エッセンシャルワーカーの歴史(1)エッセンシャルワーカーという言葉ができたのはいつ?

さんかくすと文がえます

H松
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みなさん、こんにちは。Hまつです。すこしずつ、日本にほんでも医療いりょうかかわっているひとたちに「ありがとう」とつたえる雰囲気ふんいきひろまってきましたね。いままでわれていなかったことなのに、ほんのすこ時間じかんつと、みんながうようになる。ふしぎですよね。でもそうやって、「歴史れきし」はつくられていくんだとおもいます。社会しゃかい教科書きょうかしょでは、時代じだいおおきくうごかしたひとまなべますが、実際じっさい社会しゃかいはそんなひとたちにくわえて、そのひとたちのおもいにこたえて、行動こうどうこしたたくさんのひとたちがいたのです。エッセンシャルワーカーにありがとう、とインディゴブルー(藍色あいいろ)のリボンをむすぶことも、ひとつの歴史れきしをつくっているのですよ。

今回こんかいは、少しずつ広まってきた感謝かんしゃおもいをつたえる雰囲気ふんいきについて、「エッセンシャルワーカーの歴史れきし」とだいしてシリーズでご紹介しょうかいしたいと思います。みなさまがかんじた疑問ぎもんを、何回なんかいかにけてお答えこたしていきます。

以下は、H松が海外のサイトやニュース、論文をみて整理した歴史です。

図書館としょかんがおやすみしているいま、家のパソコンで調しらべられるかぎりの情報じょうほう整理せいりし、まとめています。図書館としょかんほんりられるようになったら、「実はこんなこともあった!」と内容ないよう更新こうしんするかもしれません。大学院生だいがくいんせいという、比較的「大人」ひかくてき おとなも、みなさんとおなじように勉強べんきょうこまったな・・とかんじることもあるのです。)

エッセンシャルワーカー、という言葉ことばはいつまれたの?

いままでエッセンシャルワーカーをご紹介しょうかいしてきましたが、「そういえばいつ、エッセンシャルワーカーという言葉ことばなかまれたのだろう?」とになったみんなもいるかもしれませんね。じつは、わたしになって、Google(インターネットでいろいろな情報じょうほうさがせるサイトです)で検索けんさくしてみたり、論文ろんぶん学者がくしゃという職業しょくぎょうひとたましいめていているものです!)をさがしてみたりしました。「Essential workers(エッセンシャルワーカー)」と入力にゅうりょくして、一番古いちばんふるいものをたびをしてみたのです。

すると、「へえ~~!」とおもわずおもってしまうことがかりました。

わかったこと

H松の調しらべでは、なんと、エッセンシャルワーカーという言葉ことばはじめて使つかわれたのは、1994ねんにカナダのオンタリオしゅう保健所ほけんじょ研究者けんきゅうしゃをしていたスーザン・タンブリンさんがいた「カナダで感染病かんせんびょう流行りゅうこうしたときの計画けいかく(もともとの英語えいごのタイトル:Pandemic planning in Canada)」という論文でした。

2020年のは、COVID-19(新型しんがたコロナウイルス)が流行はやったことでエッセンシャルワーカーという言葉ことばをだんだんとみんなが口にするようになっているわけですが、最初にエッセンシャルワーカーという言葉ができたときも、今と同じように感染病の危機にみんなの社会が直面していた背景があったのです。

スーザンさんが書いた論文には、

(1)1976ねんのアメリカでぶたインフルエンザの流行りゅうこうがあったとき、とにかく全員にワクチンを打たなければ!という運動うんどうが起こり、その運動うんどうがアメリカのおとなりのカナダにもひろがったこと。

(2)しかし、カナダにんでいる全員ぜんいんにワクチンをってもうまくいかなかったこと。

(3)その失敗を活かして、また同じように感染病の大流行が起こったときの計画をこれから立てていくべきだということ。

(4)国に住んでいる人全員にワクチンを打つのではなく、お年寄りや病気がちな人、そしてエッセンシャルワーカーの人たちに優先ゆうせんしてワクチンをつべきなのではないか?

という考えが書かれていました。なんだか、今の状況に通じるものを感じますね・・・・。

全員ぜんいんにワクチンをいきわたらせるにはワクチンがたりない、それならどうするか・・?という今後こんご解決策かいけつさくを考える議論ぎろんなかでエッセンシャルワーカーという言葉ことばまれてきたようです。

ちょっとよりみち。の補足ほそく

上のサイトの情報によると、1976年の豚インフルエンザ問題もんだいは、アメリカで1人の兵隊さんが突然とつぜん感染かんせんし、すぐにおくなりになってしまったことからはじまったのだそう。その後、その兵隊さんの仲間500人以上が豚インフルエンザに感染していることがわかり、「むかしはやったスペイン風邪(世界中せかいじゅうで1億人以上おくにんいじょうんでしまったとてもひどい風邪かぜです)」と同じようになるのでは!?との不安ふあんから、そのときに効果こうかがあるとされていたワクチンをなにがなんでも、国民全員こくみんぜんいんに!という運動うんどうこったのだそうです。

でも、たくさんのおかねをかけてたくさんのひとにワクチンをがんばってったにもかかわらず、今後こんどはワクチンの副作用ふくさようくすりつくった人がのぞんていなかったこと)で30人以上のひとくなってしまった・・。けっきょく、豚インフルエンザで亡くなったのはその兵隊へいたいさん1だったのに・・・。という、にが経験けいけんがアメリカにはあったのだそうです。

そんなにが経験けいけんがあったからこそ、ワクチンにたいして、

安全あんぜんかどうか?本当ほんとうにそのひと必要ひつようなのか?を確認かくにんする議論ぎろんまれたのかもしれませんね。

参考文献さんこうぶんけん:Susan E. Tamblyn, Pandemic planning in Canada

この記事を書いた人
H松
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社会科が大好きな大学院生。毎週、大河ドラマを正座せいざしてみているが、COVID-19の影響えいきょうで6月に大河ドラマが中断ちゅうだんされるとり、日曜夜にちようよるごし方を模索中もさくちゅう。しかし、だんだんと、エッセンシャルワーカーという言葉が日本に広まってきてよろこびをかみしめてもいる。

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