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記事の概要
先日、「唯一コロナのない」南極へ…というタイトルの新聞記事を見かけ、ペンギンに会いに行きたい…とおもいながら、南極大陸をまず確認すべく地図に関する記事を書いてみました。
暑くなってきたこんな時期だから、氷の島のイメージがある南極のことに思いを
馳せてみた…の第二弾です!
いよいよ、南極大陸について迫っていきますよ~
調べてみよう
そもそも大陸って?
島と大陸の違い
まずは、公益財団法人 日本離島センターを頼りに、「島」について考えてみました。
「島」とは「水域に囲まれた陸地」というのが一般的な捉え方だといいます。
さらに、海洋法による国際連合条約では、
「島とは、自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、満潮時においても水面上にあるものをいう」(第121条「島の制度」)と規定されているそうです。
「島」とは、「大陸」の比較で捉えられる概念でもあります。
「大陸」という言葉を辞書で引くと「地球上の、広大な陸地」(岩波国語辞典)という説明がされています。
どれくらい「広大」な島だと、大陸になるんだろう?
一般的には、オーストラリア大陸より小さな陸地を「島」と呼ぶようです。
一方で、最も大きな島はグリーンランド、と言われています。
日本も広いですが、上記の基準に照らしてみると、日本は「大陸」ではなく、「島」といえそうです。
また、南極大陸は「島」ではなく、「大陸」になるのですね。
実際に大きさはどれくらい異なるのでしょうか。
▼モルワイデ図法で書かれた地図
どこがグリーンランドでオーストラリアかわかるかな?
まず、日本はどこだろう?
そして、我々のお目当ての南極大陸は?!
「モルワイデ図法??」と思った人は、「ペンギンに会いに行きたい①」をぜひ見てみてください。
【グリーンランド】
北極海と北大西洋の間に位置する世界最大の島。日本の約6倍の大きさで85%が氷に覆われているそうです。グリーンランドの人口は約5万7000人。世界でもっとも人口密度の低い地域の一つだそう。
グリーンランドは、デンマーク王国の一部ですが、1979年に自治権が与えられ、2009年には自治法が制定されました。
【オーストラリア】
日本の約20倍の面積を持つ(769万2024km2)。2018年時点での人口は約2530万人。オーストラリアは南半球・太平洋オセアニアに位置する世界で一番小さな大陸。近隣諸国にはパプアニューギニアやインドネシア、ニュージーランドなどがある。かつてオーストラリアは世界のどこからも隔絶しているといわれ、訪れるには長い航海を覚悟しなければならない場所でした。
【南極大陸】
南極は地球の一番南に位置し、日本からはおよそ14,000㎞以上も離れた場所にあります。ちょうど地球儀の底にあたる部分が南極です。日本の約37倍の広さを持つ大陸で、約1,390万km2の面積を持っています。
南極は氷の大陸で、氷の厚さは一番分厚いところで、4,776メートル。富士山の高さよりも分厚い氷ということになります。
【日本】
日本はユーラシア大陸の東、東アジア地域にあります。日本は弓なりの形をしている島国といわれ、約37万8000km2の広さがあります。山が多い地形で1億2800万人の人口があります。日本と同じくらいの大きさの国には、ベトナムやマレーシア、ドイツ、ノルウェー、フィンランドがあります。
南極大陸ってどんなところ?
南極大陸は、1,390万km2の広さがある大陸…ということで、オーストラリア(769万2024km2)の約2倍の大きさがあるのですね。
オーストラリアが日本の約20倍…と考えると、つまり、南極大陸は日本の約40倍の広さがあると考えることができそうですね。
ひ、ひろい!!
それだけ広い南極大陸、人は住んでいるのでしょうか?
南極は地球で一番寒いところ、といわれています。
南極大陸の夏の気温の平均気温がマイナス1度、冬の気温が平均でマイナス20度。
ふつう、地球上のほとんどの生き物にとっては”生存すらできない環境”と言われています。
冬の間、生き延びるために冬眠する動物もいましたよね。
くわしくは、「森のクマさんのはなし」にて。
▼人間が暮らせる最高温度、最低温度は??
▼南極で流しそうめん。すぐ凍ってしまうそうめん、食べてみたいような…
が、南極大陸には全く動物がいないわけではありません。
南極大陸のまわりには海があり、海の中には生き物も多く暮らしているのです。
特に海洋生物を中心とした動物たちが南極大陸で暮らしているようです。
なぜ南極の海は凍らないのか
ちなみに、なぜ海は凍ることなく、いつも波で揺れつづけることができるのでしょうか。
また、海に暮らす魚たちも凍ってしまうことなく、元気に過ごしつづけることができるのでしょうか。
秘密は、「塩」にあるようです。
みなさんは、物質には、3つの形態があるのを知っていますか?
【固体】ー【液体】ー【気体】、の3つです。
水も同じで、【氷】ー【水】ー【水蒸気】、の3つの形態に変化・循環しているのです。
水がその形態を変えるとき、水という物質を構成する「分子」の構造が変化しています。
この「分子」の構造は、温度の影響を受け、温度が低くなればなるほど、ギューっとくっつきあい、温度が高くなればなるほどバラバラに動き回る…というイメージで構造――分子と分子のつながり方が変わります。
物質によって、そしてさまざまな事情に応じて、分子の構造に変化を与える温度は異なるのですが、多くの場合、水は0度を下回ると凍り、100度を超えると沸騰する、と考えているような気がします。
実は、山の上でお湯を沸かしたりすると、100度より低い温度で沸騰(液体が高温になり気泡がたつこと。わき上がり煮え立つこと。)し始めたりすることがあるのですが、詳しくは好日山荘さんのホームページなどでみてみましょう。
M先生が「山頂でお湯を沸かす」場合の例を挙げていますが、実は水分に塩が含まれると凍る温度はどんどん下がっていくのです。
この氷になる温度が下がる現象は「氷点降下」と呼ばれますが、これが南極付近の海が凍ることがない理由なんです。
海の水をなめてみたとき、「塩からい~」となった人もいるかもしれません。
そう、海水は普通の水ではなく、塩水なのです。
学研「科学なぜなぜ110番」によると、海の塩分濃度は、3.1~3.8%だといいます。
これはつまり、100グラムの水があったら、3.1~3.8グラムの塩が含まれているということになりますね。
場所によって少しずつ塩分濃度が異なり、寒い地域に行けば行くほど塩分濃度は高くなるそうです。
▼地域によって塩分濃度がどんなふうに異なるのか確認してみよう
海で漂流してのどが乾いたら、海水を飲めばいい?
むかし、物語を読んでいて、海で漂流した人が「水…水!」と言っているのを見ていて、海にたくさん水があるのに、どうして海水を飲まないのかな?と思っていましたが、海の水は塩水だからダメなんですね。
ケガをして血が出たとき、その血をぺろっと舐めてみたりしたことはあるでしょうか。
少ししょっぱく感じられるのではないかと思います。
その理由は、人間の体液にも塩分が含まれているからです。
人間の塩分濃度は0.9%くらい。海水の塩分濃度は人間の体液の3~4倍であることがわかりますね。
私たちもしょっぱいものを食べると、飲み物をがぶがぶ飲みたくなります。
お酒のおつまみの味付けは濃いめにできているのですが、それはお酒がすすむようにしているからなのです。
塩分濃度の高いものを摂取すると、体内の塩分濃度が上がってしまうので濃度を低くするためにより多くの水分が必要になるのです。
そんなわけで海水を飲んでしまったら、余計
にのどが渇いてしまうのですね。
▼ちょうどよいしょっぱさとは?!
▼料理にお塩は欠かせません!どんなふうに塩は作られるのかな
参考文献・資料
- 公益財団法人 日本離島センター 「知る―基本情報― 「島」とは何か」
- デンマーク大使館 「グリーンランド」
- オーストラリア発見 「地理・歴史―孤立した大陸ー」
- キッズ外務省 「世界の国々」
- 学研キッズネット 「海水の塩の濃さは?」
- 石垣のしお コラム 「おいしいと感じる塩加減とは?」
- 塩百貨 「氷点降下」
- suntory 「水大事典」
- 好日山荘ガイドコラム 「標高と水の沸騰の関係」
- たばこと塩の博物館 「世界の塩・日本の塩」