点字を書く道具

イラスト:点字盤を使って点字を打っている女性 ご機嫌な勉強のススメ

さんかくすと文がえます

 

M先生
M先生

ここまでいろいろな角度かくどから点字のルールを見てきましたね。
私、身近みぢかにある点字を少しずつ読めるようになってきました!

Sさん
Sさん

読めるようになると、今度は点字を書いてみたくなりますね。

N川さん
N川さん

おっ、それはうれしい!
じゃあ、今日は点字を書くための道具を紹介しょうかいします!

 

紙に書く道具

点字器てんじき点字盤てんじばんぶこともあります)

点字器は定規じょうぎといういた点筆てんぴつという針状はりじょうの道具がセットになっています。

定規じょうぎの間に紙をはさみ込み、点筆てんぴつで点字を書き込んでいきます。

 

画像:定規と点筆のセット
定規と点筆のセット!
画像:点字器を開いている写真
定規に紙が挟めるようになっています!

  

 

定規は二枚の板からできており、上側の板には、点字一ます分の四角い穴がいくつも空いています。

下側の板には、点字一ます分の六つの穴のかたまりならんでいます。

画像:点字器の定規の点
1マスに6つの点で点字一文字分。ということで6つの点の塊がたくさん!
画像:点字器で点字をうつ様子。点筆を手に取っています。
うまく打てるかな?

 

 

この二枚の板で紙をはさんで紙を穴の中に押し込むようにして点字を書いていきます。   

軽くてコンパクトなので、持ち運びに便利です。

 

 

N川さん
N川さん

点字は点筆てんぴつで紙を穴に押し込むように書くので、「書く」ではなく、「打つ」ということが多いです。

それでは、点字器の使い方を動画で見てみましょう。

 

点字にチャレンジ「3.N632小型点字器の使い方 2」(2分32秒)

 

M先生
M先生

丁寧ていねいに点字の打ち方が紹介しょうかいされていますね!

 

肝心かんじんなのは、点字器は裏側から点がき出るように打つので、実際じっさいに読む点字と反転はんてんさせて打たなくてはいけない、というところですね。

 

日本語の文章は横書よこがきの時、左から右側へ書きますが、この点字器てんじきを使うときに右側から左側へと点字を打っているのはそのためです!

Sさん
Sさん

点字器てんじき点字用紙てんじようしがしっかり固定こていされているから、誰でも簡単かんたんに点字を打つことができそうだなと思いました。

プチプチという音とっても心地ここちよいです^^

 

点字タイプライター

タイプライターのローラーに紙をきつけて、正面しょうめんについているキーボードを押して点字を打ちます。

以前の記事で紹介した、1から6の点が六つのキーそれぞれにられています。

点を打つキーの他に、改行かいぎょうキー、スペースキー、バックスペースキーがついています。

点字器てんじきに比べると手がつかれにくいため、長い文章を書くときに便利べんりです。

また、点字器てんじきの場合には、定規じょうぎから紙を取りはずさないと自分が打った点字を読むことができませんが、タイプライターの場合ばあいには紙を取りはずさなくても、書いた内容を確認かくにんすることができます。

 

N川さん
N川さん

点字タイプライターにはいくつか種類しゅるいがあります。

この動画どうがではパーキンスブレイラーという、私も普段ふだん使っている機種きしゅ紹介しょうかいしています。

点字タイプライターパーキンスブレーラーの紹介

 

Sさん
Sさん

とても重そうな機械きかいだと思いました。

大きさはパンをトースターくらいのサイズですね。

6つのボタンとスペースを打つボタンで点字があっという間に打ててしまうところがすごいと思いました!

M先生
M先生

打ってみたい!

けど持ちはこびには向かなさそうですね~。

このタイプライターを使いこなすには、打ちたい点字がどの点で構成こうせいされているのか、ちゃんとおぼえる必要がありますね!修行しゅぎょうだ修行だ!

 

【コラム】点字用紙いろいろ

M先生
M先生

N川さーん!

私、さっそく点字器てんじきで点字を打ってみたのですが、どうしても紙に穴がいてしまうんです。どうしたらいいんでしょう?

N川さん
N川さん

実は点字用紙てんじようしという専用せんようの紙があるんです。

この紙ならコピー用紙などによりもあつみがあるので、点字を打つときに穴がきにくいですよ。

Sさん
Sさん

でも、あまり分厚ぶあつい紙だと、点字器てんじきで書くときに手がつかれませんか?

N川さん
N川さん

点字図書館てんじとしょかんにはあつみのちがう点字用紙が売られているので、目的に合わせて使い分けることができます。

例えば、うすい点字用紙は点字を打つときに手がつかれにくいので、点字器でメモを取るときによく使います。でも、書いた点字を何度も読んでいるうちに点がつぶれたり、ったりしやすいデメリットもあります。

一方、厚手あつでの紙は点字を打つときに手がつかれてしまいますが、書いた点字が長持ながもちするので、私はタイプライターでノートを清書せいしょするときによく使っていました。

M先生
M先生

なるほど!

今調べてみたら、点字用紙にはあつみだけでなく、サイズや色も何種類しゅるいかあるみたいですね。

他にも、書いた点字を好きなところにれるように、シール状になった用紙も売っているんですって!

Sさん
Sさん

用途ようとに合わせて紙を使い分ける… 墨字すみじのノートえらびともよく似ていますね。

 

点字を印刷する道具

亜鉛板あえんばん

点字は手書てがきだけでなく、印刷いんさつする方法もあります。

ここでは、亜鉛板あえんばんを使った印刷いんさつ方法を紹介しょうかいします。

まず、二つ折りにした亜鉛板あえんばん製版機せいはんきで点字を打ち込んで原版げんばんをつくります。

次に、原版げんばんの間に紙をはさみ込み、ローラーで圧力あつりょくをかけると、原版げんばんの点字を紙にうつし取ることができます。

原版げんばんは一度つくってしまえば何度もり返し使えるので、たくさんの人にくばりたい資料しりょう印刷いんさつするときによく利用りようされます。

 

Sさん
Sさん

この動画では、「広報北海道」の点字版を印刷している様子を見ることができます。

ローラーにあっという間にい込まれて、出てきたときには綺麗きれいに点字が打たれていて、冊子さっしにする場面も手際てぎわが良く、なんだかとってもあざやかな作業工程こうていでした!

広報北海道 点字版 作成の様子

 

M先生
M先生

亜鉛板あえんばんの点字が、いわば「かた」の役割やくわりたしているんですね~。

実はこの点字が打たれた亜鉛板あえんばんは、リサイクルでマグネットなど素敵すてき製品せいひんになっていたりもするんですよ~。

 

 

N川さん
N川さん

たくさんの人にくばりたいものと言えば、新聞しんぶんもありますよね。

歴史れきしある日本の点字新聞しんぶん「点字毎日」の印刷風景いんさつふうけいも見てみましょう。

この印刷機いんさつきでは亜鉛板あえんばんなではなく、アルミ板を使うそうです。

 

M先生
M先生

まなキキのことを紹介しょうかいしていただいたこともある「点字毎日」さん!

点字ユーザーにとって貴重きちょう情報源じょうほうげんの一つですね!

金属きんぞくの「ばんしょうかい」を作ることであやまりがないようにするのですね。

点字毎日の作成の工程こうてい圧巻あっかんです!

そしてなかなか分厚ぶあつ冊子さっしになっていること、お気づきになられたでしょうか??

Sさん
Sさん

うーん、大正たいしょう時代からの発行はっこうということは、かなりの歴史があるんですね。

墨字すみじでも校閲こうえつはありますが、それに点字のルールがプラスされての確認作業かくにんさぎょうがあるのでさらに大変そうです。

出来上がった分厚ぶあつ冊子さっしは、作り手のおもいの結晶けっしょうだと感じました。

 

点字プリンタ

パソコンで作成した点字のデータを印刷いんさつする機械です。

墨字すみじのプリンタに比べると、点字プリンタはサイズが大きく、印刷いんさつするときの音がにぎやかです。

 

また、ジャバラ上に一続ひとつづきなった点字プリンタ専用せんようの紙に印刷いんさつすることも特徴とくちょうです。

印刷いんさつが終わったら、紙に入ったミシン目にそって1ページずつ切りはなし、紙の横にいた穴にバインダーやひもを通して製本せいほんします。

 

 

Sさん
Sさん

点字プリンタが実際じっさい印刷いんさつをしている動画を見つけました!

「カタカタカタカタ」という音がなく続いていて、ものすごくスピーディーに点字が印刷いんさつされている様子がわかりますね。

点字の打たれた用紙が次々と機械きかいから出てくる様子が、まるで製麺機せいめんきのようです…。

 

点字印刷風景

 

M先生
M先生

この印刷機いんさつき、めちゃくちゃお値段ねだんが高いんだそうですよ~。

でも点字器やタイプライターで打ち込むのとでは効率こうりつにものすごい差がありそうですよね。

墨字すみじユーザーでいう「プリンタ」に相当そうとうするわけですが、なかなか点字ユーザーの自宅に設置せっち、というわけにはいかないのがむずかしいところですね。

 

M先生
M先生

さて、次の動画では先ほどの点字プリンタがどうやって印刷いんさつしているのか、プリンタのふたを開けて撮影さつえいしていますね。一生懸命いっしょうけんめい点字打ち込んでますね!!

点字印刷(点字プリンターによる)の動画

 

Sさん
Sさん

読み上げられた音声にそって点字が印刷いんさつされているみたいですね。

とてもハイテクに感じました!

読み上げられた文章はそこまで長くはなかったけれども打たれた点字はとても多くみえました。

N川さん
N川さん

最近さいきんでは、紙に直接ちょくせつ点字を打ち込むだけでなく、特殊とくしゅなインクを使って点字を印刷いんさつする方法も開発かいはつされているそうですよ。

 

点字情報端末てんじじょうほうたんまつ

Sさん
Sさん

ここまでは点字を紙に打つ道具を見てきましたけど、そういえば私、N川さんが点字器てんじきやタイプライターで点字を打っているところを見たことがありません。

紙に印刷いんさつした点字を読んでいるところも、最近さいきんは見かけない気がします。

N川さん
N川さん

うーん、Sさんの質問しつもんはいつもするどいですね。

そうなんです、私の場合、普段ふだんはブレイルメモという機械きかいで点字を読み書きすることが多いです。

紙で点字を読み書きするのは好きですが、墨字すみじに比べると点字の資料しりょうはどうしてもかさばるんので、データで持ち歩く方が便利べんりなんですよ。

 

点字情報端末じょうほうたんまつは、ディスプレイにめ込まれたピンを上下に動かすことによって、点字を表示する機械きかいです。

 

この機械きかい一台で点字を読み書きできることはもちろん、音声読み上げソフトを搭載とうさいしていたり、インターネットに接続せつぞくしてチャットやメールができる機種きしゅもあります。

私が使っているブレイルメモは、点字でメモをとったり、パソコンから取り込んだ点字図書のデータを開いて読書をすることができます。

他にも、電子辞書でんしじしょやスケジュール帳、ICレコーダーなど機能きのうもあります。

 

 

M先生
M先生

ブレイルメモはスマフォやタブレットの点字ばんといったところでしょうかね。

墨字すみじ使用者の私も、最近ではパソコンでノートをとったり、タブレットで読書をすることが多くなったので、使い方が似ているなと思いました。

N川さん
N川さん

実際じっさいにブレイルメモをお仕事で使っていらっしゃる方の動画をYouTubeで見つけましたよ!

視覚障害者の暮らし–お仕事(ブレイルメモ)編【ftcj フィリピン盲学校支援事業】

 

Sさん
Sさん

ものすごい速さでボタンが押されていて思わずスロー再生してしまいました笑

ボタンが押されている「カチカチ」という音が、点字器てんじきに負けずおとらず心地ここちよいですね^^

M先生
M先生

点字の電子手帳でんしてちょう、というのがイメージに近いでしょうか??

文字を打ち込む部分は分かりやすかったと思いますが、ディスプレイに相当そうとうするのが、キーボード部分の下側にある部分です。

点字がぽつぽつき上がってくるんですね!すごい!

 

N川さん
N川さん

いかがでしたか?

みなさんも身の回りで点字を見つけたら、「これ、どうやって書いたんだろう?」と考えてみてくださいね!

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