おばけのはなし

提灯お化け、一つ目小僧、お岩さんなど、怪談話や肝試しなどに出てくる、夏のお化けのイラスト 語源

さんかくすと文がえます

 

みなさんは「怖い話」好きですか?
もしかしたら、苦手な人もいるかもしれませんね。

 

M先生
M先生

気になるんだけど、やっぱりちょっと怖い。
怖いから見たくないし聞きたくない‥‥
でもちょっと見てみたいし、聞いてみたい…

そして、結局首を突っ込んでしまって「ああ、怖かった!涙」という経験を何度もくりかえしてきました。

  

とりわけ、夏はそうした話題で盛り上がることが多いような気がします。

テレビでも怖い話を特集した番組があったり、「肝試きもだめし」などのイベントもあったりします。


「怖いっ」と思うとき、
「ぞっ」として「鳥肌とりはだが立った」とか「寒気さむけがした」と表現することもありますね。

 

鳥肌とりはだがたつ

鳥肌とりはだ?」と思った方もいるかもしれません。

鳥肌とりはだとは、goo辞書によると「寒さ(恐怖)のため、皮膚ひふが、羽をむしった鳥の肌のようになること」です。

 

みなさんは「あ!今鳥肌とりはだが立っている」と感じたことはありますか?

本当にうでなどさわってみるとぶつぶつしているんですよ。
特に本当に寒いとき、肌の表面をさわってみると、「鳥肌とりはだ」を感じることができるかもしれません。

鳥肌とりはだが起こる原理げんりには、毛の根元についている”立毛筋りつもうきん“という筋肉がちぢんで、普段寝ている毛を直立ちょくりつさせるためなのだそうです。
このとき、立毛筋りつもうきんが毛穴周辺の皮膚ひふを引き寄せてぶつぶつができます

 

M先生
M先生

寝ている毛を立たせることにどんな意味があるの?

 

それこそ、「寒さ」から自分の身を守るためなのです。

毛が立つことで皮膚ひふ外気がいきの間に空気の層ができます
身体の表面を空気のベールで包むというような感じでしょうか。
空気の層ができることで体温が温められ、寒さから身を守ることができる、というわけなのです。

 

海に浮かんで、貝を食べているかわいいラッコのイラスト

例えば、海でぷかぷか浮かぶラッコは、手で顔をんだりするなど、よく毛づくろいのようなことをしています
それは、毛の中にある空気の層を保つことで体が冷えないようにしているためなのだそうです。

 

人間はラッコほど身体が毛でおおわれているわけではありませんが、原理げんりとしては同じですね。

 

 

M先生
M先生

ちなみに一部の地域では「鳥肌」を「さぶいぼ」と呼ぶそうです。

 

 

では、なぜ「怖い」を体験をしたり、怖い話をみたり聞いたりすると、鳥肌とりはだが立つのでしょうか。

 

怖いと感じるとき、「鳥肌とりはだが立つ」以外にも「身の毛もよだつ」などと表現することがありますね。

やっぱり怖いときも、立毛筋りつもうきん収縮しゅうしゅくして全身の毛が逆立さかだって、先ほどお話ししてきた「鳥肌とりはだ」が立つ、という現象が現れます。
ただ、その立毛筋りつもうきん収縮しゅうしゅくするきっかけになるのは「寒さ」ではなく、恐怖という感情刺激かんじょうしげきによって交感神経こうかんしんけい興奮こうふんすることにあるようです。

 

交感神経こうかんしんけいとは、心身しんしんの働きを活発にさせるモードのようなものです。

私たちは、常に心身しんしんの機能をフル起動きどうさせているのではなく、心身しんしんの機能をおだやかに維持いじさせ、パワーを温存おんぞんさせておくような副交感神経ふくこうかんしんけいと呼ばれるモードとのバランスで、心と体の健康を維持いじしています。

交感神経こうかんしんけい副交感神経ふくこうかんしんけい―つまりオン・オフの切り替えは「自律神経じりつしんけい」という神経しんけいが行なっているのですが、これがうまくいかなくなると、さまざまな体の不調ふちょうが出てくることで知られています。

フーッ!と背中の毛を逆立てて怒っている猫のイラスト

  

猫が怒っているとき、毛を逆立さかだてて身体からだを大きく見せようとして威嚇いかくすることがありますが、これも外敵がいてきから身を守るため
鳥肌とりはだが立つ」とは、寒さや恐怖など、外部からの刺激しげきから身を守るための防御反応ぼうぎょはんのうなのですね。

 

 

さて、そんな私たちが思わず身構みがまえてしまうような「怖い話」に、魅力みりょくを感じてしまうのはなぜなのか。
恐る恐る、のぞいていってみようではありませんか。

 

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