言葉でつなぐ、つながっていく③ 文字の持つ不思議ー表記の仕方と文体

虫眼鏡で何かを観察したり探している猫 国語:学びのナビゲーター
       

さんかくすと文がえます

  

ミナサン、コンニチハ!

 

M先生
M先生

ミナサン、コンニチハ。

イカガ オスゴシデショウカ?

 

と、いきなり、違和感いわかんのあるオープニングをしたつもりなのですが、
皆さんはどんなふうに感じられたでしょうか?

  

もしかしたら、スクリーンリーダーで読んでいる皆さんは、
「一体どうしたの?」と感じていらっしゃるのかもしれません。

種明たねあかしをしますと、
実は、冒頭ぼうとうのM先生の吹き出しの中の文章は、
カタカナで、
皆さん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか
と書かれていたのです。

  

音声で読み上げている分には、
「皆さん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか」
という文章であることは変わりないはずなのですが、

実はその文章がどのように表記されているか、によって、受ける印象がだいぶ変わってくるはずです

 

改めて見てみましょう。

 

 

M先生
M先生

ミナサン、コンニチハ。

イカガ オスゴシデショウカ?

   

どんな印象を持ったでしょうか?

 

もしかしたら、M先生は久しぶりに記事を書いたので、緊張きんちょうしているのかもしれません
緊張きんちょうしていて、つい、たどたどしく皆さんに表現しているのかもしれません。

 

一方で、

 

宇宙人
宇宙人

ミナサン、コンニチハ。

イカガ オスゴシデショウカ?

 

となったらどうでしょうか?

宇宙人(ここで紹介したのは、フラットウッズモンスターと呼ばれる宇宙人です)が、片言かたことあいさつしている、としたら??

地球外生命体ちきゅうがいせいめいたいである宇宙人は、おそらく地球語、しかも日本語を話すのはむずかしいはずです。

もしかしたら、何か特殊とくしゅ翻訳機ほんやくきを使っているのかもしれません…。
もしくは猛烈もうれつに高い知能ちのうを持ち合わせているから、話し相手の使う言語に合わせて会話できてしまうのかもしれません…。

とにかく、本来、地球語(日本語)を話すことがないはずの人物が、
日本語を話している、という印象も持てるかも
しれません。

 

では、次のバージョンはどうでしょうか?

 

Aさん
Aさん

ミナサン、コンニチハ。

イカガ オスゴシデショウカ?

 

やっぱり日本語を母語ぼごにしないAさんが、日本語であいさつをしている、
という印象を持つことができるのかも
しれません。

 

逆に、

 

Bさん
Bさん

皆さん、こんにちは。
いかがお過ごしでしょうか

 

と表記されていたら、
もしかしたら、Bさんは日本で生まれ育った人なのかもしれない


などと、表記のされ方次第で、想像力をはたらかせて読むことができます
でも、それが事実かどうかは実は誰にも分りません。

宇宙人だから、地球語(日本語)が話せないだろう、というのはM先生の単なる思い込みかもしれませんし、
外国人だから日本語が話せるかどうか、母語かどうかも、そもそも本人に確かめなければわからないことです。
一方で、実際にある事実にもとづいて、それを表現するつもりで記載きさいされている可能性ももちろんありえるでしょう。
 

 
表記の仕方一つで、思いめぐらすことができます。 

どのように表現するか、は真実をよりリアルに伝えることにも役立てられるでしょう。
一方で、思い込みを強めたり、印象をコントロールすることもできてしまうといえるでしょう。

 

音声で同じ「皆さん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか」が読みあげられているとしても、
その声色こわいろ声の大きさイントネーションでも受ける印象は大きく変わります。

 

M先生は先ほど、何気なく、
カタカナで書かれた「ミナサン、コンニチハ。イカガ オスゴシデショウカ?」という表現は
たどたどしい」とか「緊張きんちょうしている」、「日本語に不慣ふなれなのかな」と印象を書いていましたが、「たどたどしさ」や「緊張感きんちょうかん」「日本語に不慣ふなれな様子」は、どんなふうに実際に読みあげることで表現できるのでしょうか

 

 

M先生
M先生

うーん、
なかなか人によって表現の仕方が変わってきそうですね。

 

私たちは、文字で書かれたり、音声で伝えられる「情報」が、どのように伝えられているか、ということによっても、内容の理解に影響えいきょうを受けている可能性がありそうです
そして、それをたくみに利用して表現活動を行う作家さんもいます。
(意識的にしているか、どうかは、人によってさまざまである可能性があります)

 

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