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ヤングケアラーへの支援
ヤングケアラーが社会問題として取り上げられたのは最近の出来事ですので、ヤングケアラーの調査や支援についてはまだ模索中というのが現状です。しかし、現在進行中で様々な取り組みが行われているので、ご紹介いたします。
1.「中高生のかたり場」(ケアラーアクションネットワーク)
一般社団法人ケアラーアクションネットワークでは、「家族の世話や介護を家族だけで抱え込まずに自分の人生を自分らしく生きることができる社会づくりを目指す」ことを目標にヤングケアラーや家族の介護を担う人々の支援活動を行っています。具体的には、毎月2回、Zoomで「中高生のかたり場」を開催し、ヤングケアラー同士が悩みを共有し、自分の将来について考えるプログラムを提供されています。「中高生のかたり場」に参加したい、興味があるという方は、こちらからどうぞ!(まなキキ外部サイトへリンクします)
2.ケアラー支援条例(埼玉県)
ケアラー支援の動きは、行政にも見られます。埼玉県は、全国の自治体に先駆けて2020年3月に「ケアラー支援条例」を県議会で可決、施行しました。週刊高齢者住宅新聞Onlineさんの記事をお借りしながら、条例の内容を見てみましょう。
同条例では、「ケアラー」について、「高齢、身体上又は精神上の障害又は疾病等により援助を必要とする親族、友人その他身近な人に対して、無償で介護、看護、日常生活上の世話その他の援助を提供する者と定義。特に18歳未満の人については「ヤングケアラー」とし、適切な教育の機会を確保し、心身の健やかな成長、発達ならびにその自立が図られるように、支援を行わなければならないと強調している。
週刊高齢者住宅新聞Online 「全国初、ケアラー支援条例施行/埼玉県」
また、ケアラー支援は企業、民間支援団体が協力して行う必要があるとしています。
県は、市町村や事業者、関係機関、民間支援団体などと連携してケアラーを支援。このうち、事業者に対しては「雇用する従業員がケアラーである可能性があることを認識するとともに、当該従業員がケアラーであると認められるときは、ケアラーの意向を尊重しつつ、勤務するに当たっての配慮、情報の提供その他の必要な支援を行うよう努めるものとする」と明記。いわゆる「介護離職」などにつながらないよう、従業員に対する配慮を求めている。
週刊高齢者住宅新聞Online 「全国初、ケアラー支援条例施行/埼玉県」
また、教育機関に対しても、ヤングケアラーへの支援を求めています。
1 ヤングケアラーと関わる教育に関する業務を行う関係機関は、その業務を通じて日常的にヤングケアラーに関わる可能性がある立場にあることを認識し、関わりのある者がヤングケアラーであると認められるときは、ヤングケアラーの意向を尊重しつつ、ヤングケアラーの教育の機会の確保の状況、健康状態、その置かれている生活環境等を確認し、支援の必要性の把握に努めるものとする。
2 ヤングケアラーと関わる教育に関する業務を行う関係機関は、支援を必要とするヤングケアラーからの教育及び福祉に関する相談に応じるとともに、ヤングケアラーに対し、適切な支援機関への案内又は取次ぎその他の必要な支援を行うよう努めるものとする。
埼玉県ケアラー支援条例 第8条(ヤングケアラーと関わる教育に関する業務を行う関係機関の役割)
家族のケアは、ケアラーにとって学ぶ機会と働く機会を奪いかねない大きな負担です。そのため、事業者と学校側もケアラーの状況を把握し、勤務や学習にあたって配慮するよう「ケアラー支援条例」は定めています。
埼玉県などの地方自治体のヤングケアラー支援を受けて、国も2021年5月中に相談窓口の拡充を行うなど、この記事を書いている間にも、ヤングケアラー支援の動きがありました。また、ここで紹介した民間団体や行政だけではなく、この記事を読んでいる皆さんにも、ヤングケアラーに寄り添うことはできると私(たじみ)は考えています。ヤングケアラーの方たちが何を必要としているのか、思いを巡らせていただけると嬉しいです!下の感想フォームにも、皆さんの意見をどんどん書いてくださいね!