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みなさんは「怖い話」好きですか?
もしかしたら、苦手な人もいるかもしれませんね。
気になるんだけど、やっぱりちょっと怖い。
怖いから見たくないし聞きたくない‥‥
でもちょっと見てみたいし、聞いてみたい…
そして、結局首を突っ込んでしまって「ああ、怖かった!涙」という経験を何度もくりかえしてきました。
とりわけ、夏はそうした話題で盛り上がることが多いような気がします。
テレビでも怖い話を特集した番組があったり、「肝試し」などのイベントもあったりします。
「怖いっ」と思うとき、
「ぞっ」として「鳥肌が立った」とか「寒気がした」と表現することもありますね。
鳥肌がたつ
「鳥肌?」と思った方もいるかもしれません。
鳥肌とは、goo辞書によると「寒さ(恐怖)のため、皮膚が、羽をむしった鳥の肌のようになること」です。
みなさんは「あ!今鳥肌が立っている」と感じたことはありますか?
本当に腕など触ってみるとぶつぶつしているんですよ。
特に本当に寒いとき、肌の表面を触ってみると、「鳥肌」を感じることができるかもしれません。
鳥肌が起こる原理には、毛の根元についている”立毛筋“という筋肉が縮んで、普段寝ている毛を直立させるためなのだそうです。
このとき、立毛筋が毛穴周辺の皮膚を引き寄せてぶつぶつができます。
寝ている毛を立たせることにどんな意味があるの?
それこそ、「寒さ」から自分の身を守るためなのです。
毛が立つことで皮膚と外気の間に空気の層ができます。
身体の表面を空気のベールで包むというような感じでしょうか。
空気の層ができることで体温が温められ、寒さから身を守ることができる、というわけなのです。
例えば、海でぷかぷか浮かぶラッコは、手で顔を揉んだりするなど、よく毛づくろいのようなことをしています。
それは、毛の中にある空気の層を保つことで体が冷えないようにしているためなのだそうです。
人間はラッコほど身体が毛で覆われているわけではありませんが、原理としては同じですね。
ちなみに一部の地域では「鳥肌」を「さぶいぼ」と呼ぶそうです。
では、なぜ「怖い」を体験をしたり、怖い話をみたり聞いたりすると、鳥肌が立つのでしょうか。
怖いと感じるとき、「鳥肌が立つ」以外にも「身の毛もよだつ」などと表現することがありますね。
やっぱり怖いときも、立毛筋が収縮して全身の毛が逆立って、先ほどお話ししてきた「鳥肌」が立つ、という現象が現れます。
ただ、その立毛筋が収縮するきっかけになるのは「寒さ」ではなく、恐怖という感情刺激によって交感神経が興奮することにあるようです。
交感神経とは、心身の働きを活発にさせるモードのようなものです。
私たちは、常に心身の機能をフル起動させているのではなく、心身の機能を穏やかに維持させ、パワーを温存させておくような副交感神経と呼ばれるモードとのバランスで、心と体の健康を維持しています。
交感神経と副交感神経―つまりオン・オフの切り替えは「自律神経」という神経が行なっているのですが、これがうまくいかなくなると、さまざまな体の不調が出てくることで知られています。
猫が怒っているとき、毛を逆立てて身体を大きく見せようとして威嚇することがありますが、これも外敵から身を守るため。
「鳥肌が立つ」とは、寒さや恐怖など、外部からの刺激から身を守るための防御反応なのですね。
さて、そんな私たちが思わず身構えてしまうような「怖い話」に、魅力を感じてしまうのはなぜなのか。
恐る恐る、覗いていってみようではありませんか。