社会:日本全国、おいしい食べものめぐり(4)~岩手県~

岩手県のイラスト 読み物

さんかくすと文がえます

H松
H松

みなさん、おいしいべものはきですか??

旅行りょこうに出かけたとき、わたしはその場所ばしょ

おいしいべものをさがしてべることが大好だいすきです。

前回ぜんかいに引き続いて全国ぜんこくのおいしいべものを紹介しょうかいしていきます。

白衣博士
白衣博士

今回はどこの県の食べものじゃ??

H松
H松

今日は、博士に岩手県のおいしい食べものをご紹介します!

白衣博士
白衣博士

ほ~岩手県か。岩手県といえば、宮沢賢治じゃな。

農業のうぎょうの先生をしながら、子ども向けの物語をたくさん作っていた作家さんです。宮沢賢治みやざわけんじの作品は、下の「青空文庫あおぞらぶんこ」から無料で読むことができます。

作家別作品リスト:宮沢 賢治
H松
H松

白衣博士、宮沢賢治はべものではありませんよ。

白衣博士
白衣博士

そうじゃった。いやはや。宮沢賢治みやざわけんじが書いた「やまなし」に出てくる、「クラムボン」という言葉ことばひびきが昔から好きでのう・・。クラムボンは結局けっきょくなんじゃったんじゃろう・・・?

H松
H松

(私もそれは気になりますけど・・。でも、今は食べものを紹介するコーナー!)と、いうことで。それでは、岩手県のおいしい食べものを紹介しょうかいしていきま~す!!


岩手県のわんこそばの、ちょっといい話。

白衣博士
白衣博士

おお。たしかに、岩手県といえば、わんこそばのイメージじゃ。

H松
H松

でも、博士。なんで岩手県で、わんこそばができたか知っています?

白衣博士
白衣博士

うーむ。聞かれてみると、わからんなあ・・。

H松
H松

お、気になりますよね。それで私、わんこそばの歴史について調べてみたんです。そしたら、NHKのwebサイトに情報じょうほうがあったんですよ。

白衣博士
白衣博士

ほ~。いくつか説はあるんじゃな。南部利直なんぶとしなおという武士が、漆塗りの器に一口分ひとくちぶんだけ盛られたそばを何度なんどもおわりしたことがはじまりという説と、お祭りのときに大勢おおぜいの人にそばを振舞ふるまう際、そばがびてしまわないように小分こわけにして振舞ふるまったことがはじまりという説。どちらも、大切な人をおもてなししようという心から生まれているのは興味深きょうみぶかいのう。

H松
H松

ちなみに、岩手県は、わんこそばのうつわに塗るうるし生産量せいさんりょうが日本1位なんですよ。日本にほん使つかわれているうるしの97%は外国がいこくからの輸入ゆにゅうなのですが、のこりの3%のほとんどを岩手県いわてけん生産せいさんしているんです。わんこそばの器を作るためのうるしがたくさんあったことも、器をいっぱい使うわんこそばの提供方法ていきょうほうほうを作ったのかもしれませんね。

白衣博士
白衣博士

ほ~。うるしって、こういうふうに木をけずってとっているものだとはじめて知ったわい。しかし、今さらなのじゃが、どうして秋田県では米できりたんぽをつくるという発想になったのに、岩手県はそばだったのじゃろう?奥羽山脈おううさんみゃくへだてただけで、べものの事情じじょうがずいぶんとわってしまうのは不思議ふしぎじゃな。

H松
H松

博士はかせ!ここで前回ぜんかいからの伏線ふくせん、「ヤマセ」が重要じゅうようなポイントになるんです!!

十和田市「米の天敵、『やませ』とは?」
※漢字が多いので少し難しいかもしれません・・
白衣博士
白衣博士

うーむ、米が成長するのに大切な時期である6月~8月に冷たい風が吹いてしまうことで、米が育たなくなってしまうというのは分かったのじゃが。そもそも、なんで冷たい風が岩手県に吹いてくるのかよくわからなかったのう・・。

H松
H松

博士・・。それを理解するには、ちょっと理科の知識が必要になるんですが、私が説明してみますね。ヤマセをるためには、まず、どうしてかぜくのかというてん理解する必要ひつようがあります。

NHKfor School「季節風がふくのは?」
※残念ながら字幕はありません・・。
白衣博士
白衣博士

なるほど。かぜくのは、つめたい空気くうきあたたかい空気くうきかって移動いどうするから、なのじゃな。

H松
H松

そうなのです。そして、その冷たい空気が岩手県にどこからやってくるのかというと。次の手書きの図を見てください!

リマン海流、千島海流、対馬海流、黒潮の場所を書いた図。

北海道の右側みぎがわ千島海流ちしまかいりゅうという、寒いロシアから流れてくる冷たい海の流れがあります。

H松
H松

冷たい空気は、この冷たい海の流れ(寒流かんりゅうと言われています)の上を通ることで出来上がり、岩手県にやってくるというわけです。

白衣博士
白衣博士

そうか。冷たい風が吹きつけてくる理由は分かったぞい。しかし、それだけでは、なぜ秋田県の方が米どころになりやすいのか分からんなあ。

H松
H松

はい。それを説明するには、またしても理科の知識が必要なのですが・・。短い動画なのでちょっと見てみてくださいね。

NHK for School「天気の変化 暖かい空気と冷たい空気」
白衣博士
白衣博士

なるほど。冷たい空気と暖かい空気がぶつかると、つめたい空気くうきあたたかい空気くうきしたしずみ、あたたかい空気くうきげるんじゃな。

H松
H松

そうなのです!それで、秋田県と岩手県のあいだには、奥羽山脈おううさんみゃくという高い山々がありますよね。岩手県に吹き付けた冷たい風は、暖かい空気だけを秋田県側に押し上げて、米づくりに大切な時期じきに暖かい風を秋田側に送り込み、自分は岩手県側にとどまって、岩手県に冷害れいがいをもたらすという仕組しくみになるんです。同じ風が、秋田県では「宝風たからかぜ」と言われめぐみをもたらし、岩手県では「ヤマセ」として米の不作を呼んでいるんです。

白衣博士
白衣博士

奥羽山脈おううさんみゃくへだてただけで、米の育ちやすさにも差が出てしまっていたのじゃな。

H松
H松

もちろん、今は寒さに強いお米が開発かいはつされて、ご飯がなくて死んでしまうような状況じょうきょうはおきません。でも、昔はヤマセがひどい時期じきにはたくさんの人がお腹を空かせて死んでしまったり、生活に苦しんだ歴史が岩手県にはあったんですよ。そばは、寒さに強い植物しょくぶつなので、ヤマセがひどい年でもお腹を空かせないように、積極的せっきょくてきに育てられてきたということなんです。そばがしたしまれている背景はいけいには、きびしい自然しぜんたたかってきた、岩手いわてひと歴史れきしまっているんですね。

白衣博士
白衣博士
わんこそばのイラスト
白衣博士
白衣博士

うーむ、なんだか、わんこそばの早食はやぐい大会をしたくなってきたぞい。

H松
H松

秋田県のきりたんぽ鍋大会に引き続き、そちらも白衣博士のおごりということで。おまちしていま~す。

※おごり・・物を買ってくれること。

この記事を書いた「中の人」について
H松
H松

社会科が大好きな大学院生。毎週、大河ドラマを欠かさず正座してみている。岩手県には行ったことがないが、宝塚の雪組公演「壬生義士伝みぶぎしでん」を繰り返しみて、一時期いちじき口癖くちぐせが「おもさげながんす」だったほど、勝手に岩手県に想いを寄せている。「東に遠く 早池峰山 南にそびえる 南昌山 西のお山は 岩手山 北のお山は 姫神山 ぐるりお山に 囲まれて城下流れる 中津川 …」という劇中の歌にに出てくる風景をいつかこの目に焼き付けたい。

タイトルとURLをコピーしました