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この七夕物語に加え、中国で「乞巧奠」という行事が催されるようになったそうです。
織姫は機織りが大変上手だった、ということがあって、
機織りの技が上手くなるよう、ひいては様々な手習い事の上達を願ったというものです。
この「乞巧奠」という行事が日本に伝わると、
宮中行事として取り入れられ、詩歌や裁縫の上達を願って星に祈りを捧げ、梶の葉に和歌をしたためてお祀りしたのだといいます。
梶の葉は紙や布の原料ともなっていた植物のようです。
やがて願い事を5色の短冊に書いて笹の葉に飾るようになります。
短冊が五色の色である背景には中国の陰陽五行説が由来になっています。
これまでにも国語の記事の中で何度か登場したことがある陰陽五行説。
世の中のすべては「陰」と「陽」で成り立っていて、
「木」「火」「土」「金」「水」の五つの元素から成り立っているという考え方でした。
この「木」「火」「土」「金」「水」を色で示したものが5色、
「青」「赤」「黄」「白」「黒(紫)」なのだそうですよ。
この5色の短冊に願いを込めて笹の葉に飾る――
――笹がまっすぐ天にむかってのびる性質を持っていることから、願い事が天にまっすぐ届けられるのではないかという想いから、笹の葉に願い事を書く、と考えられています。
ちなみに7月は文月と呼びますが、
この語源は短冊に歌や字を書き書道の上達を祈った七夕の行事にちなんだため、とも考えられているそうですよ。
実は七夕伝説には他のバージョンもあります。
羽衣伝説と呼ばれるものです。
このお話を聞くと、お願い事を書いた短冊を笹の葉に飾る理由は、ここにも由来しているのかなあと思わされます。
海の日
たいてい、海の日の頃に学校の夏休みは始まることが多いですが、海の日っていつなのでしょう?
7月の第三月曜日が「海の日」です。
「海の日」っていったいどんな日なのでしょう?
実は「海の日」ができたのは比較的最近のこと。
平成8年から「海の恩恵に感謝し、海洋国日本の繁栄を願う日」として祝日として制定されたそうです。
暑中見舞い
さて、夏の暑さが本格的になったころ、ご挨拶のお手紙を書く習慣があります。
暑い時期になかなか会えない知人や友人に向けて相手への気遣いを表す挨拶状、暑中見舞いのことです。
年賀状が新年の挨拶をするお便りだとしたら、暑中見舞いはその夏版とでもいえるかもしれません。
もともとは新年の挨拶もお盆の挨拶も、贈り物を持って回ることが多かったそうですが、
郵便制度が発展するとともに、お便りでご挨拶をすませるようになったともいわれます。
暑中見舞いは梅雨明けから立秋(8月上旬)までの間に送るのがマナーだと言われています。
もし立秋を過ぎてしまったら、残暑見舞いと名前を変えてお便りを出します。
みなさんもぜひお手紙書いてみてはいかがでしょうか?