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鰯
鰯は、「魚」に「弱」と書いて「鰯」です。
弱い魚…これは戦いに弱いとかそういうことではなく、あくまで人間目線での「弱さ」。
つまり、傷みやすく、漁獲後すぐに味が落ちてしまう、ということから、このような漢字があてられているのだそうです。
そういう人間目線で鰯を「弱し」と呼んでいたのが変化して「いわし」という呼び方がされるようになったという説があります。
天保2年(1831年)に刊行された魚河岸の見聞録『魚鑑』には
イワシはヨワシの転ずるにて、この魚至って脆弱なる故に名づく
と記されているとか。
そんな鰯の鮮度の見分け方はつぎのとおり。
・目の色が黒いものを選ぶとよい
・目が赤くなっている物は避ける
・尻がしまっているものが鮮度がよい(内臓が傷んでいるものは尻がゆるくなっている)
・脂がのった鰯の特徴は、頭が小さく、身が厚い
他にも、
・ 背中が青光りしていて、表面に張りがあるものがよい。
・ 身体の黒い斑点がはっきりしているものが新鮮。
・ からだの表面が黄色っぽく見えたりするのは、あまり新鮮ではない。
ということがあります。
ちなみに鰯にもいろいろな種類があります。
一般的に「いわし」と知られ、私たちがよく目にする機会があるのは「真いわし」です。
家庭で塩焼きして食べたりするものはだいたいが大羽と言われる18センチ程度のサイズのもの。
「めざし」になるのは中羽と呼ばれる12センチ程度のもの。
「めざし」を魚の一種と勘違いする人は多いようですが、
「めざし」とは鰯などの魚を加工した食品のことを言います。
塩漬けにして乾燥させた干物の一種で「目刺」と書きます。
その文字のとおり、数匹ずつまとめて魚を干すために竹串などを目に刺すので「めざし」と言います。
ちなみに「煮干し」もそういう魚がいるのではなく、
鰯などを食塩水で煮たのちに天日乾燥したもののことを言います。
真いわしの幼少期は「いわし」とは呼ばず「しらす」と呼ばれます。
日本だけでなく世界でも鰯は愛されているそうです。
ポルトガルにはイワシ祭りというお祭りもあるそうですよ。
キリスト教の聖人アントニオを祝福するお祭りでもあるそうで、
かつ、聖アントニオが愛の守護聖人でもあるそうで…
お祭りの日、街は鰯の焼ける良い香りでいっぱいになり、かつ恋人たちは愛の言葉を告げ合う大盛り上がりをみせるそうですよ…
おなか、すきましたね…。ぐぅぅぅぅ。