古文にふれてみよう③「省略される語」「現代では使わない語」

国語:まなナビNAVI

さんかくすと文がえます

※こちらは「古文にふれてみよう①」の続きとなっています。ぜひ①からお楽しみください!

省略(しょうりゃく)される()

Sさん
Sさん

続いての話題(わだい)は②の省略(しょうりゃく)される()についてお願いします!

歌子
歌子

はい!その名の通り、古文(こぶん)ではときどき語が省略(しょうりゃく)されることがあります。わたくしの自己紹介(じこしょうかい)の文を使って説明(せつめい)していきますね!

歌子
歌子

(われ)歌子(うたこ)といふものなり。平安(へいあん)()より()たり。ねむごろに(うた)()みて、こののちも(うた)()みて()(なか)をすぐ。

Sさん
Sさん

(わたし)歌子(うたこ)という(もの)です。平安(へいあん)世界(せかい)から()ました。一生懸命(いっしょうけんめい)(うた)()んで、これからも(うた)()んで生活(せいかつ)します。

という意味でしたね!

歌子
歌子

その通り!では、どこが省略(しょうりゃく)されていると思いますか?

Sさん
Sさん

うーん。古文(こぶん)現代文(げんだいぶん)を比べてみると……!
省略(しょうりゃく)(うた)()みて」部分(ぶぶん)だと思います!

Sさん
Sさん

古文(こぶん)だと(うた)()みて」ですが、現代文(げんだいぶん)意味(いみ)(ほう)では、(うた)()んで」となっていますよね!

歌子
歌子

見事(みごと)ですSさん、大正解(だいせいかい)です!!

歌子
歌子

(われ)歌子(うたこ)といふものなり。平安(へいあん)()より()たり。ねむごろに(うた)()みて、こののちも(うた)()みて()(なか)をすぐ。

この赤字(あかじ)部分(ぶぶん)ですね。

歌子
歌子

「歌詠みて」の部分では、現代語(げんだいご)でいう助詞(じょし)の「を」が省略(しょうりゃく)されています。「を」だけに(かぎ)らず、このように、古文(こぶん)では助詞(じょし)省略(しょうりゃく)されることがよくあるんですよ!

歌子
歌子

また、古文(こぶん)では、主語(しゅご)省略(しょうりゃく)されることもしばしばあります。

Sさん
Sさん

現代人(げんだいじん)の私も、いちいち「私は、」から話し始めないときがあるな…。
それに、「ごはん食べる」「学校行く」といった言葉を使うときもある…。
古文(こぶん)現代文(げんだいぶん)の違いとは言うものの、省略(しょうりゃく)」は現代人(げんだいじん)にもなじみの深いものなのかも…!

歌子
歌子

現代(げんだい)でも省略(しょうりゃく)(もち)いることがあるかもしれません!しかしながら、現代(げんだい)では生活(せいかつ)の中での会話(かいわ)場面(ばめん)で使うことが多い気もします。文章(ぶんしょう)を書き残すときはあまり省略(しょうりゃく)しないようにしているのではないでしょうか?
古文(こぶん)場合(ばあい)は、書物(しょもつ)という記録(きろく)に残るものに省略(しょうりゃく)確認(かくにん)できるので、「省略(しょうりゃく)」は書き言葉としても一般的(いっぱんてき)だったのかもしれませんあくまで平安出身(へいあんしゅっしん)歌子(うたこ)なりの考えですが…おほほ。

Sさん
Sさん

たしかに言われてみれば、作文(さくぶん)感想文(かんそうぶん)を書くときは、できるだけ丁寧(ていねい)に書いて省略(しょうりゃく)しないようにしています…。少し使い方が今とは違っていたのかもしれないですね!歌子(うたこ)さんと話すと気づきがいっぱいです!


Sさんと歌子(うたこ)さん、省略(しょうりゃく)についての話題(わだい)()()がっていましたね。ここでは古文(こぶん)では助詞(じょし)主語(しゅご)省略(しょうりゃく)されることがある」このポイントをおさえておきましょう! また、Sさんと歌子(うたこ)さんの会話(かいわ)を読んで、助詞(じょし)ってなんだろう?」と思った方もいるかもしれません。助詞(じょし)古文(こぶん)でも現代文(げんだいぶん)でも使われているので身近(みぢか)存在(そんざい)です。助詞(じょし)について知りたいと思った方はぜひ、下に紹介(しょうかい)するページを見てみてください。

続いては、現代語(げんだいご)では使わない語についてのお話です!

現代語(げんだいご)では使(つか)わない()

Sさん
Sさん

歌子(うたこ)さん、(つづ)いて、現代語(げんだいご)では使わない語について教えてください!

歌子
歌子

かしこまりました!ではこちらも、わたくしの自己紹介(じこしょうかい)(れい)にしますね。

歌子
歌子

(われ)歌子(うたこ)といふものなり。平安(へいあん)()より()たり。ねむごろに(うた)()みて、こののちも(うた)()みて()(なか)をすぐ。

(意味:(わたし)歌子(うたこ)という(もの)です。平安(へいあん)世界(せかい)から()ました。一生懸命(いっしょうけんめい)(うた)()んで、これからも(うた)()んで生活(せいかつ)します。)

Sさん
Sさん

現代語(げんだいご)では使わない語はどれだろう…?歌子(うたこ)さんのような自己紹介(じこしょうかい)自体(じたい)現代(げんだい)では耳にしませんが…平安(へいあん)()より()たり」とか()(なか)をすぐ」という()(かた)は、とくに使わない気がします。

歌子
歌子

Sさん、よく気がつきましたね!

Sさん
Sさん

やった!あたったみたい!

歌子
歌子

現代語(げんだいご)で使わないなと思った理由(りゆう)はなんですか?

Sさん
Sさん

歌子(うたこ)さんの自己紹介(じこしょうかい)(やく)を見てもわかるのですが、現代(げんだい)だと()た」「すごす」と言うかなあと思いました!

歌子
歌子

さすがSさん!その通りですよ。この文ではまさにSさんの指摘(してき)した、()たり」「すぐ」現代語(げんだいご)では使われなくなっている語の一例(いちれい)です。ここで、またまた登場(とうじょう)歌子(うたこ)のポイントです!

詩を詠む女性
歌子(うたこ)のポイント~現代語(げんだいご)では使(つか)われない()~

()たり
意味:()
補足(ほそく)()は「()たり」で(ひと)つの単語(たんご)ではな く、()」+「たり」現代語(げんだいご)では、この「たり」使(つか)われていない()える。
「たり」が変化(へんか)した(かたち)が、現代語(げんだいご)使(つか)われている過去形(かこけい)完了形(かんりょうけい)(あらわ)す「た」((れい)())

すぐ
意味(いみ):すごす
補足(ほそく):「すぐ」が変化(へんか)した(かたち)が、現代語(げんだいご)使(つか)われている「すごす」。((れい)休日(きゅうじつ)家族(かぞく)すごす)

歌子
歌子

今回(こんかい)わたくしの自己紹介(じこしょうかい)(なか)にはこの2つが(ふく)まれていましたが、ほんの一部(いちぶ)ですので、ぜひ調べてみてくださいませ!

Sさん
Sさん

現代(げんだい)では使われていない古語(こご)紹介(しょうかい)した、おもしろそうなサイトを発見(はっけん)しました!

歌子
歌子

現代人(げんだいじん)方々(かたがた)()()ってもらえることを(いの)っております…!


現代語(げんだいご)では使われていない古語(こご)興味(きょうみ)をもっていただけたでしょうか?使われていないとは言え、変化(へんか)した形が現代(げんだい)に残っているものもあると聞くと、はるか昔から()()がれる言葉(ことば)になんだか感動(かんどう)します…。 Sさんが紹介(しょうかい)していたサイトもぜひのぞいてみてください!

(つづ)いては、現代語(げんだいご)と形は似ていても意味(いみ)が異なる語についてのお話です!

現代語(げんだいご)(かたち)()ていても意味(いみ)(こと)なる()

歌子
歌子

突然(とつぜん)ですがSさん、現代語(げんだいご)(かたち)()ていても意味(いみ)(こと)なる()と聞いて、思い()かぶ言葉はなにかありますか?

Sさん
Sさん

高校生(こうこうせい)のときに(まな)んだ、「をかし」強烈(きょうれつ)印象(いんしょう)に残っています!

歌子
歌子

「をかし」ですか!現代(げんだい)では学ぶほどに人気(にんき)がある言葉なのですか!意外(いがい)です…。

Sさん
Sさん

意外(いがい)なんだ…。

歌子
歌子

では、Sさん。わたくしに「をかし」の現代(げんだい)意味(いみ)と、高校(こうこう)とやらで学んだ古語(こご)としての意味(いみ)両方(りょうほう)を教えてくださいますか?

Sさん
Sさん

いつもいろいろ歌子(うたこ)さんが教えてくれていたから、自分で説明(せつめい)するのが(はじ)めてで緊張(きんちょう)します…でも期待(きたい)されているのですよね!がんばります!それでは、Sさんのポイント!カモン!

歌子
歌子

かもん…??とりあえず見守(みまも)りましょう…。

本を読んでいる少女
Sさんのポイント~「をかし」の意味(いみ)~

をかし

現代語(げんだいご)意味(いみ)
 → おかしい、おもしろい

古語(こご)意味(いみ)
 → 風情(ふぜい)がある、(うつく)しい

歌子
歌子

わかりやすいですね!お見事(みごと)です!

Sさん
Sさん

おおお!よかったです!歌子(うたこ)さんに()めてもらえるなんて(うれ)しい…ありがとう、高校(こうこう)(ころ)の先生…。

歌子
歌子

平安(へいあん)()を生きるわたくしたちは、(うつく)しいものや(こころ)()かれるもの、(あじ)わい(ぶか)いなにかに(たい)して()()げてくる感情(かんじょう)(あらわ)言葉(ことば)として「をかし」を使っています。しかし現代(げんだい)では、なんだか笑えるものに対する「おかしい、おもしろい」という感情(かんじょう)(あらわ)意味(いみ)で使われているのですね。

Sさん
Sさん

ようするに、歌子(うたこ)さんたちは、(こころ)がときめいたりステキだったりする(なに)(たい)して「をかし」と言っているということですね!

Sさん
Sさん

諸説(しょせつ)ありますが、「おかしい、おもしろい」という現代(げんだい)意味(いみ)語源(ごげん)についての説明(せつめい)を見つけました。古語(こご)から現代語(げんだいご)になる過程(かてい)って今まであまり気にしてこなかったから、もっと調べてみたいなあ。

歌子
歌子

()()がれてきた言葉(ことば)について興味(きょうみ)をもって調べようとするその姿勢(しせい)、「をかし」です!!


Sさんと歌子(うたこ)さんが「をかし」に注目(ちゅうもく)して、現代語(げんだいご)(かたち)()ているけれど意味(いみ)(こと)なる言葉(ことば)紹介(しょうかい)してくれました。日々の生活の中で心がときめいたり、ステキだと思ったりしたら、ぜひ「をかし」と言ってみてください!形が似ているけれど意味が違う言葉をもっと知りたい!という方は以下(いか)紹介(しょうかい)するサイトをのぞいてみても楽しいですよ!

(つづ)いては、古文(こぶん)現代文(げんだいぶん)(ちが)いの最後(さいご)のトピックである(かか)(むす)びの法則(ほうそく)についてのお話です!

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