりませんが、

ずっと ひらがなだけで くとうてんもなく そのまま かかれていると とても よみにくい わけです

のように、言葉と言葉の間をあけるだけでぐんと理解しやすくなります。

 

M先生
M先生

この「分かち書き」のルールは難しく、そのヒントを示してくれるのが、下記のホームページです。

 

 

M先生
M先生

ちなみに点字を打つ道具として、「携帯点字器」という装置を私は使っています!

  

点字を打つときは、紙に点を打っていくことになります。小さな針のついた道具で紙を押し込んで、紙を裏返した時にポツッと点が浮き出るようになっていると正解です。

裏側から点字を打ち込んで、表に返したときに意味が通じるように書かなければならないのです。
凸面(点が浮き出た面)、凹面(点がくぼんでいる面)と表現しますが、凸面と凹面は、反転しているので、これが点字をうつときに注意しなければならないポイントのひとつです。

(この反転を意識せずに点字を打つことのできる道具も開発されていたりもするようですよ!)

 

 

手話についての参考記事

そして、手話も「とっとり動画ちゃんねる」で紹介されているこちらの動画がよく使う挨拶表現が一本にまとまっていて、とても参考になりそうです!

 

 

M先生
M先生

ほかにも、下記のようなホームページから勉強することができそうです。

 

 

M先生
M先生

まだまだ点字も手話も勉強中の身…。オススメがあればぜひ教えてくださいますととてもうれしいです!!

ぜひ、よろしくお願いいたします。

 

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