2.英語と日本語の違いを知る
文字の音を知る
【わからない英単語を調べる】のステップ3・4で、今あるネット上の辞書は、音声は流れるけれど「口元がわからないので発音の仕方がわからない」という残念ポイントがあることをお話しました。
しかしそもそも、英単語レベルではなく「どのアルファベットをなんと発音するか」を学んだことはあったでしょうか?(便宜上、カタカナで表します)「aって、エービーシーのエーじゃないの?」という人もいるでしょう。しかし、それはアルファベットの名前であって、音ではありません(!)例えば、なんでcatのcは「シー」なのに、catという文字列になったとたんにキャットと音が違うものになるんだろう、と思ったことはありませんか?それは、シーというのはcの名前であって、音ではないからです。
フォニックス
この英語の文字と音の関係をわかりやすくまとめているのが「フォニックス」です。英語には44の音があると言われていますが(諸説あり)、その音をシンプルにまとめているのが、「もじこ塾フォニックス一覧表」です。
この動画は、アルファベットの文字を、どう発音すればいいのか(つまりフォニックスのルールを)教えてくれます。フォニックスの動画は、歌を使ったり、アニメーションになっていたり、一見楽しいものはたくさんありますが(「フォニックス」でYoutube検索するとたくさん出てきます)、この動画は、どのように口を作って発音するか、字幕つきで教えてくれるのと、実際に発音している口元をうつしてくれるので、とても真似がしやすいです。
フォニックスはあくまでも英語の発音の規則的な部分を教えてくれるもので、例外もたくさんあります。自分でこれまで学んできた単語の読み方を、この動画を使ってフォニックスにあてはまるか考えてみて、「英語にはこんなにフォニックスの例外があるのか」と知ってみるのもよいでしょう。「なんで英語ってこんなに発音がバラバラなんだ?」と思ったら、そこにはディープな英語の歴史が広がっていますので、興味のある人は調べてみてください。
フォニックスの44の音をまとめた表に沿って発音しているのは、こちらの動画になります。これは口元の情報はありませんし、どのように発音するのかという字幕もついていませんが、フォニックスが表になっているので、まとめて44の音を学ぶのにおすすめです。
K原さん
お休みの間になにか1つだけ英語の勉強をするなら?と言われたら、もじこ塾の動画を見てください!とわたしなら答えるかなあ。
フォニックスの練習
さて、先ほどお休みの間になにか1つ勉強するならフォニックスだと言いました。先ほどのもじこ塾の動画は、口元の情報も見て学ぶことができるものでしたが、文字と音の対応を1通り知ったら、あとはとにかく練習あるのみです。
その練習をインターネット上で比較的楽しめるのが、starfall.comのパソコン版ゲームと、スマホのアプリです(パソコン版はこちら、スマホアプリは「starfall learn to read」で検索)。英語のサイトです。
パソコン版のゲームも、アプリ版も同じ内容ですが、正直パソコン版のサイトのデザインはあまりわかりやすくありません(カラフルすぎてチカチカするかも)。でも、いろんなところを触ってみて、色々遊んでみるとよいです。
おすすめは、カテゴリが3つに分かれているのですが(Game, Book, Skillsの3つ)、まず1のBook、次に1のGame、そして1のSkills、2のBook…というように見ていくことです。Book(本)という名前がついていますが、動画になっているので、文字を読む必要はありません。このBookで、一通りその音を持つ英単語を知ることができます。その練習がGameです。また、設定を変更すれば、Skillsの動画に字幕をつけることができます。(ここからCCの横のボタンをONにして、もともといたサイトを更新すると字幕がつけられます)
英作文 これって英語でなんていうの?を知る
DMM英会話なんてUknow?
「こういうことが言いたいんだけどな〜」を気軽に聞ける英語版知恵袋です。質問の敷居の低さがピカイチで、最近流行している言葉や若者言葉を英語にするとどうなるの?とか、辞書には載()っていない、具体的なシチュエーションでこんなこと言いたいんだけどなんて言うの?を質問したり、他の人の質問への回答を読むことができます。質問への回答者はネイティブや、英語の先生で、日本語母語()話者()や日本語に慣れ親しんだ人が回答してくれます。()
K原さん
読み物として読んでいるのも面白いので、いくつか紹介させていただきます。もしよかったら、サイトを訪()れる前に5秒でいいので「英語でなんていうのかな」と考えてみてください。その積()み重()ねが、英語で自分の言いたいことを表現()する力につながります。
すぐに使えそうな表現が知りたい
超()やりたくないって英語でなんて言うの?
めっちゃすぐ使えるじゃんこれって思ったでしょう(決めつけ)。ちなみにこの質問をした方は「やりたくない仕事」があって「超やりたくない」と言いたいとのことでした。つまり…勉強だけじゃなくて仕事するようになっても使えるんだなあ。ほんとはあんまり使いたくないですけどね。
「超やりたくない」はすごくシンプルな文章だけれど、それを表現する英語の文章はたくさんあるんだなということに気づかされます。「やりたい仕事のうちの一番最後()」「誰()がこんな仕事やりたいって?」とか、そういう表現もたしかにできるか〜!と日本語の表現も広がりそうです。英文にするときは、reallyを重ねてみたり、seriouslyで本気度()を表してみたり、neverを使ってみたり、色々な方法で表せるんですね。「超やりたくない」という一文を考えるだけでも、英語の引き出しだけではなく、日本語の引き出しも増()えそうです。
中学で学んだ表現を使って言えそうな文章が知りたい
天才は時に孤独()ですって英語でなんて言うの?
「天才は、家族や配偶者()がいたとしても、時に孤独です。なぜなら、彼らを理解()できる人がほとんどいないから」ときましたよ。この質問への回答をみると、中学校で学ぶ英語で全部表現できそうですね。ちなみにここでの「理解する」はunderstandですね。他にも「理解する」と訳せる単語はcomprehendやgrasp, followなどもありますが、understandを使うのはなぜなのかもついでに調べてみるとさらに学びが深まるかもしれません。誰がどういうシチュエーションでこの文章を英語で言いたいと思ったのか想像()すると、物語が生まれそうです。
英作文の面白さを知る?
英語の文章を作るとき(英作文)、まずは訳したい日本語の意味をよく知ることが大事なんじゃないかと思います。知性と品性って・・・あんまり考えたことなかったなあ。自分がどちらからもかけ離()れているからですね。それはさておき、まだ英語を書きはじめてはいけません。英作文は、この日本語が「結局()のところ何を言いたいのか」を考えることから始めます。まずわからないのは、知性と品性という言葉です。次に、「何を言うかは知性、何を言わないかは品性」という文章そのものが、「結局何が言いたいのか?」です。自分なりに考えてみたら、下のリンクを開いてみましょう。
「何を言うかは知性、何を言わないかは品性」って英語でなんて言うの?
この回答には2つの英文が提案()されています。
上の文は、知性と品性を説明している文章。1つめの文について、あれ、なんか長くない?って思ったかもしれません。でも知性と品性の意味って、結局こういうことなんじゃないでしょうか?
そして2つめの文章は…なんや、今度はめっちゃ短いやんけ!(急に服○平次())これはとてもシンプルな文章ですが、結局こういうことでもありますよね。だって質問者は「いちいち余計()な一言を言う友人に」言いたいわけなんだから。この2つの英文の表現を考えると、「何を言うかは知性。何を言わないかは品性」という日本語よりも、むしろ英作文したほうが何が言いたいのかわかりやすくない?と思ったりしませんか?
K原さん
こうしてみると、英作文って英語を介して日本語を日本語訳することだよなあと思います。つまり、英作文は英語の作文とはいえ、実は日本語を知るということでもあるんですね。
文法 英語の文法の「なんで?」を発見する
進研ゼミ中学講座() 中学生からの質問
中学生が、授業を聞いていてわからなかったことを質問しています。自分もわからなかった!という質問に回答してくれているので、読み物として読むことができます。この回答を読んでいくなかで、もしかしたら新たな疑問が湧いてくるかもしれません。
上に挙げたのはあくまで例ですが、こういった「なんで?」を日々英語を学ぶなかで探してみると、英語を学ぶことが意外()と面白くなってきたりします。英語は言葉なので「そう言われてもそうと決まっている」ことももちろんあるとは思います。でも、あっという間に過ぎてしまうリアルな授業のなかでは、話を聞くのに集中しないといけないので、学んだことに疑問を持つこともなかなか難しいかもしれません。そうなると、このような質問集を読んで、自分の「なんで?」を探す時間はとても貴重()なのではないでしょうか。自分の英語への疑問を探す方法の1つとして読んでみることをおすすめします。
ここから余談()になりますが、過去形と言われているものについて、私は過去というよりも距離形()と言っちゃっても良いのではないかな〜と勝手ながら思っています。過去形(距離形)にすることによって、時間的な距離や、心理的()な距離(目上の人との距離は、友人との距離感よりも遠いですよね。わかんないけど、サザエさんのフネさんとか波平に対して使ってそう。どうだろう?名探偵コナンに出てくる元太は一生使わなさそうですね。決めつけはよくないですが、確信()に近いです)とか、あとは現実的な距離を示すことができるからです(例えば「くそ!俺が新一()の体だったら…(蘭()に気持ちを伝えられたのに…!)」など、現実離()れした想像上()のことを指したり)。これを説明すると、過去を表すという話だけではなくて、目上()の人とは距離があるから過去形(距離形)で表して、それで表現が丁寧()になるとか、あと文法用語で言う仮定法()も説明できてしまいますね。区別()して学んでいるのは私たち第二言語()として英語を学ぶ民()なだけであって、ネイティブにとって過去形は、距離のイメージなんですね。こういうことから、英語の考え方が垣間()見えたりするんじゃないかと個人的には思っています。
文法を楽しく練習する
サンニンショータンスーとか、聞いたことありますか?三人称単数です。sがつくとかつかないとか、場合によっては-iesになるとか、ややこしいですよね。それをゲームで世界中の人と戦()いながら乗()り越えることができるのが、このサイトです。
このサイトはとてもおすすめです。操作()がシンプルで、ゲームも単純()です。ゲームしてたらいつのまにか名詞の単数形・複数形の綴()りや、類義語()・対義語()を覚えられます。通常、「耐()え」でしかない単数形・複数形などを、ゲームをしながら覚えられる無料のサイトはなかなかありません。またサイトの作りもシンプルで、登録せずすぐにゲームにたどり着くことができます。算数や地理など、他の科目のゲームもありますが、ここでは英語の学習のゲームを紹介します。
英語圏()の子どもたちにとっての「国語」は、Language Artsなので、Language Artsを選びます。すると12個ゲームが出てきます。基本的()に操作()は指一本でできるものばかりです。出題される単語も、決して難しくありません。ぜひ一度やってみてください。このおやすみに英語の勉強をフォニックスの他にもう1つやるとしたら、わたしはこのサイトをおすすめします。このうち、2つのゲームを紹介()させていただきます。
名詞(ものの名前)の複数形の形を学ぶ
Bumper Boat Bash
名詞(ものの名前)の複数形の練習をするゲームです。正解()を選んで、ボートのレースで1番を目指すというもの。例えばpuppyときたら、puppys/puppies/puppyのなかから正解を選ぶというもの。
ところで、英語ってむちゃくちゃものの数に厳()しくないですか?数というと語弊()がありますが、いつ冠詞()と呼()ばれる”a”を入れるのか、いつ”the”になるのか、いつ”-s”をつけるのか、英語だけではなく、他の言語にも冠詞の概念()はあるみたいですが、日本語と比較()して考えると不思議()でたまりません。そして、なぜ英語には冠詞があるのか、それはまだはっきりと答えが出ていないようです。
興味のある方はこちらを読んでみてくださいなぜ英語には冠詞があるのですか?「hellog〜英語史ブログ」*ちなみにこのブログは、次に紹介させていただいている『はじめての英語史』の堀田隆一()さんのブログです。他にも「英語に関する素朴()な疑問集()」や「アクセス・ランキングのトップ500記事」など、とても面白く学びを深められる記事がたくさんあります。こちらの記事にサイトのガイドがありますので、よろしければ是非()サイトを訪()れてみてはいかがでしょうか。日頃()より拝読()しております!)
どうやら、語順()が関係しているのではないか?という仮説()が紹介されていました。日本語と英語は語順という点でかなり異なりますね。こちらで紹介されている仮説について考えると、英語って結構配慮()された言語なのではないかと思ったりします。話し手や聞き手にとって既()に知っているものなのか、そうではないのか、1つなのか、たくさんあるものなのか、冠詞()や定冠詞()(the)、複数形のsをつけて最初から伝えてしまうので、わかりやすいです。
例えばこんな場面、日常にあふれていると思います。
「ねえねえ、ペン取って」
想像してみますが、このペンが1本なのか、2本なのか、話し手がいつもよく使っているおなじみのペンなのか、それともとりあえずそこにあるペンなのか、わからないですよね。「何本?」「どのペン?」となります。
その情報を、英語は”a”や”the”、”-s”をつけることで初めから伝えることができます。いかにわかりやすく相手に伝えるかを考えた結果、英語の場合はこうなったのかもしれません(冠詞の概念は英語以外の言語にもあります)。
最初から脱線()していますが、その冠詞じゃないほうのやつ、”-s”をつけるやつの付け方の練習がこのゲームですね。レースを繰()り広げながら学べます。
K原さん
操作()は指一本ですが、自分で声に出しながらやると若干()ペースが早くなる気がしました。全然()ゲームの紹介してないですね。
名詞の後に続く動詞の形を学ぶ
Giraffe Karts
名詞の単数系・複数形に続く動詞の形を学ぶゲームです。例えば a babyがきたら、have/hasなどの二択()になっているので、そのどちらかを選択するといった形です。基本的にはこれも練習あるのみですが、ここでついでに「人称」について考えてみると、このゲームをさらに楽しめるかもしれません。
「人称」というのは文法用語です。三人称とは、面と向かっておしゃべりしている「私」と「あなた」以外のすべての存在()です。ちなみに「私」は文法用語で一人称、「あなた」は二人称です。別に一人称は「わし」でも「おいら」でも構()いませんし、二人称は「おぬし」とかでも構いません。とにかく面と向かってしゃべっているかどうかが大事です。物・事も三人称なのは、それと面と向かってしゃべることができないからです。
heとかsheとかitとかMitsuhikoとかは三人称単数になります。1人(1つ)で、かつ面と向かってしゃべる相手がいないというさみしい存在なので(?)、そういう時は動詞にsをつけます。つまり三人称でも、複数であれば他に相手がいるのでsをつけないくてもよいということになります(こじつけです)。sは、時々studiesとかfliesなど、”-ies”になったり、teaches とかgoesなど”-es”になることがありますね。これにも規則()があります。ゲームをする中でどういう規則があるのか自分で見出せるともう迷()わなくなります。あるいは最初から規則を知っておいて練習したいという方はこちらを参照()するとまとめられています。これはそういうルールなので覚()えるしかないです。I seriously don’t wanna do this.といったところでしょうか…でも、一度覚()えてしまえばずっと使えます。
K原さん
ゲームで楽しみながら英語を勉強してみると「ルールだから覚えないといけない」ものから、少しはリラックスして覚えられるものになるのではないかと思います。
英語の語順の謎を知る
なんで「わたしは英語を勉強します」がI English study. ではだめなんだろうと思ったことありませんか?
こちらにはその答えがあります。先ほどの堀田隆一さんの連載です。前編()・後編()があります。シンプルなサイトなので読み上げしやすいと思います。堀田さんのブログで、どうやら英語の文章に冠詞がつくのは、語順が関係しているのではないか、という仮説が紹介されていました。その語順がなぜ決まっているのかがこちらでは紹介されています。実は昔は、語順にルールはなかったという最初のお話には衝撃()を受けました。じゃあなぜ語順に決まりが生まれたのでしょうか?言葉のルールは、たくさんの人が「そのほうがいいな」と思わなければ生まれません。語順が自由だったことによって何が起こり、今の形に落ち着いたのでしょうか。
冠詞のお話に加えて、この語順にまつわるエピソード(というにはかなり長い歴史ですが)を考えると、いかにわかりやすく一度に情報を伝えるかが意識()されていると個人的には感じます。
ここまで【英語と日本語の違いを知る】ことができる、おすすめのリンクを時には脱線()しながら紹介()させていただきました。ここに挙げたリンクは全て、いつも読ませていただいているものばかりですが、読むたびに発見があります。まだまだ他にも学びを深められるサイトはたくさんあります。自分の「なんで?」の赴()くままに、この機会に英語について考えてみるというのも楽しいですよ。