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こんにちは。H松です。みなさんは、麵、好きですか?今日は、麵にこだわって、社会の学びにつながるようなお話をしていきたいと思います。
いろいろな麵
みんなが大好きな麵、実は、いろいろな種類があります。どの麺とどの麵が親戚関係なのか、ちょっと気になりませんか??
気になりますけど…。でも、そんなマニアックなことを研究している人っているんですかね?
Sさん。気になったらまず、調べてみましょうよ。まずは、Googleで「麵の歴史」をポチっとな…。
おお!「世界の麺料理」ってサイトが出てきましたね。さっそく読んでみます。ふむふむ。日清食品の「めんの系譜研究会」によると、まず、麺のご先祖様は、3つに分けられるんですって。
すごい!M先生のおっしゃる通り、インターネットで検索するだけでも、マニアックな研究を見つけることができるんですね。そして、麵のご先祖様は、3つ!意外と少ないですね。
麵のご先祖様
(1)ラガヌム
ラザニアのご先祖様。紀元前、古代ローマで生まれた料理といわれている。
(2)イットリーヤ
マカロニ・スパゲッティのご先祖様。もともとはアラブ諸国で生まれたが、シチリア島を経由して、イタリアに伝わった。アラブから中国までを結ぶ麺文化の中心を担ったといわれている。
(3)湯餅
ラーメン・うどん・そば・そうめん・ひやむぎ・ミー・ラクサなど、様々な麵のご先祖様。中国の黄河周辺で生まれたといわれている。ちなみに、餅は中国では麵を意味する。お正月に食べるおもちとは意味が違うので要注意。
湯餅、すごい。湯餅一族の幅の広さに驚かされます。ラーメンやうどん、そばまでが親戚だなんて。
それにしても、日本で一番人気の麵ってなんなんでしょうかね。
うむむ。検索してみたけれど、意外と、どの県でどの麵が強いのか、出てこないなあ。
じゃあ、まなキキの私たちで勢力図を作ってみましょうか。
勢力図をつくってみよう
どうやって作ろうか?
勢力図をつくるために必要なデータって、どこからもってくればいいんだろう?
社会の資料集のデータって、どこから来てるんでしょうね?よく、後ろのページにいろいろな農作物のランキングがのっていますよね。みかんとか、ナシとか。
物を売ったり買ったりすることに詳しそうだから、経済産業省のデータをしらべてみませんか?
みかんがどのくらい売れたか、調べていそうだもんね。
いや、麵の話をしているんですよ。
そうでした。よし、調べてみましょう。
消費量は分かるけど…。ラーメンとか、そばとか、単体で出てないな。
なんちゃらラーメンとか、なんちゃらうどんとか、その場所の名前がついた麺を全部調べたらいいんじゃないでしょうか?
郷土料理を紹介しているサイトは、たくさんあるもんね。なるほど。じゃあ、試しにそういうサイトをいくつかみて、北海道から順番に、名物の麺の名前を書きだしていこうか。
つくってみた
(1)麺の勢力図をつくる
と、いうことで。やってみましょう!まずは、Googleで「郷土料理 全国」「ご当地麺」「名物 麺 全国」で検索してみます。
おお!さっそくみつけました。「郷土料理ものがたり」というサイトに、麺一覧がのっていますね!北海道から沖縄県まで、サイトにのっている麺の名前をExcelに書き出してみます。
あ!その作業をするまえに!ただ書き出すだけじゃなくて、その麵がどんなカテゴリかも一緒に記録していかないと。数えるとき、また同じサイトを見直さないといけなくなっちゃいます!
たしかに。二度手間になってしまうね。そしたら、サイトから表に書き出すとき、(1)都道府県の名前(2)麵の名前(3)麺の種類の3つの情報を合わせて書くようにしようか。
そうですね。麺の種類は、「ラーメン」「うどん」「そば」「そうめん・ひやむぎ」「パスタ」「その他」にしましょうか。
よいと思います。最初に麺のことを調べたとき、大きく分けてパスタ系と、湯餅系があって、湯餅系の中にラーメンとかうどんとかがあるって話でしたもんね。その分け方にしたがって、数えてみましょう!
図1 H松作成 麺の勢力図
(2)麺の発祥地マップをつくる
ラーメン、とはいっても、スーパーやコンビニのカップラーメンコーナーをのぞいても、たくさんの種類が並んでいます。
味付けだけではなくて、「札幌ラーメン」や「博多ラーメン」など日本の地名のついたラーメンももりだくさん。日本全国には、たくさんのラーメン屋さんがあるようです。
ということで、日本全国にどんなラーメンがあるか調べてみました。
結果は…ものすごい種類のラーメンが発掘されました!
まさに、ラーメン戦国時代です!!
地域によって、スープの傾向や、どんな麺を使うのか区別できるのかな?
そこで、「麺」、「スープ」、「具」、「ラーメンが生まれた起源」の項目を立てて実態を探ってみることにしました。
調査の方法
検索エンジン「Google」を使って、あらかじめ調べておいた「〇〇ラーメン」という言葉をキーワードにして、以下の調査項目情報を洗い出し、整理していきました。
- 麺の細さ/太さ
- 麺の特徴(縮れ麺/ストレート)
- スープの特徴
- 具材
- 起源
- その他
「〇〇ラーメン 特徴」、「〇〇ラーメン 起源」など、キーワードを加えて検索してみたよ。検索するキーワードを複数入力しておくと、検索したいものをより絞り込むことができるんだって。
キーワードを入れるとき、キーワードとキーワードの間にスペース(空白)を入れるのが一般的。
結果をまとめてみたものが下記の表(一部)です。
調査項目に加えて、ラーメンの特徴を「王道系」「具材に特徴がある」「スープに特徴がある」「麺に特徴がある」「町おこしをきっかけに生まれた」などの観点からも整理してみました。
何を参照したのかを記録しておくことも重要ですね!
仕入れた情報のソースをおさえておくと後から確認することができますし、他の誰かが調べたり、まとめている記事を参考にさせていただいた、ということを提示することは、調べ物をする際の大事なルールです。
一人だけの力で調べ物が達成されるのではなく、新しい知識を得るために、まだ見ぬほかのだれかの力を借りる必要がある、ということを改めて実感して、感謝の気持ちが生まれますね。
ラーメン情報の一覧表に基づいて、ラーメンピンマップを作成してみました。
名前のよく知れたラーメンがどんな場所で生まれたのか、どんな地域でラーメンが生まれたのかを視覚的に把握してみよう、というのがその狙いです。
ラーメンピンマップの作り方
- 日本地図のイラストの入手
今回は「いらすとや」の日本地図を使いましたが、日本地図の白地図などを無料でダウンロードすることのできるwebサイトも多く存在しています。
(日本地図|シルエット イラストの無料ダウンロードサイト「シルエットAC」 など)
ダウンロードした地図をパソコンの「ペイント」から開くと、色を付けたりすることができるので、調査した結果を反映してオリジナルの地図を作ることもできます。 - ラーメンのマッピング
調べたラーメンが生まれた場所を確認しながら、画像データを重ねて貼り付ける。
分かりやすくなるように、やはり「いらすとや」でラーメンのイラストをダウンロードして、アイコンのように活用しました。
どれくらい、この図がデータと重なってくるんでしょう?
(3)小麦粉・そば粉の生産量&消費量ランキングをつくる
同じようなことを調べていた人っていないのかなあ?
インターネットでラーメンを調べてみると、色々なサイトがありましたが…。あ!!消費量について語っているサイトの多くが、総務省が行った調査を引用していますね。
本当だ!総務省のサイトにデータがのってるんですね。無料でダウンロードできるなんて!!昔、自由研究したときに知っていれば!!もっと宿題を早く終えられたのに(笑)
加えて、生産量については、農林水産省が行っている「作物統計調査」のデータを引用しているサイトが多いですね。
本当ですね。こちらも総務省が整備しているこちらのサイトから、作物の種類ごとにダウンロードできるようになっていますね…!!
これらを見てみると、2018年から2020年の間の小麦の消費量の平均だと、多い順に、長野県・埼玉県・奈良県かあ。
それから、2019年の小麦の生産量は、多い順に、北海道・福岡県・佐賀県なのねえ。
でもちょっと、数字で言われても分かりにくいなあ。どうしよう。
図表にするとわかりやすくなると思いますよ。そうそう、ちなみになんですが。総務省のサイトをみると、データを使って図表をつくるときは、出典情報をちゃんと入れてねというお願いがありますね。調査結果を使う際のマナーとして、そうしたお願いは守りましょうね。
そうですよね!頑張って自分が調べた調査結果を、ほかの人が自分が調べたデータとして使っていたら、嫌な気持ちになりますよね。
あと、自分がやっていない調査に関して、責任を持てるんですか?とも思うよね。出典情報が書いてあれば、データそのものが間違っていた場合、出典先に問い合わせできるけど。書いてなかったら、自分がやっていない調査に関しての責任までもたないといけなくなるよ。
さて。図表だけど、折れ線グラフとか棒グラフなどなどいろんな図がある中で、どんな図がいいのかな?
「全国の消費量や生産量のうち、どれくらいの割合を各都道府県が占めているか?」をパッと見てわかるように伝えたいので、円グラフがよいんじゃないでしょうか。
円グラフは、「割合」を視覚的に強調したいときに有効です。アンケートの回答結果を示すのに使われているのをよく見かけますよね。
ただ、今回のデータを図にする場合、47都道府県の消費量・生産量のそれぞれの数値全てを円グラフに反映するとなると、円の中が窮屈になって、かえって見にくくなってしまいそうな気がしますが、いかがでしょうか…?
たしかにそうですね!アンケートの回答結果を示すために使われている円グラフも、「とてもそう思う」「そう思う」「どちらとも言えない」「あまりそう思わない」「そう思わない」のような、5段階評価くらいに区切られているのをよく見ますもんね。あまりにも多くのデータだと、円グラフが細かい区切りになってしまうから、わかりにくくなってしまいますね。
そうなのですね!グラフの使い分けって、習ったことがあるはずなのに忘れてしまうものですね…とほほ。
本当ですよね…。グラフの使い分けについて改めて調べてみたら、埼玉県庁のホームページにとってもわかりやすくグラフの種類と使い方がまとめてありましたよ!埼玉県に感謝ですね!
おお!ありがとうございます!このサイトで復習したところ、私たちが今作ろうとしている「小麦粉や蕎麦粉の生産量・消費量」の図としては、棒グラフが適していそうですね!
棒グラフは、複数のデータの「大小や増減」の違いをまさしく「棒」で表すグラフですよね。一番シンプルで基本的なグラフと言えそうです。
それでは、先ほどH松さんが教えてくださったホームページを参考にしながら、パソコンのエクセルを使って作成してみます!
エクセルソフト!!さすが大学生Sさんですね(笑)
エクセルは、数値や計算式を四角いセルの中に打ち込むことによって、自動的に計算してくれたり、図を作ってくれたりするので、とっても便利ですよね。グラフを作ってみるときは、手書きももちろんいいですし、コンピューターを使ってみてもいいですね。
できあがったグラフを載せていきます!
Sさんお疲れ様です!たくさん作ってくださいましたね!
このグラフを作成する上で気をつけたポイントは、どんなところですか?
はい!グラフを作る上で気をつけたのは、
①グラフのタイトルを明記する
②グラフの縦軸には数値を入れて、単位も明記する
③グラフの横軸には、都道府県名を入れる
④出典を明記する
といったところです!
エクセルでグラフを作ると、色々なデザインが出てくるので、試しに何個か使ってみて、デザインや色の違いで印象が変わるなあと気がつくことができて、工夫がどんどんできそうな予感がしました。
わー!Sさんありがとうございます!インターネットから引用してきた数値のデータがとてもみやすくわかりやすくなりました!これらのグラフを使って、特徴的だなと思うところや不思議だなと思うところなどを話し合っていきましょうか!
次回、図をみて分かったこと編へ続く!お楽しみに。