山川静夫さんが語る!歌舞伎のたのしみかた-その2-

▶(さんかく) を押(お)すと文が増(ふ)えます

H松
H松

みなさん、こんにちは。前回ぜんかいに引ひき続つづき、山川静夫やまかわしずおさんをお招まねきして、「歌舞伎かぶきのたのしみかた」を語かたって頂いただきます。

歌舞伎かぶきをたのしむ、「お約束やくそく」

H松
H松

山川やまかわさん、こんにちは。今回こんかいは、歌舞伎かぶきの「お約束やくそく」について教おしえて頂いただきたいです。

山川さん
山川さん

どうもどうも。山川やまかわでございます。今回こんかいもよろしくお願ねがいします。

H松
H松

前回ぜんかいの歌舞伎特集かぶきとくしゅうをうけて、読者どくしゃの皆みなさまから、歌舞伎かぶきの意味いみや舞台ぶたいの演出えんしゅつの工夫くふうについて、とても興味きょうみがわいてきましたという感想かんそうをH松宛まつあてに頂いただきました。なかには、歌舞伎かぶきを楽たのしく観みるための「お約束やくそく」をもっともっと知しりたい!という声こえも…。

そんな皆みなさまからの期待きたいにお応こたえできるよう、ところどころにH松まつの余談よだんもはさみつつ、山川やまかわさんからのお話はなしを頂いただいて、「なるほどなあ!」と読よんでいただけるようなページにしていきたいと思おもいます。それでは、よろしくお願ねがいいたします。

歌舞伎かぶきって、どんなお話はなしが「あるある」なの?

山川さん
山川さん

本日ほんじつは、歌舞伎かぶきのお話はなしの「お約束やくそく」からお話はなししてまいりましょう。歌舞伎かぶきにはたくさんのお話はなしがありますが、こういうパターンが「あるある」なのだなと知しっておくと、実際じっさいに歌舞伎かぶきを観みるときに大おおいに役やくに立たちます。そこで、私わたしなりに、物語ものがたりのパターンを分わけてみました。こんなお話はなしがあるのかと、興味きょうみをもっていただけたら嬉うれしいですね。

曽我物そがもの

最初さいしょのパターンとして、曽我物そがものと言いわれている物語ものがたりについてお話はなしします。曽我物そがものというのは、敵討かたきうちをするお話はなしです。曽我十郎そがじゅうろう・五郎兄弟ごろうきょうだいが、自分じぶんのお父とうさんを殺ころした工藤祐経くどうすけつねという武士ぶしに復讐ふくしゅうする機会きかいを何年なんねんも待まち続つづけ、最終的さいしゅうてきには富士山ふじさんのふもとで工藤祐経を討うち取とります(殺ころしてしまう、という意味いみです)。討うち取とった後あと、騒さわぎを聞ききつけてやってきた工藤祐経くどうすけつねの家来けらいたちにお兄にいさんの十郎じゅうろうは切きり殺ころされてしまい、弟おとうとの五郎ごろうも捕とらえられてしまいます。五郎ごろうは、工藤祐経くどうすけつねの上司じょうしの源頼朝みなもとのよりともの前まえに連つれていかれます。源頼朝みなもとのよりともは、十郎じゅうろうや五郎ごろうが親おやの敵討かたきうちを果はたしたことに「あっぱれ!」と思おもいつつも、工藤祐経くどうすけつねの家来けらいや子こどもの意見いけんを聞きき入いれないわけにもいかず、五郎ごろうに死刑しけいの判決はんけつを言いいわたします。敵討かたきうちを果はたしたのに、最後さいごは兄弟二人きょうだいふたりとも死しんでしまうという悲かなしいお話はなしですが、この結末けつまつが多おおくの人ひとの同情どうじょうを生うんで、敵討かたきうちといえば曽我そがの兄弟きょうだいのお話はなしでしょう!と言いわれるようにまでなったのですね。大活躍だいかつやくをした弟おとうとの五郎ごろうに対たいして、信仰心しんこうしんを感かんじる人ひとまで生うまれてしまって、恩恵おんけいにあやかろうと、毎年正月まいとししょうがつに曽我物そがものの歌舞伎かぶきを上演じょうえんする慣習かんしゅう(なんとなくそうだよね、とみんなが思おもう決きまり)ができます。お正月しょうがつに、門松かどまつを飾かざったり、お餅もちを飾かざったりするようなイメージで、縁起えんぎの良よいものとして曽我物そがものの歌舞伎かぶきを上演じょうえんするといえばもっと分わかりやすいでしょうか。お正月しょうがつになると上演じょうえんがかかることが多おおいのだなあと思おもって、歌舞伎かぶきの演目えんもくを眺ながめてみると楽たのしいかもしれません。

お家物いえもの

お次つぎは、お家物いえものです。お家いえ、というだけあって、家族かぞくの中なかで巻まき起おこされる「お家騒動いえそうどう」が描えがかれた物語ものがたりです。平和へいわな江戸時代えどじだい、庶民しょみん(世よの中なかの人ひとたち)の関心かんしんをひいたのは、身分みぶんの高たかい大名だいみょうたちの家庭内かていないトラブルでした。歌舞伎かぶきをみにくる庶民しょみんたちの興味きょうみに合あわせて、実際じっさいに起おこった大名だいみょうの家庭内かていないトラブルを、お芝居しばいのお話はなしにしてしまったんですね。お家騒動いえそうどうのお話はなしをみていくと、登場人物とうじょうじんぶつの名前なまえが実際じっさいの事件じけんの人物じんぶつの名前なまえを思おもわせるような名前なまえになっていたり、タイトルがお家騒動いえそうどうの起おこった場所ばしょを思おもわせるものになっていたりします。例たとえば、「伽羅先代萩めいぼくせんだいはぎ」という歌舞伎かぶきのお話はなしがありますが、これは仙台藩せんだいはん(今いまの宮城県みやぎけんの全体ぜんたい・岩手県いわてけんと福島県ふくしまけんの一部いちぶ)をおさめていた伊達家だてけのお家騒動いえそうどうのお話はなしがもとになっています。仙台せんだい、という文字もじを使つかってしまってはバレバレなので、先さきの代だい(何代目なんだいめ、の代だいですね)と書かいて「せんだい」というタイトルにしているわけです。タイトルの意味いみを調しらべてみると、歌舞伎かぶきが江戸時代えどじだいの大衆演劇たいしゅうえんげきだったことが分わかるようなものもあって、なかなかに面白おもしろいですよ!

デンデン物もの

デンデン物…。カタカナで、デンデンと書かくわけですが、あまり聞きいたことのない言葉ことばですよね。これは、歌舞伎かぶきに重要じゅうような音楽要素おんがくひょうげんである、三味線しゃみせんの音おとからきています。歌舞伎かぶきの物語ものがたりには、音楽劇おんがくげきのようなものもあって、中なかでも竹本義太夫たけもとぎだゆうさんという人ひとが作つくった「義太夫節ぎだゆうぶし」という三味線音楽しゃみせんおんがくが流ながれる作品さくひんでは「デーン、デーン」と何回なんかいも三味線しゃみせんの音おとが多用たようされます。三味線しゃみせんの音楽おんがくを楽たのしめる作品さくひんがデンデン物ものと言いわれているのだなと思おもってくださいね。

どんな音楽おんがくなのか、聴きくことができるサイトを紹介しょうかいします。

文化ぶんかデジタルライブラリーさんのサイト(残念ざんねんながら、字幕じまくはついていません…。)

歌唱編|文化デジタルライブラリー
「歌う」「詠う」「唱える」「謡う」「語る」「唄う」、日本の伝統的な歌唱の世界を紹介します。

近松心中物ちかまつしんじゅうもの

さてさて、お次つぎは近松心中物ちかまつしんじゅうものです。みなさんは、近松門左衛門ちかまつもんざえもんさんという人ひとを知しっているでしょうか。人形浄瑠璃にんぎょうじょうるりのとても優すぐれた作品さくひんを作つくった人ひとです。近松門左衛門ちかまつもんざえもんさんは、曽根崎村そねざきむらというところで起おこった心中事件しんじゅうじけん(男おとこの人ひとと女おんなの人ひとが叶かなわぬ恋こいを思おもって2人りで一緒いっしょに死しんでしまったという事件じけん)をなんと、人形劇にんぎょうげきの物語ものがたりにしてしまうんですね。この物語ものがたりが、曽根崎心中そねざきしんじゅうと言いわれる人形浄瑠璃にんぎょうじょうるりです。劇げきはたちまち評判ひょうばんになって、「私わたしも叶かなわぬ恋こいをしているから…」と心中しんじゅうブームが起おこり、江戸幕府えどばくふが慌あわてて上演じょうえんを取とり締しまるまでの社会現象しゃかいげんしょうになるまでに至いたります。禁止令きんしれいが出でていた江戸時代えどじだいには、歌舞伎かぶきで曽根崎心中そねざきしんじゅうを上演じょうえんすることはできませんでしたが、昭和しょうわの時代じだいになって、歌舞伎かぶきの演目えんもくとしても上演じょうえんされるようになります。歌舞伎かぶきを観みに行いったとき、「曽根崎心中そねざきしんじゅう」「心中天網島しんじゅうてんのあみじま」という文字もじを見みかけたら、悲かなしいお話はなしなんだな…とハンカチのご用意よういを!

白浪物しらなみもの

白浪しらなみ…海うみの波なみのこと?と思おもわれた方かたもたくさんいらっしゃるでしょう。実じつは、白浪しらなみという言葉ことばは、「盗賊とうぞく」のことを言いいます。昔むかし、中国ちゅうごくが漢かんと言いわれていた時代じだいに、白波谷はくはこくというところにいた盗賊集団とうぞくしゅうだんのことを白浪賊しらなみぞくと呼よんでいたことから、白浪しらなみというと盗賊とうぞくを言いうようになったそうです。盗賊とうぞく、というと悪わるいことをする人ひとたちというイメージがありますよね。それならば、白浪物しらなみものはドロボーを捕つかまえてこらしめる話はなしなのか?と思おもうかもしれません。実じつは、そこが歌舞伎かぶきの面白おもしろいところで、白浪物しらなみものの主人公しゅじんこうは一般的いっぱんてきには悪わるい人ひととされているドロボーたちなのです。もちろん、やっていることだけをみると、人ひとの家いえに忍しのび込こんだり、お金かねや物ものを盗ぬすんだりと「悪わるいこと」をしているには変かわりないのですが…。歌舞伎かぶきの物語ものがたりとしては、盗ぬすんだ側がわにも言いい分ぶんがあって、盗ぬすまざるをえない状況じょうきょうに社会しゃかいがその人ひとたちを追おい込こんでいるのだ!と訴うったえるわけなんです。ドロボー側がわが自分じぶんの境遇きょうぐうを名乗なのったり、盗ぬすみの理由りゆうを語かたるシーンには、数々かずかずの名台詞めいぜりふがあります。

H松
H松

山川やまかわさん!私わたしは、自分じぶんの生うまれが静岡しずおかなのと、かかりつけのお医者いしゃさんが浜松市はままつしにあって、毎月まいつき1回かいは浜松市はままつしに電車でんしゃや車くるまで行いっていたことから、聞ききなれた地名ちめいがセリフに出でてくるという理由りゆうで

歌舞伎かぶきの白浪しらなみ5人男にんおとこに登場とうじょうする、日本駄右門にっぽんだえもんのセリフが大好だいすきです。

「問とわれて名乗なのるもおこがましいが生うまれは遠州浜松在えんしゅうはままつざい
十四じゅうしのときから親おやに放はなれ、身みの生業なりわいも白浪しらなみの
沖おきを越こえたる夜働よばたらきき、盗ぬすみはすれど非道ひどうはせず
人ひとに情なさけを掛川かけがわの、金谷かなやを掛かけて宿々しゅくしゅくで
義賊ぎぞくと噂うわさ高札たかふだに まわる配符はいふのたらい越ごし
危あぶねえその身みの境界きょうがいも、もはや四十しじゅうに人間にんげんの
定さだめはわずか五十年ごじゅうねん、六十余州ろくじゅうよしゅうに隠かくれのねえ
賊徒ぞくとの張本日本駄右衛門ちょうほんにっぽんだえもん」

言葉ことばに出だして読よんでみると、リズムが良よくって、粋いきなセリフだなあ!とつくづく思おもいます。

山川さん
山川さん

白浪五人男しらなみごにんおとこの、「逆瀬川勢揃さかせがわせいぞろい」の場面ばめんのセリフですね。あの場面ばめんは、いつみても華はなやかで美うつくしい名場面めいばめんだと私わたしも思おもいます。桜さくらの花はなが満開まんかいになっている舞台ぶたいに、花道はなみちから5人男にんおとこが登場とうじょうし、「志しら浪なみ」と書かいた番傘ばんがさを持もって見得みえを切きり、自己紹介じこしょうかいの名乗なのりをあげる…歌舞伎かぶきの魅力みりょくが詰つまっているシーンです。似にたような紫色むらさきいろの衣装いしょうを着きているのだけれど、それぞれのキャラクターに応おうじて微妙びみょうな違ちがいもあって、そこに注目ちゅうもくするのも醍醐味だいごみの一ひとつでもあります。H松まつさんは、セリフのリズムの良よさに注目ちゅうもくしてくれましたが、実じつは、5人にんそれぞれのセリフが七五調しちごちょうでできているのですよ。

H松
H松

なんと!それはまったく気きが付つきませんでした。

山川さん
山川さん

まずはじめに、日本駄右門にっぽんだえもんが「問とわれて名乗なのるもおこがましいが」と言いいますね。そのセリフをきっかけとして、弁天小僧菊之助べんてんこぞうきくのすけが「さてその次つぎは江ノ島えのしまの」、忠信利平ただのぶりへいが「続つづいて次つぎに控ひかえしは」、赤星十三郎あかぼしじゅうざぶろうが「亦またその次つぎに連つらなるは」、南郷力丸なんごうりきまるが「さてどん尻じりに控ひけえしは」と名乗なのっていく。それぞれの冒頭ぼうとうの言葉ことばを数かぞえてみると、七五調になっていると気きが付つけると思おもいます。リズムの良よさは、このように計算けいさんされたセリフからも成なり立たっているんですよ。

松竹株式会社しょうちくかぶしきがいしゃさんの下記かきのページに、白浪五人男しらなみごにんおとこについてのより詳くわしい説明せつめいがあります。

[スクリーンリーダーでの読み上げについて]記事の冒頭に見出しが付いていないので、ページ冒頭から読み進めながら記事の始まりを探すしかなさそうです。読み仮名が()で記載されているのに加えて、表のようなレイアウトが使われているため、特にiPhoneだと読みづらさを感じました。PCでの読み上げを推奨します。

第1回 「弁天娘女男白浪」(べんてんむすめめおのしらなみ)|歌舞伎美人
松竹が運営する歌舞伎公式サイト。歌舞伎の公演情報、ニュース、俳優インタビューなどをお届けします。
H松まつの余談よだん「宝塚たからづかのショーにも登場とうじょうしていました」

歌舞伎かぶきの白浪5人男しらなみごにんおとこが登場とうじょうする宝塚たからづかのショーがあります。2009年ねんの雪組公演ゆきぐみこうえん「風かぜの錦絵にしきえ」という作品さくひんです。この作品さくひんは、歌舞伎かぶきの白浪物を例れいのごとく宝塚流たからづかりゅうに仕立したて上あげた和風わふうのショーなのですが、元もとネタを知しっていると、宝塚流たからづかりゅうのアレンジの利きかせ方かたに思おもわずニヤニヤする場面ばめんが続出ぞくしゅつするという、歌舞伎かぶきと宝塚たからづかの差さを感かんじるうえで非常ひじょうに楽たのしいショーでもあります。

歌舞伎かぶきの弁天娘女男白浪べんてんむすめめおのしらなみは、イケメンの男おとこの人ひとが「綺麗きれいな女おんなの人ひとに化ばけた正義せいぎのドロボーの痛快活劇つうかいかつげき」を演えんじます。しかし、宝塚たからづかは綺麗きれいな女おんなの人ひと(タカラジェンヌ)がイケメンの男おとこの人ひとを演えんじ、「女心おんなごころに火ひを付つけて、盗ぬすんで逃にげた極悪人ごくあくにん、恋泥棒こいどろぼう!の白浪五人男しらなみごにんおとこ」をやるわけですから、考かんがえてみるとちょっと不思議ふしぎな感かんじもします。それに、宝塚たからづかの場合ばあい、たいがいにして、盗ぬすまれるのは「女おんなの心こころ」です(笑わらい)

ただ、舞台ぶたいを実際じっさいに見みてしまうと、そんな違ちがいは「まあいいか。」と、妙みょうに納得なっとくしてしまうのも宝塚たからづかが持もつナゾの魅力みりょくの一ひとつです。宝塚たからづかも歌舞伎かぶきと同おなじく、まずは細こまかいことは気きにしすぎず、目めの前まえの華はなやかな世界せかいを楽たのしむことが大切たいせつです。

ああ、是非一度ぜひいちど、みなさんにあの絢爛豪華けんらんごうかな舞台を見て頂きたい…(H松まつ、心こころの声こえ)。

怪談かいだん・変化物へんかもの

さて、お次つぎは、夏なつにぴったりの怪談物かいだんもの・変化物へんかものです。夏なつになると上演じょうえんの機会きかいが増ふえます。お岩いわさんという女おんなの幽霊ゆうれいが出でてくる「東海道四谷怪談とうかいどうよつやかいだん」というちょっと怖こわいお話はなしが有名ゆうめいです。歌舞伎かぶきの舞台ぶたいには、せり上あがり(舞台ぶたいの下したから役者やくしゃさんがポン!と登場とうじょうすること)があったり、背景はいけいと思おもっていた板いたからクルっと役者やくしゃさんが登場とうじょうする仕掛しかけがあったりします。これらの仕掛しかけを活用かつようして、いたるところからお岩いわさんが「うらめしや…」と登場とうじょうするわけです。子こどもの皆みなさんには、ちょっぴり怖こわい演出えんしゅつが続つづくかもしれません。でも、怖こわいと言いわれたら、気きになってしまうでしょう?怖こわいもの見みたさで、物ものは試ためし、ご両親りょうしんもお誘さそいして是非一度ぜひいちど、歌舞伎かぶきのこわーいお話はなしをご覧らんください。

歌舞伎役者かぶきやくしゃさんが客席きゃくせきの上うえを踊おどりながら飛とび回まわる「宙乗そらのり」という演出えんしゅつがあります。どんな様子ようすなのだろう…?と思おもわれた方は、是非ぜひ、以下いかの日本芸術文化振興会にほんぶんかげいじゅつしんこうかいさんのサイトから宙乗そらのりの様子ようすを見みてみてくださいね。

[スクリーンリーダーでの読み上げについて]見出しジャンプが使えるので、記事を読んだり、動画を再生するのには問題なさそうです。動画自体にディスクリプションなどはないが、音楽や拍手の音から何となく動きは感じ取れるのでは?()に入っている読み仮名が少しうっとうしく聞こえるかもしれません…。

宙乗り | 歌舞伎の演出と音楽 | ユネスコ無形文化遺産 歌舞伎への誘い

松羽目物まつばめもの

お次つぎは、松羽目物まつばめものです。これは、能のうの影響えいきょうをうけた演出えんしゅつがなされている物語ものがたりのことです。源義経みなもとのよしつねのために必死ひっしの活躍かつやくをする、弁慶べんけいの姿すがたを描えがいた「勧進帳かんじんちょう」というお話はなしが代表例だいひょうれいとしてあげられます。舞台ぶたいの背景はいけいに、大おおきな松まつの木きの絵えがあって、舞台ぶたいの左右さゆうには竹たけの置物おきものが置おかれ、おごそかな雰囲気ふんいきのする舞台ぶたいになっています。能のうの舞台ぶたいを構成こうせいしている要素ようそが歌舞伎かぶきにも取とり入いれられているんです。大おおきな松まつの木きが背景はいけいにあったら、「ほほう。これが松羽目物まつばめものと言いわれている舞台ぶたいかあ」と思おもってもらってもよいかと思おもいます。

歌舞伎事典:松羽目物|文化デジタルライブラリー
初心者を対象とした、歌舞伎用語「松羽目物(まつばめもの)」の解説。

新作物しんさくもの

歌舞伎かぶきというと、江戸時代えどじだいにできた物語ものがたりを想像そうぞうしがちかもしれません。でも、歌舞伎かぶきには江戸時代以降えどじだいいこうに作つくられた物語ものがたりもあります。私わたしは、明治めいじ・大正時代以降たいしょうじだいいこうに作つくられた歌舞伎かぶきの物語ものがたりを「新作物しんさくもの」といっています。たくさんの作品さくひんがあるので、ここで細こまかくお伝つたえするとそれだけでページが埋うまってしまいますから、ほんのご紹介程度しょうかいていどにお伝つたえいたしましょう。坪内逍遥つぼうちしょうようさんという、今いまの日本にほんの演劇えんげきの基本きほんを作つくり上あげた明治時代めいじじだいの作家さっかが脚本きゃくほんを書かいた「桐一葉きりひとは」という作品さくひんがあります。歌舞伎かぶきの作品さくひんのすべてが江戸時代えどじだいの作品さくひんなのではなく、現代風げんだいふうの新あたらしい作品さくひんもあるのだな、と思おもってくださいね。

荒事あらごとと和事わごと

最後さいごに、-物なになにものという名前なまえをつけてはいませんが、「荒事あらごとと和事わごと」というくくりで、お話はなしを紹介しょうかいします。

荒事あらごと、というのは初代しょだいの市川團十郎いちかわだんじゅうろうさんが生うみ出だした演技方法えんぎほうほうで、荒あらいという漢字かんじが表あらわす通とおり、勇壮ゆうそうな動うごきが魅力みりょくの舞台ぶたいが繰くり広ひろげられるものです。勇いさましい無骨ぶこつな男おとこの人ひとが、悪事あくじをつくす権力者けんりょくしゃに立たち向むかかっていく、「勧善懲悪かんぜんちょうあく」といわれているストーリーの作品さくひんが多おおくあります。悪わるいものをやっつける、ヒーローの物語ものがたりです。初代しょだいの市川團十郎いちかわだんじゅうろうさんをご先祖様せんぞさまにもっているが市川家いちかわけ(世間せけんでは、市川海老蔵さんが特とくに有名ゆうめいですね)です。スーパーヒーローを演えんじる荒事あらごとの芸げいは、市川家いちかわけのお家芸いえげいになっています。

それでは、和事わごとというのはどういったものなのでしょうか。こちらは、和なごやかという漢字かんじが表あらわす通とおり、荒事あらごととは正反対せいはんたいの、やさしくまろやかな、二枚目にまいめ(イケメン!)の演技えんぎが特徴的とくちょうてきな演技方法えんぎほうほうです。初代しょだいの坂田藤十郎さかたとうじゅうろうさんが和事わごとの創始者そうししゃとされています。女性じょせいのような、柔やわらかな身みのこなしから生うまれる品ひんの良よい動うごきが特徴とくちょうです。

荒事あらごとを盛もり上あげる要素ようそに、隈取くまどりというお化粧けしょうの工夫くふうがあります。興奮こうふんしたときに顔かおに浮うき出でる血管けっかんを誇張こちょうして、赤色あかいろの化粧けしょうで表現ひょうげんする工夫くふうです。隈取くまどりの種類しゅるいについては文化ぶんかデジタルライブラリーさんのページに詳くわしく紹介しょうかいされていますので、ぜひ、見みてみてくださいね。

[スクリーンリーダーでの読み上げについて]こちらも記事の本文の冒頭に見出しなどがないため、ページから見出しジャンプで「歌舞伎事典」という見出しまでジャンプしたら、画像や英語表記などの後に本文が読み上げられるところまで、根気強く読み進めていくのが一番確実です。読み仮名が()に入っているのが少しうっとうしく聞こえるかもしれないが、読み上げには問題なさそうです。

歌舞伎事典:筋隈|文化デジタルライブラリー
初心者を対象とした、歌舞伎用語「筋隈(すじぐま)」の解説。

次つぎのページも、歌舞伎かぶきを楽たのしくする「お約束やくそく」が続つづきます!

タイトルとURLをコピーしました