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漢字辞典とはなんだろう?
辞典の「辞」という漢字は、「もつれをほどく」という意味があります。
生きていると、なんともいえない「モヤモヤ」とした気持ちになることがあると思います。
そんな「モヤモヤ」があると、なんだか調子がくるってしまうのですが、そんな「モヤモヤ」を晴らすための道具が「ことば」でした。
そんな「ことば」を書きまとめた大切な書物のことを「辞典」とよびます。
「じてん」には「辞典」だけではなくて、「事典」もありますね。
「辞典」は、「ことば」の意味についてまとめられたものですが、「事典」には、「物事」についての説明がまとめられています。
言葉の意味が書かれているのは、主に「国語辞典」。
漢字、一文字一文字の意味について説明されているのが「漢字辞典」です。
「漢字辞典」には、漢字の意味だけではなくて、漢字がどうしてこのような形をとるようになったのかの裏話なども載っています(「字源」:字の源。)。
また、書き順、調べた漢字をどのように使えるのか、例文や熟語も紹介されています。
辞書によっては、似ている漢字や間違いやすい漢字の見分け方などが紹介されていることもあります。
読めない漢字にであったときの解決法
難しい文章にチャレンジしようとすると、必ず出くわしてしまうのが、「読めない漢字」。
どうしたら、「読み方」を知ることができるのでしょうか。
漢字辞典を使った解決法
その1.「部首さくいん」を使う
気になる漢字の部首がわかったら、その部首から「読み方」を探ることができるかもしれません。
漢字辞典は、だいたいの場合、部首ごとにたくさんの漢字が紹介されています。
お目当ての部首が紹介されているページを見つけることができたら、画数が少ない順に並んでいるので、気になる漢字の画数を確認しながら、ページをめくっていきましょう。
「部首さくいん」で「辞」という漢字を調べる場合
(Mせんせいの『漢字源』を使った場合)
たいていの辞書には、いろいろな種類の「さくいん」があります。
手がかりをもとに、情報に辿りやすくするためのリストのことを「さくいん」とよびます。
「部首さくいん」は、部首別にリストが整理されているのです。
(Mせんせいの辞書は、なかなか年季がはいっていますね汗。でも、だんだんくたびれてくると愛着もわきます。紙の辞書のよいところです)
「辞」の部首はどれなのか、迷うかもしれませんが、「舌」なのか「辛」なのか、リストに載っているものを探してみましょう。
ここでは、「辛」を発見することができます。
部首の画数が数えられると、はやく探すことができます。
「しん・からい」と読む「辛」という部首を使った漢字のページは、「一八四〇」ページ、つまり1840頁にあることがわかりました!
1840ページを開いてみたら、ちゃんとありました!
「しん・からい」という部首を使った漢字がずらりと並んでいます。
画数がすくない順に並んでいるのですが、「辞」は、すぐ探せるでしょうか?
ここでは、「しん・からい」という部首以外のパーツの画数がわかると探しやすいです。「舌」というパーツの画数は…6画です!
「辞」という漢字、無事に発見しました!
漢字の上に小さく、「辛-6」と書いてあるのは分かるでしょうか?
「しん・からい」部首をつかった6画の漢字、という目印です。
画数がわかれば、一文字ずつ探さなくても、ちょっと楽できます。
こうして、無事に「辞」という漢字の意味や読み方を確認することができました。
「音訓」と書かれているところに読み方が出ています。
その2.「総画さくいん」を使う
「部首が何かよくわからない!」ということもあると思います。
その場合は、「辞」という漢字の画数を調べて、画数順に並んでいる「さくいん」をみると「辞」という漢字について説明されているページがどこなのか、調べることができます。
「総画さくいん」で「辞」という漢字を調べる場合
(Mせんせいの『漢字源』を使った場合)
まず、みなさんは、「辞」という漢字が何画でできているか、わかりますか??
漢字の一画分がどういうパターンでできているのかを知っていると、まったく知らない漢字でも、勘を働かせることができるのですが…。
「辞」という漢字が何画でできているでしょう?
- 12画
- 13画
- 14画
正解していたでしょうか?
さて、「辞」の総画が判明したところで、「総画さくいん」を開いて、目当ての漢字を探していきます。
同じ画数の漢字が、ずらーっと並んでいます。
辛い人は辛いページかもしれません…。
ただ、このさくいんも、画数の少ない部首順に並んでいます。
みつけた!!
「辞」という漢字の下に、漢数字でページがでています。
「1841ページ」です。
その3.「音訓さくいん」を使う
音訓とは、つまり「音読み」「訓読み」のことですが、「もしかしたら、こう読んだりするのかな?」と推測できる場合は、「音訓さくいん」を使うのも便利です。
音読みでも訓読みでもどちらでもよいので、読みかた(の予想)がついていたら、その読み方別に漢字を調べることができます。
「音訓さくいん」で「辞」という漢字を調べる場合
(Mせんせいの『漢字源』を使った場合)
「辞」という字。
「辛」は、「しん」とも読むのかぁ…ということで「し」と読めるのかも?と「音訓さくいん」で「し」のページを開いてみます。
ここも、画数順で並んでいます。
「辞」は13画、ということで…みつけました!画数が小さく番号で振られているので、それを頼りに見つけられると便利です。
「音訓さくいん」を使うためには、読み方がわかっている必要があります。
漢字がどのような素材(パーツ)で作られているのかに注目して、もし、その素材が知っている漢字だったら、その漢字の読み方を頼りに探してみると、うまく見つけられるかもしれません。
漢字辞典以外の道具を使う場合
その1.IMEパッドを使ってみる
これは、パソコンを使える人には便利な方法です。
(ここでは、Windowsを使って調べる場合のやり方を紹介します。)
パソコンの画面、右下をみると、「A」だったり「あ」と書かれているアイコンがあります。
このアイコンを「右クリック」してみましょう。
そうすると、文字に関する設定がメニューとして表示されます。
このメニューの中に、「IMEパッド」と呼ばれる選択肢があるのです。
IMEパッドを開くと、手書きで文字を入力できるウィンドウが表示されます。
左側の正方形のマスの中に、読み方がわからない漢字をマウスで書き入れると、候補の漢字が右側に表示されるしくみです。
手書きで入力していくと、「お探しはこの漢字ですか?」と、候補の漢字を示してくれます。
お目当ての漢字にカーソルを合わせると、読み方が表示されます。
カタカナで表記されるのが「音読み」、ひらがなで表記されるのが「訓読み」ですね。
その2.スマートフォンやタブレットのカメラ機能をつかってみる
Mせんせいは、iPhoneを使っているので、iPhoneを使った場合のやり方を紹介します。
カメラのアプリを開いて、お目当ての漢字にピントを合わせます。
そうすると、右下の黄色くなっているアイコン(まわりを赤い線で強調しています)が表示されるので、そこをタップしてみましょう。
あら不思議。気になる漢字を選択することができるようになるのです。
専門的には文字情報をスキャンするOCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)と呼ばれる機能が、カメラにそなわっていると使うことができます。
お目当ての漢字を選択すると、「コピー」したり、「調べる」、「翻訳」以外にも…
「Webを検索」や「ユーザ辞書」、
はたまた、「読み上げ」で、iPhoneにお目当ての漢字の意味や読み方を教えてもらうことができます。
手元に辞書がなかったりする場合、便利に使うことができる機能です。
紙の辞書のほうが、書かれている情報が豊富で、おもしろいのでオススメなのですが、パソコンやスマートフォン、タブレットを使ってできることもあるので、ぜひ、いろいろ試してみてほしいなあと思います。
Mせんせいの好きな漢字辞典
Mせんせいは、学研の上級漢和辞典「漢字源」(改訂第6版)を愛用しています。
漢字のなりたち、「字源」がとても丁寧に細かく書かれているので、とてもおもしろいです。
Mせんせいは、国語辞典よりも漢字辞典のほうが好きなのですが、「おもしろい!」と思えたのは、半分以上、この漢字辞典のおかげだった気がします。