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鯖 さば
さばです!
背が青緑色で、青黒い斑や縞のある海魚。
腹は銀白色です。
腐りやすいので、「さばの生き腐れ」と言われたりします。
見た目は生きているように新鮮に見えても、すでに腐り始めている、という意味なのです。
例えば、私が年齢を17歳!などとのたまったとします。
そうすると、「さばを読んでる」と怒られたり、あるいは呆れられたりするわけです。
この「さばを読む」も実は、この魚のサバから来ています。
「さばを読む」とは、「得をしようとして数量をごまかすこと」。
魚市では腐りやすいさばを急いで数え、よく数をごまかしたから、というところからきているそうです。
サバに限らず、サンマやイワシ、アジ等の青魚は、自身が持つ消化酵素が他の魚より強いのだそうです。
魚そのものが死んでも、酵素は生きて働き、サバの筋肉のたんぱく質を分解し、分解されたたんぱく質が腐敗菌に冒されやすくなってしまうのだそうです。
特に、青魚は海中を高速で泳ぎ回るために、筋肉中に多くの酵素を持つのだそうです。
ところで、「青魚」ってどういうことなんでしょう?
青魚は、背の色によって分類して総称されることが多いようですが、厳密にはどのような場面で使うか、ということで青魚に相当する魚の種類も変わってくるようです。
例えば、食用魚としては、イワシやサンマ、サバ、アジなど比較的小型で大量に漁獲される大衆魚のことを「青魚」と呼ぶことが多いようです。
また、この見かけの特徴からお寿司屋さんなどでは「光もの」や「青物」と呼ばれたりする魚もありますが、そのときに該当するのは、コハダやサバ、アジになります。
ちなみに「赤身魚」も存在します。
赤身魚は、身(肉)の色が赤い魚のことを一般的に指し、身の色が白い「白身魚」に対する用語のようです。
代表的な赤身魚には、マグロやカツオ、ブリ、カンパチのほか、今回取り上げているサバやイワシも含まれてきます。
広範囲な海水域を泳ぎ回っている、遠洋・近海の回遊魚が該当するのですね。
長時間活発に働かせる筋肉が必要となり、その体内には、筋肉を動かすための燃料となる酸素を貯蔵する筋肉色素たんぱく質「ミオグロビン」と、酸素を運搬する働きのある血液色素たんぱく質「ヘモグロビン」が豊富に含まれているのだそうです。
この二つの色素たんぱく質が、筋肉を赤色にさせる秘密です。
味が濃く、肉質は硬め。鉄分を多く含む特徴があります。
一方の「白身魚」。身の色が白い魚のことですね。
タイやヒラメ、サケ、タラ、スズキ、カレイなど、近海の浅海に棲息する「沿岸魚」や、岩礁や砂地などに棲息する「底生魚」」が該当します。
行動範囲は比較的狭く、筋肉はあまりありません(獲物を捕まえるときの瞬発力はあるようです)。
なので、筋肉色素たんぱく質もほとんど持たず、白っぽい身になるのだそうです。白身魚は淡白な味で、ほぐれやすく、低カロリーで消化によいともいわれます。
さて、そんなサバの漢字の秘密や言葉のそもそもの語源とは…?
もともとは、「サバ」とは、魚や鳥獣の肉などを混ぜて似た料理の名前だったそうです。
また、淡水魚の一種を指した字でもあったといいます。
魚へんに「青」の字を書く由来は、サバが、青々としているところから鯖と書かれるようになった、とも言います。
江戸時代の『大和本草』という資料によると、歯が小さい特徴から「小歯」としたという説があったり、多数で群れをなすことから、多いことを意味する古語「サハ」が濁音化したとする説もあるのだそうです。
おいしいいただき方
しめ鯖
「サバの生き腐り」と言ってきたとおり、サバは傷みやすいお魚。
また、生臭さが強く、独特のくせがあるので、酢でしめていただいたりします。
しめ鯖を作る際は、もちろん鮮度に注意してサバを調達することが重要になりますが、砂糖、塩、酢の順番でしめることが重要なのだそうです。
このしめ鯖を使う押し寿司やバッテラもおいしいですよね~
※ 押し寿司 木箱に酢飯をつめ、具をのせて押しまとめたすし
※ バッテラ 舟型の木の枠にはめて作った、サバの押し寿司のこと。
サバの味噌煮
サバの味噌煮もおいしいですよね。おいしく仕上げるコツとして、サバの臭みをとるために、まず熱湯をまわしかけることが大事なのだそうです。
あわせてショウガとネギを加えること、料理酒をたっぷり入れることがおいしく仕上げるコツだとか。
下記のホームページでは、サバ料理をおいしくいただくためのいろいろな工夫やポイントがまとめられていますよ!
サバ、と聞くと、つい、「Ça va(サヴァ)?」を連想してしまいます。
フランス語で「元気?」という意味だそうですが、これをもじったおしゃれな缶詰も最近よく見かけたりします。
東日本大震災で被災した三陸地方から発信されている缶詰なんですね!
太刀魚/魛 たちうお
タチウオとは、細長く太刀のような形の、銀白色の海魚。
体長は1・5メートルに達する。
尾びれや腹びれがないことも特徴だとか。
タチウオは、まさに太刀のような魚ということが語源といえるでしょう。
尾びれや腹びれがないことも、その見た目が刀のようであることの説得力を増しています。
魚へんに「刀」でタチウオとよみますし、太刀に魚の太刀魚とも表記します。
でも他にも「タチウオ」と呼ばれる理由があるようです。
なんとタチウオは泳ぎが苦手で、頭を上にして立ち泳ぎしながらジグザグ状に進むから、「立ち」が語源とする説もあるのだとか。
お魚なのに、泳ぎが苦手だなんて変な感じですね。
魚釣りが好きな知人曰く、タチウオは結構危険なお魚らしい。
タチウオの姿が刀のようだ、というのは確認してきましたが、危険なのは口元。
大きなエサを捕食するための鋭い歯を持っている魚なのです。
確かに上の動画でもガブリといっていますね…。
タチウオは、生きたもの、動くものに興味を示してガブリと食いついて離れない、という特徴を持つのだそうです。
釣りでタチウオを狙うときは、くれぐれも気を付けて!
おいしいいただき方
白身魚であるタチウオは天ぷらにするとふわふわでとてもおいしいよう。
さばいて皮を剥いだあと、てんぷら粉か小麦粉、そして溶き卵にまぶしましょう。
このときに氷を数個入れておくとカラッと揚げられるそうです。
骨もおせんべいにして食べるとより楽しめるそうです。