▶ を押すと文が増えます
おかげさま
感謝の気持ちを表す語。挨拶の言葉としても用います。
おかげさまは、他人からうける利益や恩恵を意味する「お蔭」に「様」をつけて、丁寧にした言葉。
古くから「蔭」は神仏などの偉大なものの陰で、その庇護を受ける意味として使われているそうです。
ただ、「蔭」という字が常用外漢字ということもあって、「陰」という漢字で代用されることが多いそう。
ちなみに「かげ」という言葉にもいろいろな漢字がありますね。
もともと「かげ」の語源は、『古典基礎語辞典』によると、陽炎、鏡などと同じだそうです。
おおもとの意味は「光」で、太陽や月、灯火などの光を意味し、「月影」といえば「月光」、「火影」といえば「灯火の火」を意味したとか。
「影」という漢字
「影」という漢字は、
・「光」を意味する字の「景」、
・彩や模様、飾りなどに関する文字を形作る「さんづくり(彡)」
から成り立ち、光でできる模様というような意味あいを持つ漢字になるようです。
光の反射などによって鏡や水面に映る姿のことも「影」の字であらわします。
そこから姿じたいを「影」という漢字であらわすようになったのだそうです。
「面影」や「撮影」などの熟語に「影」という字が含まれることも、これで納得できますね。
「陰」という漢字
「陰」という漢字は、
・小高い山や丘を意味する「こざとへん」
・インという音を表す「侌」という”つくり”
の二つを組み合わせて成り立つ漢字です。
どうやら、山などによって生じる薄暗い陰、という意味合いを持つようです。
「陰陽」という言葉があるとおり、「明るい部分」に対する「暗い部分」というニュアンスですね。
この「かげ」という言葉や漢字について、いろいろと例文を紹介しながら説明をしているのが、下記のホームページです。
「なるほど…」が詰まっていますよ。
恩に着る
受けた恩をありがたく思う、という感謝を表す表現のひとつです。
「恩」とは、他の人から与えられた「めぐみ」や「いつくしみ」という意味ももつそう。
『日本書紀』や『古語拾遺 (しゅうい)』などの日本の古典に出ている「恩」は、
「めぐみ」「みいつくしみ」「みうつくしみ」などと訓まれているようです。
「めぐみ」は、草木が芽ぐむなどというときの芽ぐむを名詞形にしたものとされているそうですが、草木が芽ぐむのは冬眠していた草木の生命力が陽春の気にはぐくまれて目覚めることによる…
‥‥つまり、ある者が他の者に生命を与えたり生命の発展を助けることが恩を施すことであり、その逆が恩を受けることであるとみられているそうです。
そもそも仏教用語でもある「恩」という漢字。
『大乗本生心地観経』という書物の中には、
・父母の恩
・国王の恩
・衆生の恩(衆生とは生きとし生ける全てを表す言葉だそうです)
・三宝の恩(お釈迦さまがお弟子さんに説かれた教え。心の拠り所となる大切なものとして、「仏」「法」「僧」の三つのことを指すそうです)
など四恩を心に深く感じ大切に思うことが、仏道修行の要素であると説いているとか…。
ちなみに「恩着せがましい(恩恵を施して、いかにも感謝しろと言わんばかりの態度)」など「着る」という表現がついてくるのはなぜなのか…
この「着る」という言葉には「身に引き受ける」という意味がこめられているそう。
「罪を着る」という言葉が同様に「着る」という語を使う例です。
「罪を着る」という場合は、自分の罪ではないのに、その罪を引き受ける、という意味になります。
「恩に着る」という表現をする場合、恩を身に引き受ける
―「このご恩は一生この身に引き受け、忘れません」というニュアンスが含まれてくるとか。
「あなたに借りができました」というようにも意味を受け止めることができる言葉です。
むかしばなしに出てくる、「浦島太郎」のカメさんや「鶴の恩返し」の鶴も、みんな「恩に着ます」と言っていたような気がしてきました…。