フネで旅する漢字の海原(うなばら) シリーズ① いろいろなフネ

船のキャラクター 国語:まなナビNAVI

さんかくすと文がえます

実は「まなキキ」サイトは航海こうかい船出ふなでのイメージでホームページを作っていました。
「学びの灯」は灯台、学びの「羅針盤らしんばん」に航海士こうかいしを意味する「ナビゲーター」…、そして学ぼうとするあなたが船長!と想いを込めていたりするのです。

 今回はそんな船のはなしにかこつけて、船の名前を楽しんで注目していきたいと思います。

いろいろな「フネ」

 「ふね」と聞いて、みなさんはどんな漢字を頭に想いうかべたでしょうか?
もしかしたら、「舟」と「船」の二つが思い浮かんだよ、という方が多いのではないでしょうか。

 両方とも「フネ」と発音するはずですが、何が違うんでしょう…?
しかも実は「フネ」を意味する漢字は、舟や船以外にもたくさんあるみたい。いったいどういうことなんでしょう!?

 

M先生
M先生

ちなみにサザエさん一家のおばあちゃん、サザエの母の名前がフネさんですね。夫である波平は波。
波にゆられるフネ。なんか…ちょっとお二人の仲の良さがうかがえますね…(ほのぼの)

 

 フネをあらわす漢字には、  、  、  、  、  などがあるようです。
それぞれどんな違いがあるのか?というと、そのフネのサイズや、どんな特徴を持ったフネなのか、ということによって使い分けているようなのです。

 

ボート
丸太をくりぬいて作ったような簡易的かんいてきな、ボートやカヌーのようなシンプルなフネは、舟。
 音読みで「シュウ」、訓読みで「ふな」「ふね」と読みます。
人力で動かすようなフネですね。川岸と川岸をつなぐ“わたし舟”の形に由来した象形しょうけい文字なのだそうです。
 一番オーソドックスなフネの原型を示すようなこの漢字は漢字を構成する「へん」として、フネにまつわる漢字を作っています。

 

M先生
M先生
わたし舟、なんて最近は日本では見ませんね。時代劇なんかでは時々出てくるような…

 

小型の船で釣りを楽しむ人
次に大きいのが艇。音読みで「テイ」と読みます。
 小型のフネのことを指し、“短艇たんてい”、“艦艇かんてい”などと使われているようです。フネの仲間だから、舟偏ふねへんが付いていますね。
特に漢字の右側を構成こうせいしているパーツ「てい」は「階段の前に突き出た庭」を示すものらしく、そこからフネはフネでも、「先端せんたんが突き出て風の抵抗を小さくした軽快けいかいな小船」を意味するのだそうです。

 

次に大きいのは、船。音読みで「セン」、訓読みで「ふね」とか「ふな」と読みます。
 こちらは結構広い概念がいねんを指すようです。小型から大型のものまでもっとも広く使われている、私たちがよく見聞きする漢字ですね。

 舟との違いは、機械きかいの力で進むフネである、ということ。
 ただの舟ではなく、どんなフネなのか、を示すのが、右側のパーツ。
 右側のパーツは、「二つに分かれている物の象形しょうけいと谷の口の象形しょうけい」を意味し、「川が低いところに流れる」という意味から川に沿って下る、という船という漢字が生まれたそうです。

 

M先生
M先生
「渡し舟」は川岸と川岸をつなぐようなフネだったことを考えると、ぐっと移動距離きょりが長くなったフネのことなんだなあ、と分かりますね。

 

大型の船。フェリー。
舶。音読みで「ハク」と読みます。
 これはフネはフネでも、大型のフネを意味するのですね。

 右側は“白”というパーツが組み合わされていますが、「はく」に通じる意味を持つパーツであるらしい。一泊旅行、などと言ったりしますが、その意味するところは旅先で一晩明かす、ということですよね?

 寝泊ねとまりして長期にわたって海を行くことができるような「大きな船」を意味する漢字、それが舶です。

 

M先生
M先生
行ってみたいな よその国…。
 「うみ」という童謡どうようの作曲家は実は私が通った小学校の大先輩、井上武士いのうえたけしさんです。
 海なし県の群馬ぐんま県から「うみ」という曲は誕生したんですねぇ…
 校庭に「うみ」の歌詞が書かれた石碑せきひがありました…

 

舟偏がつく漢字はまだまだたくさんありますが、最後に取り上げてみたいのは、「艦」。音読みで「カン」と読みます。

 この漢字からどんなイメージを持つでしょうか?
パーツがたくさんあって書くのが大変そう。パーツがたくさん寄り集まってできている漢字のひとつです。

 一つ一つ見てみると、右側のパーツ「かん」という字には、左上のパーツ「臣」が意味する「しっかり見開いた目」の象形、右上の「たらいをのぞきこむ人」の象形、下のパーツ「皿」の「水の入ったたらい」を示す象形で「かん」というパーツを成り立たせています。それがめぐりめぐって転じ、「檻(かん)」に通じる意味を持つことになったそう。

 「檻(かん)」とは「おり」を意味する言葉です。板で囲われた“いたがこい”や罪人やけものをいれる“かこい”を意味する言葉です。
 おりですから四方しほうかべに囲まれているような作りをしているわけです。別の見かたをすれば、自分の周りに囲いがあるから、外からの攻撃こうげきを防ぐこともできる…!

 おりのように四面を板で囲んだ「いくさぶね」、戦闘せんとう用の船を意味する漢字として艦は使われるようになっています。

 

つっきー
つっきー

ちなみに教会の天井はすべて船底型になっているそうです。
それは、ノアの方舟の物語からきているとか…

 

M先生
M先生

へぇ!知らなかったよ、つっきー。教えてくれてありがとう!
漢字のひとつひとつにもエピソードがあったけれど、こうして”フネ”にまつわる物語や伝説は、まだまだたくさんありそうですね!

意味を教えてくれる文字―漢字

フネにまつわる漢字をいろいろ見てきましたが、「舟」という漢字をベースに、他の意味を持つ形(漢字)がいろいろ組み合わされていることが分かりました。
 その組み合わせ方次第(しだい)で、どんなフネなのか、私たちは想像(そうぞう)することができます。

 これは、漢字を使う文化(けん)独特の特徴かもしれません。
 漢字ひとつひとつに意味が込められている。意味が含まれる文字のことを表語(ひょうご)文字などと呼びますね。

 一方で、「ふね」とか「フネ」と“ひらがな”や“カタカナ”で示された場合は、「舟」なのか「船」なのかは分かりません。
 ただ、「艦」や「舶」ではないことは分かる。なぜなら読み方が「ふね」であるということが分かるから。
 音をあらわす文字、ひらがなやカタカナのことは表音(ひょうおん)文字と呼びます。

漢字を組み立てるパーツ

漢字が意味を教えてくれる文字であること、そのためにいくつかのパーツを組み合わせている、ということが分かりました。
 まるでブロックのように意味を持ったパーツとパーツが組み合わされるから、私たちは漢字一つ一つから意味を読み()くことができる。
 このパーツのことを部首(ぶしゅ)と呼びます。 今日は、「舟偏(ふねへん)」という部首(ぶしゅ)に注目しました。
 「舟」という漢字をパーツとして取り扱うときに「舟偏(ふねへん)」と呼ぶのです。

 (へん)とありますが、これは部首(ぶしゅ)種類を示す名前であり、そのパーツをどこにはめ込めばいいか教えてくれる目印でもあります。

 

どんな部首があるのかな

例えば…

◆ (へん)は漢字の左側にくる部首(ぶしゅ)です。
◆ 一方で、漢字の右側にくる部首(ぶしゅ)「つくり」
◆ 上半分に来るのは「かんむり」
◆ まわりを囲む部首(ぶしゅ)「かまえ」

             などなど。

 

 
 さきほど見てきた通り意味を込めれば込めるほど、パーツをたくさん組み合わせて一つの漢字を作ります。
 その分、「部首(ぶしゅ)」にもいろいろな種類が増えました。

 皆さんの名前は、どんな漢字で書くことができるのでしょうか。
 その漢字にはどんな意味があるのかな。どんな「部首(ぶしゅ)」でできているのかな。

 

M先生
M先生

たくさんある部首をノリノリで紹介してくれる動画を発見しちゃいました!

 

 

M先生
M先生

♪♪♪

下のホームページからも漢字の意味や部首のことなど、調べることができますよ

 

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