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みなさん、おいしい食べものは好きですか??
旅行に出かけたとき、私はその場所で
おいしい食べものを探して食べることが大好きです。
前回に引き続いて全国のおいしい食べものを紹介していきます。

今回はどこの県の食べものじゃ??

今日は、博士に岩手県のおいしい食べものをご紹介します!

ほ~岩手県か。岩手県といえば、宮沢賢治じゃな。
農業の先生をしながら、子ども向けの物語をたくさん作っていた作家さんです。宮沢賢治の作品は、下の「青空文庫」から無料で読むことができます。

白衣博士、宮沢賢治は食べものではありませんよ。

そうじゃった。いやはや。宮沢賢治が書いた「やまなし」に出てくる、「クラムボン」という言葉の響きが昔から好きでのう・・。クラムボンは結局なんじゃったんじゃろう・・・?

(私もそれは気になりますけど・・。でも、今は食べものを紹介するコーナー!)と、いうことで。それでは、岩手県のおいしい食べものを紹介していきま~す!!
岩手県のわんこそばの、ちょっといい話。

おお。たしかに、岩手県といえば、わんこそばのイメージじゃ。

でも、博士。なんで岩手県で、わんこそばができたか知っています?

うーむ。聞かれてみると、わからんなあ・・。

お、気になりますよね。それで私、わんこそばの歴史について調べてみたんです。そしたら、NHKのwebサイトに情報があったんですよ。

ほ~。いくつか説はあるんじゃな。南部利直という武士が、漆塗りの器に一口分だけ盛られたそばを何度もお代わりしたことがはじまりという説と、お祭りのときに大勢の人にそばを振舞う際、そばが伸びてしまわないように小分けにして振舞ったことがはじまりという説。どちらも、大切な人をおもてなししようという心から生まれているのは興味深いのう。

ちなみに、岩手県は、わんこそばの器に塗る漆の生産量が日本1位なんですよ。日本で使われている漆の97%は外国からの輸入なのですが、残りの3%のほとんどを岩手県で生産しているんです。わんこそばの器を作るための漆がたくさんあったことも、器をいっぱい使うわんこそばの提供方法を作ったのかもしれませんね。

ほ~。漆って、こういうふうに木を削ってとっているものだとはじめて知ったわい。しかし、今さらなのじゃが、どうして秋田県では米できりたんぽをつくるという発想になったのに、岩手県はそばだったのじゃろう?奥羽山脈を隔てただけで、食べものの事情がずいぶんと変わってしまうのは不思議じゃな。

博士!ここで前回からの伏線、「ヤマセ」が重要なポイントになるんです!!
※漢字が多いので少し難しいかもしれません・・。

うーむ、米が成長するのに大切な時期である6月~8月に冷たい風が吹いてしまうことで、米が育たなくなってしまうというのは分かったのじゃが。そもそも、なんで冷たい風が岩手県に吹いてくるのかよくわからなかったのう・・。

博士・・。それを理解するには、ちょっと理科の知識が必要になるんですが、私が説明してみますね。ヤマセを知るためには、まず、どうして風が吹くのかという点を理解する必要があります。
※残念ながら字幕はありません・・。

なるほど。風が吹くのは、冷たい空気が暖かい空気に向かって移動するから、なのじゃな。

そうなのです。そして、その冷たい空気が岩手県にどこからやってくるのかというと。次の手書きの図を見てください!

北海道の右側に千島海流という、寒いロシアから流れてくる冷たい海の流れがあります。

冷たい空気は、この冷たい海の流れ(寒流と言われています)の上を通ることで出来上がり、岩手県にやってくるというわけです。

そうか。冷たい風が吹きつけてくる理由は分かったぞい。しかし、それだけでは、なぜ秋田県の方が米どころになりやすいのか分からんなあ。

はい。それを説明するには、またしても理科の知識が必要なのですが・・。短い動画なのでちょっと見てみてくださいね。

なるほど。冷たい空気と暖かい空気がぶつかると、冷たい空気が暖かい空気の下に沈み込み、暖かい空気を持ち上げるんじゃな。

そうなのです!それで、秋田県と岩手県のあいだには、奥羽山脈という高い山々がありますよね。岩手県に吹き付けた冷たい風は、暖かい空気だけを秋田県側に押し上げて、米づくりに大切な時期に暖かい風を秋田側に送り込み、自分は岩手県側にとどまって、岩手県に冷害をもたらすという仕組みになるんです。同じ風が、秋田県では「宝風」と言われ恵みをもたらし、岩手県では「ヤマセ」として米の不作を呼んでいるんです。

奥羽山脈を隔てただけで、米の育ちやすさにも差が出てしまっていたのじゃな。

もちろん、今は寒さに強いお米が開発されて、ご飯がなくて死んでしまうような状況はおきません。でも、昔はヤマセがひどい時期にはたくさんの人がお腹を空かせて死んでしまったり、生活に苦しんだ歴史が岩手県にはあったんですよ。そばは、寒さに強い植物なので、ヤマセがひどい年でもお腹を空かせないように、積極的に育てられてきたということなんです。そばが親しまれている背景には、厳しい自然と闘ってきた、岩手の人の歴史が詰まっているんですね。



うーむ、なんだか、わんこそばの早食い大会をしたくなってきたぞい。

秋田県のきりたんぽ鍋大会に引き続き、そちらも白衣博士のおごりということで。おまちしていま~す。
※おごり・・物を買ってくれること。

社会科が大好きな大学院生。毎週、大河ドラマを欠かさず正座してみている。岩手県には行ったことがないが、宝塚の雪組公演「壬生義士伝」を繰り返しみて、一時期、口癖が「おもさげながんす」だったほど、勝手に岩手県に想いを寄せている。「東に遠く 早池峰山 南にそびえる 南昌山 西のお山は 岩手山 北のお山は 姫神山 ぐるりお山に 囲まれて城下流れる 中津川 …」という劇中の歌にに出てくる風景をいつかこの目に焼き付けたい。