古文にふれてみよう「歴史的仮名遣い」

国語:まなナビNAVI

さんかくすと文がえます

こちらのページでは、現役大学生(げんえきだいがくせい)のSさんが、遠い昔から()()がれてきた「古文(こぶん)」というジャンルの文学作品(ぶんがくさくひん)について教えてくれます。少し難しいかもしれないけれど、遠い昔を生きた人々も”言葉”に親しんでいたことを知ってほしいです!

※こちらは「古文にふれてみよう①」の続きとなっています。ぜひ①からお楽しみください!古文にふれてみよう①

もくじ

  1. 古文(こぶん)現代文(げんだいぶん)(ちが)
  2. 歴史的(れきしてき)仮名(かな)(づか)いについて
  3. 省略(しょうりゃく)される()
  4. 現代語(げんだいご)では使(つか)わない()
  5. 現代語(げんだいご)(かたち)()ていても意味(いみ)(こと)なる()
  6. (かか)(むす)びの法則(ほうそく)について
※もくじから、自分の気になるトピックへジャンプしても楽しめます!

(前回(ぜんかい)までのあらすじ)

Sさんが古文(こぶん)のロマンを広めたいと思っていると、平安時代(へいあんじだい)から歌子(うたこ)さんが助けに来てくれました。「古文とは何か」を話し終えた二人は、休憩(きゅうけい)のためにタピオカを飲んでいます。

歌子
歌子
Sさん
Sさん

歌子(うたこ)さん、タピオカをとっても気に入ったみたい…。

歌子
歌子

この時代にはこんなに不思議(ふしぎ)食感(しょっかん)で、おいしいものがあるのですね!あっというまになくなってしまいましたわ!ごちそうさまでした。

Sさん
Sさん

気に入ってくれてよかったです。それでは一休(ひとやす)みもしたことですし、お話の続きをしましょう!

歌子
歌子

そうですね!ええっと…どこまで話しましたっけ?

Sさん
Sさん

古文(こぶん)とは(なに)か」を話し終えて、古文(こぶん)現代文(げんだいぶん)との(ちが)を話している途中(とちゅう)でタピオカ休憩(きゅうけい)に入りました!

歌子
歌子

そうでしたね、思い出しました!では、前回(ぜんかい)復習(ふくしゅう)から始めましょう。

古文(こぶん)現代文(げんだいぶん)(ちが)

歌子
歌子

①古文では歴史的仮名遣(れきしてきかなづか)いを使(つか)
②古文では省略(しょうりゃく)される()がある
③古文では現代語(げんだいご)では使(つか)わない()出現(しゅつげん)する
現代語(げんだいご)(かたち)()ていても意味(いみ)(こと)なる()がある
(かか)(むす)びの法則(ほうそく)がある

Sさん
Sさん

古文(こぶん)現代文(げんだいぶん)には5つの違いがありましたね!

歌子
歌子

そうです!少し複雑(ふくざつ)に感じるかもしれませんが、まずは①の歴史的仮名遣(れきしてきかなづか)から見ていきましょう!

 

歴史的仮名遣(れきしてきかなづか)いについて

歌子
歌子

歴史的仮名遣(れきしてきかなづか)いには、6つのポイントがあります!初級編(しょきゅうへん)上級編(じょうきゅうへん)の2つに分けて説明(せつめい)しますね。

Sさん
Sさん

ポイントは6つですね!お願いします!

歌子
歌子
歌子(うたこ)のポイント」として大事(だいじ)部分(ぶぶん)をまとめましたので、初級編(しょきゅうへん)から見ていきましょう!
詩を詠む女性
歌子(うたこ)のポイント~歴史的仮名遣(れきしてきかなづか)い(初級編(しょきゅうへん))~

単語(たんご)途中(とちゅう)単語(たんご)最後(さいご)にある「は(ぎょう)「わ(ぎょう)にする!
(例) にほひ → におい / おも → おも

単語(たんご)(ふく)まれる「ゐ、ゑ、を」「い、え、お」にする!
(例) ど(井戸) → ど / こ(声) → こ

単語(たんご)(ふく)まれる「ぢ、づ」「じ、ず」にする!
(例) は(恥) → は / み(水) → み

単語(たんご)(ふく)まれる「む」「ん」発音(はつおん)する!
(例) かなづき(神無月) → かなづき
※神無月とは「10月」という意味です

Sさん
Sさん
なるほど…昔はこのような言葉を使っていたのですね。そして古文(こぶん)を読むためには、歴史的仮名遣(れきしてきかなづか)いに注意(ちゅうい)して、まず現代人(げんだいじん)の私たちが使っている読み方に直すのですね!
歌子
歌子

そういうことです!古語(こご)で使われていた言葉を現代語(げんだいご)発音(はつおん)にするためには、このようにちょっと気をつける必要(ひつよう)があるのです。現代(げんだい)では「にほひ」ではなく、「におい」と発音(はつおん)することを考えれば、直す理由(りゆう)がわかると思います。

歌子
歌子

では続いて、上級編(じょうきゅうへん)の2つのポイントをお教えします!

Sさん
Sさん

少し難しいかもしれないけれど、初級編(しょきゅうへん)()()えたのなら大丈夫(だいじょうぶ)!見てみよう!

詩を詠む女性
歌子(うたこ)のポイント~歴史的仮名遣(れきしてきかなづか)い(上級編(じょうきゅうへん))~

単語(たんご)(ふく)まれる「くわ、ぐわ」「か、が」にする!
(例) くわじ(火事) → じ / ぐわんじつ(元日) →んじつ

母音(ぼいん)連続(れんぞく)すると、のばす(おと)になる!
[au](あう) → [Ō](おー)
[iu](いう) → [yū](ゆー)
[eu](えう) → [yō](よー)
(例) 調子:teusi → tsi
     てうし → ちょーし = ちょうし

Sさん
Sさん

⑤は初級編(しょきゅうへん)のものを応用(おうよう)した感じですね。しかし⑥がなんとも複雑(ふくざつ)に思えます…。上級編(じょうきゅうへん)というだけありますね。

歌子
歌子

そうですね、最後(さいご)説明(せつめい)した⑥が一番(いちばん)わかりにくいと思います。ここでは説明(せつめい)するためにローマ字表記(ひょうき)に直す作業(さぎょう)を取り入れましたが、漢字を見てなんとなく読み方を理解(りかい)する方法(ほうほう)もあります。例で取り上げたものも、最終的(さいしゅうてき)には現代語(げんだいご)現代語の「調子(ちょうし)」という読みになってます。

Sさん
Sさん

なるほど、漢字は昔から使われているものですから、漢字から読み方を推測(すいそく)することもできますね!

歌子
歌子

また、⑥で紹介(しょうかい)したのばす音は、現代(げんだい)の人も無意識(むいしき)に使っているはずですよ。

Sさん
Sさん

あ!「幽霊」は「ゆーれい」と発音(はつおん)するし、「黄色」も「きーろ」、他にも「太陽」は「たいよー」…。なるほど、身の回りにのばす音ってたくさんありますね!

歌子
歌子

そうなのですよ!ですから身の回りにある発音(はつおん)古語(こご)に当てはめたと思って考えてもらうと、少しは複雑(ふくざつ)さが(やわら)らぐのではないかなと思います。

Sさん
Sさん

そして、たくさんの古語(こご)にふれれば、だんだんと慣れていくことができると思います!

歴史的仮名遣(れきしてきかなづか)いの6つポイント、なんとなくわかりましたか?最初(さいしょ)はよくわからなくても、古文(こぶん)にふれる時間(じかん)が長くなるとだんだんと慣れてくるはずです。(これはSさんの体験談(たいけんだん)です笑)ですから、難しく考えず、古語(こご)現代語(げんだいご)として読むために必要(ひつよう)作業(さぎょう)ということだけ覚えていてほしいです!次は省略(しょうりゃく)される語についてのお話です。

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