点字表記の特徴を知ろう!ー「ー」について

さんかくすと文がえます

Sさん
Sさん

突然とつぜんですが、クイズです!「太陽たいよう郵便ゆうびん数字すうじ」に共通きょうつうすることってなーんだ??

M先生
M先生

クイズ好きの私のスイッチが入りました!太陽たいよう郵便ゆうびん数字すうじ共通きょうつうするもの…むずかしいですね……。あ!もしかして「生活せいかつする上でなくてはならないもの」じゃないですか?太陽たいようがないとさむくてこごえちゃうし、郵便ゆうびんがないと大好きな人にお手紙てがみが届かないし、数字すうじがないと商品しょうひん値段ねだんがわからなくてお買い物できませんよ!これは我ながら良い回答かいとう…ニヤリ。

Sさん
Sさん

M先生の答えはとっても素敵すてきで、あながち間違まちがってはいませんが!残念ざんねんながら私の求めている答えではありません…。ヒントは、「太陽たいよう郵便ゆうびん数字すうじ」という言葉のならびに注目ちゅうもくするということです!さて私の求めている答えに辿たどけるでしょうか〜?

N川さん
N川さん

言葉のならびに注目ちゅうもくするのですか…では、声に出して読んでみますね。太陽・郵便・数字…。たいよう・ゆうびん・すうじ…。たいよー・ゆーびん・すーじ…!!もしかして、この3つの単語たんごにはすべて発音はつおんのときにばす音が入るのではありませんか?

Sさん
Sさん

N川さん大当たりです!!私が問題もんだいにした3つの言葉は発音はつおんするとき、自然しぜんばす音が入ってしまうものたちだったのですよ。少々しょうしょうひねくれた問題もんだいですみません笑

M先生
M先生

たいよー・ゆーびん・すーじ。本当ほんとうだ!知らず知らずのうちに単語たんご途中とちゅう勝手かってばす音を言っていますね。この法則ほうそくに気がつけないとは…無念むねんです涙

N川さん
N川さん

M先生の回答かいとう素敵すてきでしたよ!だからそんなに落ち込まないでください!

M先生
M先生

ありがとうございます…涙 私たちが知らず知らずに発音はつおんしている「ばしおん」がポイントである言葉をSさんがクイズにしたということは、これが今回のテーマということでしょうか?

Sさん
Sさん

その通りです!今回はこの「ばしおん」が深くかかわる点字てんじ表記ひょうきについてご紹介しょうかいしていきますよ。

伸ばし音と点字表記

Sさん
Sさん

じつは先ほどのクイズについてもう少しくわしく解説かいせつすると、「太陽たいよう郵便ゆうびん数字すうじ」という3つの単語たんごは、これらの漢字かんじふりがなの「う」の部分ぶぶんばしおんになっていたのです。

M先生
M先生

たいよー、ゆーびん、すーじと、たしかに音が伸びているのはみんな「う」のところです! 

Sさん
Sさん

このような単語たんご点字てんじあらわそうとするときは、ふりがなで「う」と書く部分ぶぶんをこの発音はつおんどおりにばしぼうで表してしまうという法則ほうそくがあるのですよ!N川さん、ばしぼう点字表記てんじひょうきを教えていただいてもよろしいですか?

N川さん
N川さん

もちろんです!ばしぼう正式せいしき名称めいしょうは「長音符ちょうおんぷ」と言い、点字てんじあらわ場合ばあい2と5の点を打ちます。
2と5の点がよくわからない…という方は、点字の法則を知ろう!を読んでみて、点字てんじ基本きほんである六つの点と仲良くなってください!

2と5の点を打った「長音符」はこんな感じ
M先生
M先生

点を打っている場所が墨字すみじの伸ばし棒『ー』と似ていて、M先生的にはわかりやすく感じました!

Sさん
Sさん

最後さいごにこの記事きじであつかった「伸ばし音」を使ったミニゲームをお届けします!以下いかいくつかの単語たんご漢字表記かんじひょうきを取り上げました。これらが伸ばし棒を使ってどのように表されるのかを考えてみて下さい!墨字すみじ点字てんじにするさいには、まさにこのミニゲームのように、漢字をひらがなに開く作業さぎょうつうじて点訳てんやくおこなうので、点字てんじではこのような言葉のならびで単語たんごあらわされていることを少しでも感じてもらえたら嬉しいです!

★ここからミニゲーム★

単語の漢字表記の一例

夕日、健康、尊い、弟、妹、お父さん、扇・奥義、合計、王様、宇宙、空気、風流、運動、遊ぼう

Sさんからのヒント;声に出して単語を読んでみると、どこを伸ばして発音しているかわかるはず…!!



コラム

先ほどから点字表記(てんじひょうき)に深く(かか)わりがあって、言ってしまえば点字(てんじ)でも、発音(はつおん)でも、なくてはならない存在(そんざい)である「()ばし(ぼう)」が日本で使い始められた歴史(れきし)についての説を簡単(かんたん)にご紹介(しょうかい)します。

現在(げんざい)の伸ばし棒と同じような(はたら)きをしていた表記法(ひょうきほう)は、西暦(せいれき)700年(ごろ)に書かれた古事記(こじき)においてすでに使われていたという(せつ)があります。そのときはまだ「ー」という記号(きごう)ではありませんでしたが、「阿阿」のように、まだひらがなで表記(ひょうき)されていない万葉仮名(まんようがな)母音(ぼいん)(かさ)ねて「あー」と読むように指示(しじ)していたようです。

「ー」の記号(きごう)最初(さいしょ)文献(ぶんけん)の中に(あらわ)れたのは1167年に書かれた「山槐記(さんかいき)[SS1] 」の中だという(せつ)があり、使われ方は「神祇権大副ー朝臣」という感じで、現在の「ケーキ」や「チョコレート」のようにカタカナと一緒(いっしょ)に使われているわけではありません。よって、果たして長音(ちょうおん)(あらわ)すために(もち)いていたのかどうかはっきりとはわからないようです。

はっきりと日本で長音(ちょうおん)意味(いみ)(あらわ)すために伸ばし棒を使ったと(みと)められる文献(ぶんけん)は、1715年(ごろ)新井白石(あらいはくせき)が書いた「西洋(せいよう)紀聞(きぶん)」だと言われています(あくまで一説(いっせつ)です)。イタリア人宣教師(せんきょうし)のシドッチを取り調べてまとめた資料(しりょう)の中に、シドッチの名前を(あらわ)す「シローテ」という文字が書かれていたようです。

伸ばし棒「ー」を長音(ちょうおん)(あらわ)すために使い始めた歴史(れきし)は、西洋文化(せいようぶんか)が日本に(なが)()んできた時代(じだい)(かさ)なっていそうだとも考えられます。しかしながらはっきりとしたことはいまだによくわかっておらず、伸ばし棒はミステリアスな雰囲気(ふんいき)(ただよ)わせています。読み方で長音(ちょうおん)(あらわ)そうとするのは(はる)か昔から(こころ)みられていたのかもしれないと考えると、とても長い歴史(れきし)があるような気がしてきますね。

参考 日本語における長音符の起源



★ミニゲームの答え★

ゆーひ、けんこー、とーとい、おとーと、いもーと、おとーさん、おーぎ、ごーけい、おーさま、うちゅー、くーき、ふーりゅー、うんどー、あそぼー


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