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本日の紹介者

おひさしぶりです。Eucです。『ブラックジャック』が以前こちらで紹介されていたので、今回はマンガ紹介です。
今日は2024年冬に映画化された、あのアニメの原作マンガについてお話します。
『落第忍者乱太郎』
著者:尼子騒兵衛
出版社:朝日新聞出版
出版年:第1巻:1993年~第65巻:2019年
概要
NHKのEテレで放送中のアニメ『忍たま乱太郎』の原作マンガです。(月~金18:50~19:00)
忍術学園で巻き起こるドタバタを中心に物語が展開てんかいされています。
アニメ版と絵のタッチがまったく違うので、見比べてみると面白いです!
(アニメ版ではひらがなが多めの字幕を付けて視聴をすることができます。)
本との出会い
Euc自体もアニメ自体は小さいころ見ていたのですが、マンガ版を読んだのは2025年に入ってからです。
2024年公開の映画を見て、久しぶりにアニメ版を見たくなり、さらにマンガ版を見たくなったという次第です。(アニメのDVDが借りられない・配信が少ないというのも理由です。)
本が広げた世界
「学校で学ぶこと以外も等しく知識である」ということです。
主人公である乱太郎が所属する1年は組は、テストの点数がとても悪いクラスです。しかし、彼らの知識はピンチになった時に最大の武器になっています。

成績優秀である1年い組からは時々馬鹿にはされていますが、は組のよい子たちはそれぞれが独自の知識を持っています。馬術にからくり、火縄銃……。どんな知識であれ、知っていることは等しく知識。どんなものでも、持っていて損はありません。
以前、別の記事で書いた通り、私はクイズサークルに所属しています。そこでは、学校で使う教科書の内容だけでなく、食べ物の内容、最近放送されたドラマやアニメのことなどの学校の外のことも出題されます。つまり、クイズをする人は学校の外の知識も持たなければなりません。でも、クイズをやっていて、単純な知識の量が増えただけでなく、人との会話の幅が多少広がった実感があります。言い換えれば、知識が学校のテストでいい点数を取るためのものとしてではなく、会話をするためのネタになったということです。
知識の種類は何であれ、持っていることが重要であるということをこの作品は教えてくれます。

以前のブックレポートで扱った『探偵チームkz事件ノート』シリーズや、児童文学の名作である『ぼくらの七日間戦争』では登場人物たちが、自分の持つ知識を最大限使って困難を乗り越えています。
知識とは「暗記するもの」ではなく、「身につけて活用するもの」なので、堅苦しく考えず、楽しんで増やせるとなお良しです。
教科との関連
室町時代の基本用語
中学校で習う日本史の用語の一部は『落第忍者乱太郎』にも登場します。
例えば、室町時代のお仕事である「馬借」や「土倉」とはいったいどんなお仕事だったのでしょうか。教科書では小さな挿絵だけで登場しますが、マンガやアニメだとより親しみを持つことができます。

馬借とは、車がなかった室町時代に、馬を使って荷物を運んだ人たちのことです。

土倉とは、室町時代のお金を貸すお仕事です。担保とされたものを保管する倉庫を持っていたため、この名前で呼ばれています。
そのほか、昔の日本の地名などの日本史の知識も登場します。もしかしたら「その地名って、ここだったんだ」といった体験があるかもしれません。
日本史の授業では習わない忍者関係の用語
日本史の勉強に直接役に立つわけではないですが、忍者が使っていた道具やしかけについても学ぶことができます。

実は、手裏剣には種類がある、馬に乗ったまま発射できる銃があるなどなど……。ここでは書ききれない忍者のあれこれも知ることができます。
最後に
マンガ版の『落第忍者乱太郎』に加えて、アニメ版の『忍たま乱太郎』、どちらも面白いだけでなく、深い学びを得ることができる教材になっています。
登場人物ひとりひとりのキャラクターも立っているので、きっと好きな忍たまに出会えます!1冊じっくり読むのもよし、毎日10分気軽に見るのもよし、休みの日に映画版を楽しむもよしのどう味わってもおいしい作品なので、ぜひ見てください!

