第1回『未来いそっぷ』(H松)

さんかくすと文がえます

本日の紹介者

H松
H松

どうも!みなさん、こんにちは。Hまつです。わたし社会科好しゃかいかずきにしてくれたほん紹介しょうかいしたいとおもいます。

「え、もしかしてむずかしい歴史れきしほん?そしたらもうむのやめよ」っておもいました?そうおもったみんな、ちょっとったー!

Hまつはひねくれているので、歴史れきしほんをご紹介しょうかいするなんてことはしないのです(わら

今日きょうは、とってもたのしくて、ワクワクするようなおはなしがいくつもたのしめるほんをおはなしますよ!

未来いそっぷ

著者ちょしゃ:星新一

サピエ 点字てんじデータ:あり サピエ デイジーデータ:あり

出版社しゅっぱんしゃ:u003crubyu003e新潮社u003crtu003eしんちょうしゃu003c/rtu003eu003c/rubyu003e

出版年しゅっぱんねん:1982

ISBNコード:978-4101098265

概要がいよう

みんながっている、「アリとキリギリス」「北風きたかぜ太陽たいよう」などのむかしばなしを、今風いまふうにアレンジ!!よくっているはなしなのに、「そうきたか!!」とおもわずびっくりしてしまうような、それでいて、「なるほどなあ」と爆笑ばくしょうしながら納得なっとくしてしまうような、わったあと不思議ふしぎ爽快感そうかいかんかんじさせるおはなしがたくさんのっています。すぐめる物語ものがたりばかりなので、きずにむことができるほんだとおもいます。(なんと、たった1ページでわる物語ものがたりもあります。)童話どうわのやさしい世界せかいにちょっとだけきてしまっているみなさんにオススメです。

新潮社しんちょうしゃさんのサイトのURL:https://www.shinchosha.co.jp/book/109826/

ほんとの出会であ

小学しょうがく3年生ねんせいのころにこのほん出会であいました。それまでは、「かいけつゾロリ」を座右ざゆうしょにしていたのですが、ちょっと大人おとなぶってみたくなって、ははなに文庫本ぶんこぼんがほしいとねだった結果けっか、「これなんてどう?」とこのほんってもらうことになりました。

なぜ、よりにもよってこんなひねくれたほんをオススメしてくれたのかは、ははのみぞる、H松家まつけ七不思議ななふしぎの1つです。

このほんひろげた世界せかい

どのおはなしみじか文章ぶんしょうなのに、どこまでも想像力そうぞうりょくをかきたてられるようなほんだ!とワクワクしました。最後さいご一文いちぶん予想よそうがつかない衝撃しょうげき事実じじつ!がまちかまえていたり、そのになる不穏ふおん一言ひとことがあったりと、どの物語ものがたりるまでハラハラドキドキの展開てんかいつづきます。漢字かんじにふりがながすくなかったのですが、どんどんすすめたくなって、からない漢字かんじは、うちのおじいちゃんをつかまえてんでもらえばよいのだ!という解決策かいけつさくどもながらにおもいついたりもしました。ほんたのしさや、学校がっこうならっていない漢字かんじをどうまなべばよいかという知恵ちえあたえてくれたほんだなとおもっています。

そして、「あたりまえ」とおもっていたことが「あたりまえじゃない」こともあるのか!と、物事ものごとひろ視点してんかんがえてみることの面白おもしろさをることもできました。社会しゃかいわると、かんがかたってかわわってしまうんだなあ…と。Hまつが「ひねくれた」大人おとなそだったのはこのほんおしえのおかげさまです(わら

教科きょうかとの関連かんれん

わたしたちがきている社会しゃかいとてらしあわせて、「あ!たしかに、こういう問題もんだいってあるよね!」とかんがえながらむと、きっと、これからの人生じんせいきていくときのちからになるとおもいます。このほんには、「これがただしいことだろう」とおもんで行動こうどうした結果けっか自分じぶんではかんがえてもいなかった皮肉的ひにくてき結果けっかまねいてしまったひと動物どうぶつたちがたくさんてきます。そんな姿すがたることは、「こういうかんがかたをすると、星新一ほししんいちさんの作品さくひんてきたあの皮肉的ひにくてきなおはなしおな結果けっかになってしまうかも?」と自分じぶんかんがかたつめなおせるちからにつながるとおもいます。

そして、みなさんが大人おとなになって、会社かいしゃはたらくようになったときにもう一度いちどむと「なるほどな」と、星新一ほししんいちさんがこのほんつたえたかったうらのメッセージを発見はっけんできるとおもいます。(でも、もしかしたら、そのころには「なるほどな」というあたらしい発見はっけんをする体験たいけんまれないほど、会社かいしゃはたらくみなさんにとって素敵すてき環境かんきょうがあることがなかの「あたりまえ」になっているかも…。そのときは、大人おとなになってかえしてみたけど、いまの社しゃかいにもえる問題点もんだいてんなに発見はっけんできなかったなあ…としあわせにおもってください。)

このほんのなかで、もっとも社会科しゃかいかまなびにつながるとおもったおはなし

このほんなかには、Hまつオススメの、いま社会しゃかいまなびにピッタリな物語ものがたりがあります。

おカバさま、という物語ものがたりです。しあわせな社会しゃかいをつくるために、コンピューターが世界せかい運営うんえいのやりかためることになった未来みらいえがいている物語ものがたりなのですが、みなさんだけでなく、大人おとなみなさんにもんでほしいはなしだとHまつおもいます。人工知能じんこうちのうわれる技術ぎじゅつがいろいろな分野ぶんや利用りようされはじめているいま社会しゃかいにおいて、技術ぎじゅつ道具どうぐをどのようにわたしたちが利用りようし、っていくべきかというテーマは、とても大切たいせつなテーマになっているからです。

したに、ちょっとだけ、あらすじをご紹介しょうかいしますね。最後さいご、どうなってしまったのかは、是非、ぜひこのほんんでたしかめてみてくださいね。

「おカバさまのあらすじ」この物語ものがたり舞台ぶたいは、コンピューターに世界せかい運営うんえい方法ほうほうおしえてもらい、ひとがその指示しじしたがうようになったことで様々さまざま問題もんだい解決かいけつし、平和へいわ時代じだいになったなとみんながおもっていた時代じだい。コンピューターが突然とつぜん、「カバを尊敬そんけいして、大切たいせつにせよ。これからはカバではなく、おカバさまとぶように。ばないひとがいたら、ばつあたえるように」という命令めいれいします。これはさすがにへん命令めいれいだな、と読者どくしゃわたしたちはおもうでしょう?でも、この時代じだいは、へん命令めいれいおもえないんです。なぜなら、いままでわたしたちの問題もんだいをスパッと解決かいけつしてくれていたコンピューターがおかしなことをうなんて、そうかんがえることが「おかしい」ことだから。

うたがひとがいなかったので、コンピューターは「くるま運転うんてんしていて、おカバさまがまえあらわれたら、くるまからりておカバさまにひざまずくように。」というような命令めいれいまでしはじめ、人々ひとびとはそれを真面目まじめまもって、おカバさまに無礼ぶれいなことをしたひとまるための専用せんよう警察けいさつまでつくってしまうにいたります。その結果けっかくるまものとしての機能きのうたさなくなって、みんながくるまらなくなり、世界せかいなやませていた排気はいきガスの問題もんだい解決かいけつされるといういことがこります。「おお、よかったよかった!しかし、環境かんきょうくなったおかげで、どんどんおカバさまのかずえていく一方いっぽうなのだが…さすがにこれはおかしいのでは?」とおカバさまのかずえすぎたことで、やっとコンピューターをうたがいはじめるひとてきた矢先やさきに、なんと!家畜かちくわたしたちがいつもべている、うしぶたやニワトリなどのこと)がみんなんでしまう感染症かんせんしょう世界的せかいてき大流行だいりゅうこうするんですね。

こまった人々ひとびとは、コンピューターに解決策かいけつさく質問しつもんします。すると、コンピューターは一言ひとびと。「心配しんぱいはいらない、カバをえばいいのだ!」なんとなんと、人類じんるいもの危機きき回避かいひされたわけです。コンピューターはあらゆる情報じょうほうをもとに、この危機きき予知よちしていたのだ!と、ますますコンピューターへの信頼感しんらいかんつよめていく人々ひとびと…。しかし、じつはこの命令めいれいくだしたあとで、コンピューターの回線かいせんに、ちょっとしたみだれがしょうじていたのでした…。さあ、つぎなる命令めいれいはどうなることやら…。ここからは、あまりにあざやかな最後さいごなので、Hまつくちからはけっしてはなせません!!たのしみがってしまいますからね。この物語ものがたり衝撃しょうげきのラスト、みなさんご自身じしん確認かくにんしてみてくださいね!

画像「コンピュータと肩を組んで楽しそうに笑っている男の人と女の人を、遠くからぼんやりと灰色のカバが大きな口をあけて眺めているイラスト」

作者さくしゃ星新一ほししんいちさんについての豆知識まめちしき

星新一ほししんいちさんは、医療いりょう病気びょうきなおすこと)にかかわりのふか作家さっかでもあります。ここからはすこながいおはなしになってしまうのですが、Hまつ星新一ほししんいちさんの人生じんせいふくめて、「星新一ほししんいちさんの作品さくひん」がきなので…ここで豆知識まめちしきかたらせてくださいね。

まず、星新一ほししんいちさんの大叔父おおおじに、お医者いしゃさんでもあり、とても有名ゆうめい作家さっかでもある森鴎外もりおうがいさんがいます。森鴎外もりおうがいさんの代表作だいひょうさく高瀬舟たかせぶねという作品さくひんがあるのですが、その作品さくひんでは、病気びょうきくるしみながらをむかえようとしているひとを、すこしでもらくねるようにところしてしまうことがつみなのかという、医療いりょうのありかたをかんがえさせられるようなとてもおもいかけがなされています。

そして、おとうさんの星一ほしはじめさんは、星製薬ほしせいやくというくすり会社かいしゃ社長しゃちょうさんです。星製薬ほしせいやくは、日本にほん会社かいしゃではじめてチェーンストア方式ほうしきというかたをアメリカかられ、自分じぶん工場こうじょうつくったくすり全国ぜんこく星製薬ほしせいやくのおみせえるようにしたことで大成功だいせいこうした会社かいしゃでした。さらに当時とうじ世界中せかいじゅう大流行だいりゅうこうしていた、天然痘てんねんとうわれる病気びょうきのワクチンの製造せいぞうにも成功せいこうし、「東洋一とうよういち製薬会社せいやくがいしゃ」とわれるまでに成長せいちょうした会社かいしゃでもありました。星一ほしはじめさんは、会社かいしゃたたくさんのおかねを、フリッツ・ハーバーさんという、植物しょくぶつ成長せいちょう役立やくだ肥料ひりょう人工的じんこうてきつく技術ぎじゅつ貢献こうけんしノーベルしょう受賞じゅしょうした科学者かがくしゃ寄付きふすることで、ひとやく研究けんきゅうをおかねめんからささえていたそうです。(ただし、フリッツ・ハーバーさんの研究けんきゅうによってもたらされた技術ぎじゅつについては、肥料ひりょう人工的じんこうてきつくれるようになってひとやくっためんもある一方いっぽう爆弾ばくだん原料げんりょう空気くうきからつくれてしまうようにもなって、たくさんのひところすことに役立やくだってしまったというかなしいめんもあります。)

星新一ほししんいちさんは作家さっかになるまえ、なんと24さいでおとうさんの会社かいしゃいで、社長しゃちょうとしてはたらいていました。

星新一ほししんいちさんの作品さくひんには、お医者いしゃさんが登場とうじょうするはなしや、あたらしい技術ぎじゅつをめぐって混乱こんらんおここってしまうはなしがたくさんあります。これらのおはなしは、もしかするとどものころに身近みじかでお医者いしゃさんや研究けんきゅう仕事しごとにしているひとなやみをたりいたりした経験けいけんもとになっているのかもしれませんね。

星新一ほししんいちさんの豆知識まめちしきくにあたって参考さんこうにさせていただいたサイト

(1)星新一ほししんいちオフィシャルサイト「プロフィール

(2)星製薬株式会社ほしせいやくかぶしきがいしゃ星製薬のあゆみ

余談よだんですが…

物語ものがたりには、いたひとおもいがこめられています。いたひとには、それぞれ、どんなふうきてきたかという歴史れきしがあります。きていくなかで、いろんなひと出会であったり、ものたりすることで、「こういうことって、大切たいせつだよなあ」とおもうポイントがまれてくるものです。物語ものがたりひとは、自分じぶん大切たいせつだとおもったことをみんなにつたえようとかんがえて、物語ものがたりいているというわけです。

だから、ほんいたひとがどんな環境かんきょうでそのほんいたかということをると、「もしかしたら、この出会であいがこの作品さくひんのこの部分ぶぶんのヒントになったのかも?」という、ワクワクにもつながります。

医療いりょう病気びょうきなおすこと)にかかわりがふかかった星新一ほししんいちさんというひとが、どのように社会しゃかいて、自分じぶんなりにかんがえたのか、さぐりながらんでいくのも、ほんたのしみかたの1つかな?とHまつおもっています。

わたしの世界を広げた本

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「学びの危機」:Counter Learning Crisis Project -学びづらさに向き合う子どもたちの「学びの灯」のために-
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