▶ を押すと文が増えます
アルファベットってなんだろう
皆さんは、アルファベットについて、どのように学びましたか？
私は、アルファベットは A から始まって、Z で終わる、あの26文字のことだと思っていました。しかし、実はアルファベットはあの26文字のことだけではありません。
アルファベットという文字の発明は、特に大陸の人々や文化に大きな影響を与えました。「英語」ではなく「社会（歴史）」でやる内容？と思われるかもしれませんが、このアルファベットの歴史が、現在の英語のアルファベットの文字の表記と、音につながっていることがわかると、少しは英語の読み書きについて学びやすくなるかもしれません。アルファベットは「表音文字」、漢字は「表意文字」とよく言われ、アルファベットは単なる記号としてみられがちなので、難しさを感じている方もいらっしゃるかもしれません。そこでまずはアルファベットとはなにかご紹介し、複数回にわたりいくつかの文字を取り上げ、アルファベットの形とその意味について考えてみたいと思います。
アルファベットの定義
実はアルファベットとは、ABCDEFG…という私たちがよく知っている英語だけではありません。アルファベットとは、実は「１つの文字で最小の音を表す文字のこと」です。そのため、セムのアルファベット、ギリシアのアルファベット、ラテンのアルファベット、英語のアルファベットというものがあります。よかったらリンク先で、それぞれどのようなアルファベットの形をしているか、見てみてください。ここが、日本語と英語の大きな違いとも言えるかもしれません。
文字と音から考える日本語と英語の違い
「１つの文字が１つの音でできているか、そうでないか」が日本語と英語の大きな違いになっています。ここは日本語から考えてみるとわかりやすいかもしれません。日本語は、基本的に一つの文字が２つの音でできています。例えば「水」は「みず」、アルファベットで表そうとするとmi-zuになると思います。このように、「み」という１つの文字に対し、２つのアルファベット＝音で表しているため、日本語はアルファベットであるとは言えません。一方英語の場合は、1文字で1つの音を表します。だから、日本語の音と英語の音には根本的な違い＝難しさがあります。
英語のアルファベット（現在）
よく目にするアルファベットは、26文字の英語のアルファベットです。大文字と小文字があります。ちなみにアルファベットは韻をふんでいます。（詳しくは「RapとRhymeとPhonics-音の足し算 第２回」を参照）
英語のアルファベットが誕生するまで
実は英語の祖先は、イギリスやアメリカなど、現在の英語圏で生まれたのではありません。現在の母音と子音のアルファベットは、フェニキアとギリシアで生まれました。さらに、それまでは絵文字のような文字を使っていたようです。実は英語のアルファベットは、絵文字の祖先がいるのですね。子音と母音が別々の場所で生まれたのも驚きです。
今もだけれど、昔はさらにものすごく読みづらかったアルファベット
アルファベットの小文字は、800年頃に生まれたカロリング小文字体が（形の）祖先といわれています。このカロリング小文字体が生まれたのは、カール大帝の庇護の元でした。カール大帝とは、高校の世界史で学ぶ、あの神聖ローマ帝国皇帝のカール大帝です。
カール大帝は教育に大きな興味を示しており、空いた時間に枕の下に書字版やノートを持ち込んで、手が文字を形作るようになれようとしたようですが、完全に読み書きできるようにはならなかったという記録が残っています。
カロリング小文字体の特徴は、今でも受け継がれているあのルールです。
- まず１つが、文頭の大文字です。英語には、文の一番最初の文字は大文字にするというルールがありますが、これを作ったのは実はカール大帝だったんですね。
- もう１つが、単語の間の空白です。まなナビ・H子さんの「句読法を学ぶ」の記事の冒頭で、空白が入らない英語の文章が出てきましたが、カール大帝がこのルールを定めるまでは、非常に読みづらかったと思います。まだまだ英語は難しいし、読みづらいけど、このルールを作ってくれたカール大帝、ありがとうございます。カール大帝がルールを決めなかったら、誰か他の人が決めていたのかな？
まとめ
- アルファベットとは、１つの文字で１つの音を表す文字のこと。
- 日本語は（多くの）１つの文字が２つの音でできているので、アルファベットではない。
- 実は英語のアルファベットには、絵文字の祖先がいる。
- 実は昔は今よりももっと読みづらかったが、カール大帝のときに文頭の大文字ルールと、単語の間に空白を入れることが決められた（よかった〜〜…）。
次回はそれぞれのアルファベットの音・形について紹介します！