演劇・映画から学ぶ社会(2)~演劇はいつからお休みに?~

演劇鑑賞のイラスト 芸術

さんかくすと文がえます

かなり、よりみち。宝塚ファンとCOVID-19のおはなし。

H松は熱狂的な宝塚ファンでもあります。この記事を書くにあたって、私が趣味としてつけていた宝塚日記をみなおしたところ、COVID-19が流行し始めてから今に至るまで、社会の変化が宝塚ファンにもたらした影響と言えそうなことがたくさん書いてありました。少し恥ずかしいのですが、ここで私の宝塚日記の一部をご紹介したいと思います。

1月4日:お正月公演をみる。新年早々の宙組、いいものだ。良い年になりますように、と宙組の皆さんを拝む。宝塚友達とご飯にいって感想を4時間も語ってた!

2月1日:お茶会。「最近、インフルエンザも流行っているし、コロナも怖いので握手するときにアルコールスプレーを全員必ずして下さいね~」という呼びかけがあって、めっちゃ除菌した。清らかな手で握手できるじゃないか!と、普段よりも安心して握手タイムを迎えたのだった。いつもアルコールスプレーを置いてくれてもいいな(笑)

2月4日:新型コロナウイルスの感染防止のため、入り出待ち中止。ファンも手洗いうがい、咳エチケットをしましょう、とのこと。悲しいけど、宝塚の皆様の安全を考えたらしょうがないよなあ。

2月16日:千秋楽。マスク着用で、入り出待ち復活らしい。退団する皆様を見送れてよかったあ~。

2月27日:劇場の閉鎖が決まってしまった。宝塚ファンがいかなくなったら、ムラのお店やっていけるのかな。パスタ屋さんとか、劇場横のカフェとか、心配。流行、3月の前半までには収まってくれることを願う。

3月9日:宝塚再開。赤外線のサーモグラフィー導入かつ、観客はマスク全員着用して除菌徹底か。みんなで守れるといいけどなあ。でも、再開したことをニュースでたたかれてて悲しい。宝塚ファンって言いにくくなるからほんと、やめてほしい。

3月10日:政府方針を受けて、再度公演中止…。ニュースで批判されたから公演中止にしたんだろ?ってtwitterの声。感染対策を万全に整え、できる限りのことをした劇団の人たちや宝塚ファンの気持ち、わかってないなあ。心折れそう…。

3月21日:明日の雪組千秋楽・27日の花組公演、できるらしい。映画館での放映はないが、スカステで生放送!生放送で宝塚って、NHK以来か?すごい時代になってきた。

3月25日:3月末まで公演中止…。状況を考えたら仕方ないけど、宝塚への社会からの批判の声がものすごい。再開したりしなかったり、みっともないとまで言われてる…。かなしい。

3月30日:宝塚公式インスタグラムでメッセージ配信!インスタグラムで交流できる時代になるなんて、考えられなかったなあ…。でも、本当にありがたい!

※宝塚用語の補足:お茶会とは、役者さんのお話を聞けるイベントのこと。入り出待ちとは、役者さんに舞台の感想を書いた手紙を渡せるイベントのこと。ムラとは、宝塚市のこと。千秋楽とは、公演の最後の回のこと。

宝塚という劇団は(もちろん、どんな劇団もそうなのですが)、劇場に通うファンとの直接的な交流を大切にして、ビジネスとして成り立ってきました。それに、その交流のあり方は、劇場のある宝塚市や日比谷のお店の店員さんや地域の皆さまによって支えられ、それを支えるビジネスが地域に根付いてきた事情があります。劇場を長期間お休みにすることは、宝塚で働く人の生活のみならず、劇場がある地域の生活をお金の面で苦しめてしまうことになるのです。宝塚は3度、公演中止を発表していますが、H松の個人的な意見では、どうしても一気に長期間の休演を決められなかったのは宝塚の文化を守るためには地元のお店を守る必要があったという事情も、宝塚という劇団にはあったからだと思っています。劇場を長い間お休みにして、宝塚が独自でもっている有料のテレビチャンネルで新作を流すという手もあったと思いますが、それでは宝塚が今まで築き上げてきた地域とのつながりや、直接的な交流によって舞台を盛り上げていく楽しみ方を守ることはできないのです。劇場の閉鎖が長引いている今、オンラインでどこまで交流をすることができるか、どうすれば地元宝塚市・日比谷のお店の人たちの生活を守れるか。まさに宝塚は変化の岐路に立たされていると思います。また、宝塚を愛するファンのありかたも、同じように変化の岐路に立たされています。

社会が変わると、宝塚ファンという、社会から見れば小さなたった1つのコミュニティ(仲良しグループ)にも大きな変化があるのです。

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