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今回は、おすすめのクリスマスソング6曲を、英語のポイントと合わせて紹介します。
英語で楽しく歌ってみよう!
目次
1. Ding Dong Merrily on High
2. Let It Snow
3. Deck the Halls
4. We Wish You a Merry Christmas
5. Jingle Bells
6. Joy to the World
1. Ding Dong Merrily on High
曲紹介
16世紀頃のフランスのダンス音楽に、牧師さんが歌詞をつけてクリスマスキャロルになったのだそうです。ding dong は鐘の鳴る音を表す擬音語。リズムがよく、楽しい気分になれる曲だなと思います。
英語のポイント
韻については、K原先輩の記事「RapとRhymeとPhonics -音の足し算」で、とても詳しく、そして楽しく学ぶことができます。まずはそちらを見てみてください!
正解は…MerrilyとVerily、highとsky、heavenとriven、bellsとangels、ringingとsingingの5組です。(Ding dongも含むと6組)
Ding dong! Merrily on high
in heaven the bells are ringing:
Ding dong! Verily the sky
is riven with angels singing.
”high”と”sky”は語尾の綴りがまったく違うので、難しかったでしょうか。でも、フォニックスで分解してみると…
high = h + i (long)
sky = s + c/k + i (long)
と考えられるため、母音の i で韻を踏んでいたことがわかります。
”bells”と”angels”についても少し考えてみましょう。この二つの単語で踏まれている韻は、「l + z」のフォニックスで考えることができます。”bells”はアルファベットの “L” が二つ並んでいますが、英語は同じ子音のアルファベットが2回続くと、(たいていの場合は)そのうち1つ分しか読まない、というルールがあるため、”L” は一度しか読みません。
2. Let It Snow
曲紹介
作詞Sammy Cahn・作曲Jule Styne
ちょっと大人のラブソングです。Christmasという単語は出てきませんが、クリスマスの定番の曲になっています。動画では、英語の字幕に、クルド語の訳がついていました。
英語のポイント
繰り返し出てくる let it snow ですが、let も snow も動詞です(snow は「雪が降る」という意味)。動詞が二つも並んでいて変だな、と思われたかもしれません。少し難しい話になりますが、let は「let + 名詞 + 動詞」 の形で、「(名詞)に好きなように〇〇させる」というような意味で使うことができます。Let It Snow の歌詞を見ると、”It doesn’t show signs of stopping” などから既に雪が降っていて、降り止むきざしもないことがうかがえるので、「ずっと降っていて良いぞ~」「もっと降れ~」のような訳になりそうです。(訳が下手でごめんなさい…。皆さんは是非もっと良い日本語を考えてみてください。)アナと雪の女王の劇中歌にも、「let + 名詞 + 動詞」がたくさん出てきますよね。
ちなみに、let と似た使い方で、「(名詞に)○○させる / してもらう」という意味になる動詞がいくつかあります。意味が強い順に3つ紹介します。
make
例文:The teacher makes me clean the classroom.(先生は私に教室を掃除させる。)
*先生に「掃除をしなさい」と言われたら、掃除するしかありませんよね。make は、そういう強制力を表すことができます。have
例文:I have my dog fetch the newspaper.(犬に新聞を持ってきてもらう。)
*犬に指示して持ってきてもらう感じです。get
例文:He gets his sister to help with his homework.(彼はお姉さんに宿題を手伝ってもらう。)
*「お姉ちゃん、お願い!手伝って!」と頼む感じです。
*have と get のどちらが強いかということは、特に考えない場合も多いです。
*細かく考えていくと他にもいろいろな違い(堅苦しい感じがするかどうか、とか)があるのですが、今回は「こういう動詞があるんだなあ」と思っていてくれたら嬉しいです。
3. Deck the Halls
曲紹介
起源は16世紀のウェールズ民謡で、後々スコットランドの音楽家が歌詞をつけたらしいです。歌詞に出てくる fa la la, というのは、ハープを演奏する音を表現しています。
英語のポイント
はじめの歌詞Deck the halls with boughs of holly. のboughは、枝(branch)のこと。twigも枝を指しますが、二つの違いを写真に撮ると、こんな感じです。(撮影:H子)
4. We Wish You a Merry Christmas
曲紹介
イギリスの伝統的な曲です。歌詞には、figgy puddingをどうしても食べたい子どもたちが登場します。figとはイチジクのことで、figgy puddingはプリンではなく、イチジク入りのケーキです。
英語のポイント
タイトルにも入っているwish you a merry Christmasについて、youと(a) merry Christmasという二つの名詞が並んでいて、不思議な感じがするかもしれませんが、wishの後にこんなふうに名詞を並べて、「良いクリスマスを!」「クリスマスおめでとう!」という挨拶をすることができるのです。
5. Jingle Bells
曲紹介
この曲は、かなり多くの人が知っているかもしれないですね。私はこれまで、楽しそうにソリで遊んでいる1番の歌詞しか知らなかったのですが、2番以降もソリでひっくり返ったりしていて、なかなか面白い歌詞でした。
英語のポイント
What fun it is.という表現が出てきます。Whatで始まりますが、疑問文ではありません。これは、「なんて面白いんだ!」という感嘆文なのです。(きっと、「どうしてこんなに面白いの?」と問いたくなるくらい、面白さに驚いているのでしょうか…?)似たような表現で、Whatの他にHowを使うものもあります。
6. Joy to the World
曲紹介
作詞Isaac Watts・作曲Lowell Mason
日本でも『もろびとこぞりて』として親しまれていますね。「もろびと」は「諸人」と書いて、「すべての人」のことを言います。日本語の「もろびと こぞりて むかえまつれ」は、「皆そろってお迎えせよ」ということですね。誰をお迎えするのか。この部分の歌詞は、英語版では “Joy to the world! The Lord is come!” ですから、お迎えするのは「神様(Lord)」でしょう。
英語のポイント
文中の”His”が大文字で始まるのはなぜでしょう。それは、神様だからです。他にも、普段は小文字で書かれていても、大文字で始めることによって固有名詞(この世に一つしかないもの)になることがあります。例えば、自分のお母さんをMother、北斗七星をthe Dipper(小文字のdipperは「ひしゃく」)と言ったりします。
以上6曲、いかがだったでしょうか。最初からすべての英語を理解するのは大変ですが、「この単語はいつも聴きとれるな」とか、「この言葉のリズムがおもしろいな」など、ぜひ楽しみながら聴いたり歌ったりしてみてくださいね。
また、韻クイズは1問しか出しませんでしたが、他の歌でも韻を踏んでいる単語はないかな、と探してみるのも面白いですよ。特に”Let It Snow”や”Deck the Halls”などは見つけやすいかもしれません。
ちなみに今回ご紹介した曲の中で、日本語版を知っているものもあると思います。同じメロディに、どんな英語と日本語がのせられているでしょうか?よく見比べてみると、「歌詞の翻訳って、マルバツや点数のつく英文和訳の問題とは違って、創作みたいなものなのかなあ」と感じてしまうのですが、皆さんはどのように感じますか?