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ミナサン、コンニチハ!
ミナサン、コンニチハ。
イカガ オスゴシデショウカ?
と、いきなり、違和感のあるオープニングをしたつもりなのですが、
皆さんはどんなふうに感じられたでしょうか?
もしかしたら、スクリーンリーダーで読んでいる皆さんは、
「一体どうしたの?」と感じていらっしゃるのかもしれません。
種明かしをしますと、
実は、冒頭のM先生の吹き出しの中の文章は、
カタカナで、
「皆さん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか」
と書かれていたのです。
音声で読み上げている分には、
「皆さん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか」
という文章であることは変わりないはずなのですが、
実はその文章がどのように表記されているか、によって、受ける印象がだいぶ変わってくるはずです。
改めて見てみましょう。
ミナサン、コンニチハ。
イカガ オスゴシデショウカ?
どんな印象を持ったでしょうか?
もしかしたら、M先生は久しぶりに記事を書いたので、緊張しているのかもしれません。
緊張していて、つい、たどたどしく皆さんに表現しているのかもしれません。
一方で、
ミナサン、コンニチハ。
イカガ オスゴシデショウカ?
となったらどうでしょうか?
宇宙人(ここで紹介したのは、フラットウッズモンスターと呼ばれる宇宙人です)が、片言であいさつしている、としたら??
地球外生命体である宇宙人は、おそらく地球語、しかも日本語を話すのは難しいはずです。
もしかしたら、何か特殊な翻訳機を使っているのかもしれません…。
もしくは猛烈に高い知能を持ち合わせているから、話し相手の使う言語に合わせて会話できてしまうのかもしれません…。
とにかく、本来、地球語(日本語)を話すことがないはずの人物が、
日本語を話している、という印象も持てるかもしれません。
では、次のバージョンはどうでしょうか?
ミナサン、コンニチハ。
イカガ オスゴシデショウカ?
やっぱり日本語を母語にしないAさんが、日本語であいさつをしている、
という印象を持つことができるのかもしれません。
逆に、
皆さん、こんにちは。
いかがお過ごしでしょうか
と表記されていたら、
もしかしたら、Bさんは日本で生まれ育った人なのかもしれない…
などと、表記のされ方次第で、想像力を働かせて読むことができます。
でも、それが事実かどうかは実は誰にも分りません。
宇宙人だから、地球語(日本語)が話せないだろう、というのはM先生の単なる思い込みかもしれませんし、
外国人だから日本語が話せるかどうか、母語かどうかも、そもそも本人に確かめなければわからないことです。
一方で、実際にある事実に基づいて、それを表現するつもりで記載されている可能性ももちろんありえるでしょう。
表記の仕方一つで、思いめぐらすことができます。
どのように表現するか、は真実をよりリアルに伝えることにも役立てられるでしょう。
一方で、思い込みを強めたり、印象をコントロールすることもできてしまうといえるでしょう。
音声で同じ「皆さん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか」が読みあげられているとしても、
その声色や声の大きさ、イントネーションでも受ける印象は大きく変わります。
M先生は先ほど、何気なく、
カタカナで書かれた「ミナサン、コンニチハ。イカガ オスゴシデショウカ?」という表現は
「たどたどしい」とか「緊張している」、「日本語に不慣れなのかな」と印象を書いていましたが、「たどたどしさ」や「緊張感」「日本語に不慣れな様子」は、どんなふうに実際に読みあげることで表現できるのでしょうか?
うーん、
なかなか人によって表現の仕方が変わってきそうですね。
私たちは、文字で書かれたり、音声で伝えられる「情報」が、どのように伝えられているか、ということによっても、内容の理解に影響を受けている可能性がありそうです
そして、それを巧みに利用して表現活動を行う作家さんもいます。
(意識的にしているか、どうかは、人によってさまざまである可能性があります)