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私たちは、文章を書く時、いろいろな「おもい」を文字に託します。
特に今回は、漢字の使い方に注目していきたいと思います。
文章を書いているとき・読んでいるときに、どうしてこの漢字を使うんだろう?と思ったことはありますか?
何気なく読み進めていると、漢字が使い分けられていることに気が付かないかもしれません。
今回は意味はほとんど似ているのに、異なる漢字を使うことがある、「なぜ?」と感じたときに、その言葉の意味や使い分けを考えていくための方法を一緒に考えていきたいと思います!
同音異義語と同訓異字
「意味はほとんど似ているのに、異なる漢字を使うこと」に注目していくことが今回の目標ですが、
そのことを考えるまえに、まず「同音異義語」と「同訓異字」というものについて確認してみたいと思います。
漢字が並んでていて、なんだか意味がわからん~という声が聞こえてきそうです。
「名は体をあらわす」とも言いますものね。
まずは、漢字にズバリ注目していきましょう~!
※「名は体をあらわす」とは、「名前には、なかみそのものがあらわれる」という意味です。
同 音 異 義 語
さて、ひとつひとつの漢字に着目してみると、前半の「同音」という言葉は見慣れた漢字ですね!
同じ音、ということなので、「音が同じ」といえるでしょう。
では、「異義」は??
ちょっと難しいですね。さらに分解してみてみましょう。
音読み:「イ」 訓読み:「こと(なる)」「あや(しい)」
意味:「ことなる。ことにする。同じではない。」「普通でない。普通とは違う。めずらしい。あやしい。不思議である。」「ことにする。別々にする。区別する。」
「義」
音読み:「ギ」 訓読み:「よ(い)」
意味:「人として行うべき正しい道。道理。」「意味。わけ。」「正しい。道理にかなった。よい。よろしい。」「仮の。実物の代わり。」
つまり、「異義」とは「異なる意味」、「違った意味」ということなのですね。
「同音異義語」=「発音が同じで、意味がちがうことば。」
例えば、同音異義語には、
「科学」と「化学」
「会」と「貝」
「柿」と「牡蠣」
などが挙げられます。
いわゆる、同音異義語とは、ダジャレや逆の中でも用いられるような言葉、ともいえるかもしれませんね。
布団がふっとんだ
とかね。
‥‥。
なんか急に冬が来たような気がしたのですが、気のせい??
同 訓 異 字
一方で「同訓異字」という言葉についてはどうでしょう?
同じように漢字に注目してみると、「同訓」とあります。
「訓が同じ」、ととれますが、「訓」ってなんだろう?
「訓」
音読み:「クン」「キン」 訓読み:「おし(える)」「よ(む)」
意味:「おしえる。おしえさとす。いましめる。」「おしえ。いましめ。」「よむ。意味を解きほぐす。解釈する。」「くん。漢字に日本語を当てたもの。」
この「訓」は、「音読み」「訓読み」と漢字の読み方で使い分けていた、あの「訓」なのですね。
かつて取り上げた記事「フネで旅する漢字の海原(うなばら) シリーズ② 海の向こうからやってきたもの」の中でも、音読みと訓読みの違いについては触れていました。
訓読みとは、もともと日本語にあった言葉に、中国から伝わってきた文字である「漢字」を当てはめたことに由来する読み方、ということになります。
つまり、「漢字を、その意味にあたる本来の日本語にあてて読むこと」ということになるのです。
再び「同訓異字」という言葉に注目してみましょう。
「同訓異字」=「同じ訓読みで、意味がちがう漢字」
今回取り上げたいのは、これ!
「同訓異字」。
もともとの日本語が同じ。なのに使われている漢字が違う!
この微妙~に意味の差があるのかないのか、考えていくための方法をみなさんと共有したいと考えたのです。
あれ!?
漢字ひとつひとつに注目していくと話してくださっていたような気がするのですが、「考えていくための方法」を紹介することになったのですね!?
ば、ばれたか。
実は、M先生、一生懸命、同訓異字をコレクションしてみたのですが、あまりに紹介してみたいものが多すぎて、書き終える前に息絶えそうで‥‥。
ちなみにどんな同訓異字がありそうか、ご紹介してみましょう。
M先生の「勝手ながら」同訓異字コレクション
1.感情編
あう
会う、逢う、遇う、(遭う)
いかす
生かす、活かす
おぼえる
覚える、憶える
おもい
思い、想い
かなしい
哀しい、悲しい
さびしい
淋しい、寂しい
しみる
染みる、沁みる、滲みる、凍みる
しる
知る、識る
たえる
堪える、耐える
たのしい
楽しい、愉しい
はじ
恥、辱、羞
よろこび
喜び、歓び、悦び、慶び
わかる
分かる、解る、判る
わらう
笑う、嗤う、哂う
2.動作編
いう
言う、云う、謂う
かむ
咬む、噛む
きよめる
清める、浄める
くらべる
比べる、較べる、競べる
けがす
汚す、穢す
しるす
記す、標す、印す
すすめる
薦める、勧める、奨める
すてる
捨てる、棄てる
たくわえる
貯える、蓄える
たずねる
尋ねる、訊ねる
ならう
習う、倣う
ひらく
拓く、墾く、開く、啓く
ほえる
吠える、吼える
ほめる
褒める、誉める、賞める
まもる
守る、衛る、護る
みる
見る、観る、診る、看る、視る
ゆく
行く、逝く、往く、征く
ゆるす
許す、赦す
3.自然編
うた
歌、唄、詩、謡
かおり
香り、薫り、馨り
くに
国、邦、國
さと
里、郷
とし
年、歳
しずく
滴、雫
そら
空、天、宙
みち
道、路、途、径
わざわい
禍い、災い
4.状態編
あやしい
怪しい、妖しい
すぐれる
優れる、勝れる、選れる
とける
溶ける、融ける、熔ける、解ける
はなし
話、噺、咄
はやい
速い、迅い
ひろい
広い、拡い
ふるい
古い、旧い
ほろびる
亡びる、滅びる
まさる
優る、勝る
まざる
混ざる、交ざる、雑ざる
みたす
満たす、充たす
やわらかい
柔らかい、軟らかい
よい
良い、佳い、好い、善い
たくさんある同訓異字!
どうやって使い分けていったらいいのでしょう…。