フネで旅する漢字の海原(うなばら) シリーズ⑥ 秋のおさかな天国

水族館のような大きな水槽の中に、ジンベイザメ、マダライルカ、マンタ、マグロ、など大きな魚が沢山入っているイラスト 語源

さんかくすと文がえます

鰰 はたはた

はたはたの写真

ハタハタは北日本で多くとれる海魚。うろこがなく、腹は銀白色ぎんはくしょく
背に褐色かっしょく斑点はんてんがある。

 

M先生
M先生

ハタハタって、なんでハタハタっていうのでしょう?
なんだかかわいい…!

 

ハタハタは、雷の擬声語ぎせいごである古語。
現代の「ゴロゴロ」にあたる「ハタハタ」に由来するといわれています。

実は、ハタハタは秋田の郷土きょうど料理には欠かせないお魚。
(秋田の県魚にもなっています!)
そんな秋田県で雷がなる11月ごろに獲れることから、カミナリにちなんで「ハタハタ」と呼ぶのだそう。またの名を「カミナリウオ」とも。
また、冬の日本海の荒波あらなみの中をりにくいことから、「波多波多はたはた」とも表記されるのだそうです。

 

ぎせいご【擬声語】

オノマトペ。
自然界の音・声、物事の状態や動きなどを音で象徴的しょうちょうてきに表した語。
音象徴語おんしょうちょうご擬音語ぎおんご・擬声語・擬態語ぎたいごなど。

ぎおんご【擬音語】

自然現象の音にまねて作った語。
例)がたぴし・こけこっこー

ぎたいご【擬態語】

物事の状態・身ぶりを、それらしく表した語。
例)にこにこ・べったり

 

ハタハタが登場する秋田の民謡みんようとは、「秋田音頭あきたおんど」。
普段は姿を見せない魚だが、冬の食べ物が少ないときに沿岸えんがんにくることから、神様からおくられた魚と感謝されてさまざまな形で味わわれていた魚だそう。

昔は一家で4箱も5箱も買ってお味噌汁みそしるにしたり、焼き魚として食べたり、鍋物なべものになったり毎日のように食卓にあがるお魚で、「今日もハタハタ明日もハタハタで、もうきた」、「道にハタハタが落ちていても猫もまたぐ」というエピソードが生まれるほどだったそうです。
いずれにしても、冬の間の貴重なたんぱく源として重宝ちょうほうされた庶民しょみんの味。

最近は、漁獲量ぎょかくりょうが減少し、「まぼろしの魚」になりつつあるようです。

 

おいしいいただき方

しょっつる鍋

秋田名物として名高なだかい料理です。
魚と塩、こうじなどをけこんで、約2年間自然発酵はっこうさせ、その上澄うわずみをして調味料にしたものが塩汁(しょっつる)。
材料になる魚にはハタハタのほかにイワシやニシンなど。頭も内臓ないぞうもすべてけて最後は骨だけが綺麗きれいに残るのだとか。独特どくとくの香りがあり、旨味うまみとともに濃く塩味も強いので、約30倍から40倍にうすめて使います。
しょっつる鍋は、ハタハタなどの白身魚と白菜、ネギ、セリ、豆腐、糸こんにゃく、キノコなどを入れた鍋料理!

リンク先では、鍋だけではなく、しょっつるを使った他のアレンジレシピが紹介されています。

 

 

 

鰹 かつお

かつお節・なまり節の原料として知られる海魚。
体長90センチ以上になる。
黒潮に沿って群棲ぐんせい回遊かいゆうする。肉は赤黒く、さしみ、たたきなどにもする。
堅魚かたうおから出た語。

 

M先生
M先生

黒潮、ということはあたたかい海で暮らすお魚、ということでしょうか。
カツオ、ときくとどうしても「カツオのたたき」を連想して、高知県のイメージが湧いてきます…。

 

まさに高知県は、黒潮くろしお土佐湾沖とさわんおきを流れていることもあって、まぐろはえなわやかつお一本釣をはじめいろいろな漁業が営まれているといいます。
かつおはまさしく土佐を代表する魚として、「県の魚」に指定されているそうです。

 

 

一本釣りとは、文字通り釣竿つりざお一本でカツオを釣り上げる釣り方のようです。
カツオの群れを発見したら、イワシなどのえさをまいて群を舟に引き寄せます。
船からは海水をいきおいよく散水し、小魚がはねているように見せかけてカツオをだましちするのです。

一方、まぐろはえ縄とは、幹縄みきなわという太い縄に、枝縄えだなわという釣り針をつけた縄を海に入れて魚をつる漁業だそうです。
遠洋えんようまぐろはえ縄では、幹縄みきなわの長さは120から150㎞にもおよび、ついている針も2000~3000本になるそうです。

 

M先生
M先生

120~150キロとはとんでもない長さですね…!
東京からH松さんの地元の静岡までが約150キロです。
そんな距離にわたってまぐろと闘うんですね…。

 

そんなカツオ漁が栄えたのは江戸の繁栄はんえいとも関りが深いようです。
かつお節の登場ですね。この時代にかつお節が改良され、最高の調味料ちょうみりょうとして料理方法の改善に貢献こうけんしたのだそうです。

 

 

もしかしたらかつお節がカツオからできている、ということにピンとこない人もいらっしゃるかもしれませんね。
かつお節とは、三枚におろしたカツオの身をゆでていぶし、発酵・熟成させ、固く乾燥させたものです。
これを薄く削ってだしに使用するのです。

 

  

さて、そんなカツオの語源ですが…
冒頭ぼうとうにさらっと書いてしまったとおり、「堅し」の「カタ」に「魚」の「ウヲ」で「カタウヲ」となり、転じて「カツヲ(カツオ)」になったといわれています。

かつお節の動画を観ていただけると、その「かたさ」には納得できてしまいますよね。

でも、もともとはかつお節として味わわれることはあまりなかったため、鎌倉時代までは低級な魚として扱われていたそうです。
主に干し固めて食用とされていました。

おいしいいただき方

だしとして

かつお節は、高たんぱくでビタミンやミネラルが凝縮ぎょうしゅくした食品。
かつお節からとれる「だし」には3種類があります。

①かつお一番だしは、
い物やお味噌汁みそしる、茶わんし、そばつゆ、うどんつゆなどに。

②かつお二番だしは、
煮物にものや炊き込みご飯、鍋物へ。
一番だしのだしがらのけずり節を再活用してとるだしですね。

③かつおと昆布こんぶの合わせだし
煮物にものや鍋物へ。

リンク先のホームページからは、それぞれ三種類のだしの取り方を動画からでも確認できます!

 

かつおのたたき

「かつおのたたき」の”たたく”とは、皮をパリッとあぶったかつおに、塩やポン酢、薬味などをのせてから、抑えて(=たたいて)味をなじませることで、本当に包丁ほうちょうの腹などでパンパンとたたいたりすることなのだそう。
リンクしたホームページでは、自宅でかつおをあぶる方法も紹介しています。
直火であぶる必要があるとのこと。もしも、自宅で試してみたい!という場合は必ず大人と一緒にチャレンジしてみてくださいね。

 

 

鮪 まぐろ

まぐろは、大型の遠洋性回遊魚えんようせいかいゆうぎょ
形はカツオに似て、体長は1~3メートル。
背は黒灰色、腹は白色。
クロマグロまたはホンマグロとも言い、刺身さしみ用など。

   

M先生
M先生

マグロもファンが多いお魚ですよね。
お魚の話題といえばやはりおさかな君。おさかな君もマグロについての動画を挙げているようなので、見てみましょう。

 

 

サバなどとも同様にマグロも赤身魚。筋肉が発達しているお魚です。
特にマグロはえさとぼしい外洋がいよう回遊かいゆうすることが多いため、えさつかまえるために高速で泳ぐ能力が備わっているようです。
おさかな君も、背びれや腹びれを普段はたたんで泳いでいると話していましたが、それは水の抵抗を少なくするための完全紡錘形かんぜんぼうすいけいの形をとるため。最高で時速160キロで泳ぐともいわれているそうです。

そんな筋肉の発達しているマグロですが、実はえらを動かすための筋肉はないそうなのです。
マグロは泳ぐのを止めると死んでしまう、というのは、口をあけてエラを通過していく酸素を取り入れる方法で呼吸をしているからなのだそうです。

そんなマグロの語源とは…?
おさかなくんも「まんまるお目目」と表現していましたが、目が黒いことが由来となって「眼黒まぐろ」となった、という説が一つあるそうです。
もう一つは、背が黒く海を泳ぐ姿が真っ黒な小山にみえることから「真黒まぐろ」となったという説があるとのこと。

 

一方、漢字では魚へんに「有」と書いて「まぐろ」と読みます。
この「有」という語は「外側を囲む」という意味を持つのだそうで、大きく外枠そとわくを描くように回遊かいゆうする魚、というところに由来しているといわれていうようです。

 

M先生
M先生

マグロといえば、呼び方もいろいろありますよね。
トロとかツナとか…!

 

まず、ツナは、マグロ族の魚のことを総称そうしょうする英語です。

tuna

a large sea fish that is used for food: fishing for tuna

 

マグロ族の中にはカツオも含まれてくるので、いわゆるツナ缶は、マグロの缶詰かんづめとは言いがたいようです。

 

そして、「中トロ」「大トロ」などの呼び名はマグロの部位を示しています。
ちょうど、マグロの背中にあたる部分が中トロ。
魚の身の中央部にあたるのが「赤身」です。
そしてお腹の部分が「大トロ」と呼ばれる部分です。あぶらが多く乗っているところが高級とされる部位なのですね。

 

 

マグロがどれだけ大きいお魚で、余すところなくおいしく味わわれてきたものなのか、ということがうかがえますね。
同じお魚でも、こうやってたくさん名前がつけられるということそのものが、日本人のマグロ愛のようなものを物語っているようにも感じられますね。

  

おいしいいただき方

なんとなく、やっぱりお刺身でいただくのが一番美味しいような気がするのですが、マグロのレシピを眺めていて「…おいしそう‥‥!」と思ったものをご紹介します…!

よかったら写真や文章で味わってみてください。笑。

 

  

 

M先生
M先生

食欲の秋…!
もりもりご飯を食べて、体調など崩さないように頑張っていきましょう!


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