▶ を押すと文が増えます
文学作品としての『怪談』
こうした「怖い話」「怪談」は、絵ばかりでなく、言い伝えや物語としてもたくさん残されてきています。
それを文学作品として新たな形に残したのが小泉八雲の『怪談』。
『耳なし芳一』や『雪女』など、みなさんも聞いたことがあるような「怖い話」のいくつもの代表作を『怪談』という本にしてまとめています。
実は小泉八雲さんは、本名をパトリック・ラフカディオ・ハーンという、ギリシャ生まれの外国人。
アイルランドにもルーツを持ち、かつ中東の血も引くラフカディオ・ハーンは、ヨーロッパだけでなく、アメリカやカリブ海の島などを転々としてきた経緯を持つ人物。
古事記を読んだことがきっかけとなって来日し、
島根県の松江にある島根県尋常中学校で英語の先生をします。
そのときに出会ったセツさんと結婚するのですが、
セツさんの存在は『怪談』誕生に欠かせないものだったようです。
小泉八雲は、『坊ちゃん』や『こころ』で有名な夏目漱石の前任者として帝国大学文科大学講師として英文学を講じていたことでも知られています。
セツさんとの関係性について、
下で紹介する記事ではとても丁寧に紹介されています。
小泉八雲とセツさんの言葉に対する向き合い方や気持ちを伝えあう姿は、なんだかジーンときてしまいました。
怖い話、とは一言で言っても、
その主役である幽霊や妖怪たちの「思いの強さ」はひとつの教訓として受け止められるようなもののように感じられます。
「恨み」や「未練」と書くと、怖いイメージが先行してしまいますが、
その強いメッセージが、決して否定できないもので、
どちらかというと共感できてしまうようなところがあるから、物語として語り継がれてきたのかもしれません。
とはいえ、もちろん、怖い話も千差万別。
理不尽な怖い話もたぶんたくさんあります…。
今回はあくまで昔話や言い伝えにフォーカスして「怪談」話を終えたいと思います。
皆さんもぜひ、オーソドックスな「怖い話」代表の「怪談」、探して読んでみてはいかがでしょう?