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こちらのページでは、「Learning Crisis」研究会が設置されている、津田塾大学インクルーシブ教育支援室の活動についてご紹介します。
津田塾大学インクルーシブ教育支援室(IES)とは
障害のある学生と障害のない学生がともに学べる環境づくりや、障害のある学生のみなさんが充実した学生生活を送るための支援を目的として運営しています。
多様な人々が安心して移動・利用できる、一緒に学べる大学を目指して
障害のある学生・参加者のための差別解消と包括的教育の基本方針(津田塾大学)
主な活動について
私たちの活動は、下の図の通り、主に4つの活動から成り立っています。
修学支援の実施
教材のデジタル化、映像のディスクリプション作成、ノートテイクなど支援依頼申請書を受けて実施しています。
まなキキでは、普段のこれらの支援で得たノウハウをもとに、オンラインでの遠隔教育に関して、役立ちそうな情報をまとめています。
まなキキに活かされた、ノウハウ。
(1)ご機嫌な勉強のススメ(クリックするとリンクします)
(2)デジタル時代の「生活ヒント」障害者版(クリックするとリンクします)
環境改善
アクセシビリティ状況の調査、アクセシビリティマップづくり、環境改善のための提言を当事者学生、学生ボランティアとともに実施しています。
研究活動
専門的知見の情報収集や情報提供を行っています。
研修・教育
津田塾大学内においてインクルーシブ教育支援研修を実施したり、イベントの企画・運営・実施しています。
インクルーシブ教育支援研修って??
障害・難病・インクルージョンに関する理解を深め、津田塾大学学内での支援活動を学ぶ研修で、実習や講演会も含めたプログラムによって構成されています。
キャップハンディ体験の実施や補助犬とのふれあい(訓練士さんのお話を伺う)、OGで障害者支援に従事する方のお話や、視覚障害や聴覚障害の当事者の方のお話、最新の知見を伺う講演会など今まで多彩なプログラムを開催してきました。
過去の講演内容一覧
- 2016年5月30日「国連女性差別撤廃条約 日本政府報告審査会に参加して―障害とジェンダーの観点から―」
岩手県立大学准教授の吉田仁美氏をお招きして、ご講演頂きました。
- 2016年6月29日「映画音声ガイドの製作現場から」
NPO法人シネマ・アクセス・パートナーズの川手美由紀氏・寺田のり子氏をお招きして、映画音声ガイドの製作の工夫点等をご講演頂きました。
- 2017年~継続実施「視覚障害の当事者から」
まなキキに関わって下さっている、中川美枝子さんから視覚障害当事者がどのような学びをしているのか等ご講演頂きました。
- 2017年~継続実施「補助犬ー聴導犬の仕事を知る」
日本聴導犬推進協会さんにお越し頂き、聴導犬の仕事についてご講演頂きました。
- 2019年6月25日「映画:Most Likely To Succeed 上映会」
- 2019年6月26日「ドミニカ共和国での当事者によるろう支援」
Yes,Deaf Can!代表の廣瀬芽里氏にお越し頂き、ドミニカ共和国での教育支援についてご講演頂きました。
- 2019年7月2日「読み書き困難(ディスレクシア)のための英語指導法に向けて」
もじこ塾代表の成田あゆみ氏にお越し頂き、ディスレクシアの子どもたちの英語の学びについてご講演頂きました。
IESの沿革・活動
私たちの活動の沿革は、下記の通りです。
- 2010年~
2015年バリアフリー支援室の設置IESの前身となる、バリアフリー支援室が設置されていました。
- 2015年津田塾大学インクルーシブ教育支援室に改称
インクルーシブ教育支援室勉強会の開催(全5回)
津田梅子賞記念講演会共催(IBM 浅川智恵子氏)
- 2016年インクルーシブ教育支援研修の開始
2016年度インクルーシブ教育支援研修の実施
- 2017年前半「学びづらさを感じている人」の勉強部屋の開設
2017年度インクルーシブ教育支援研修の実施
- 2017年後半第58回津田塾祭にて「津田塾が切り拓くInclusiveな未来」イベント開催
TSUDA OPEN DAY@IESの開催
バリアフリー映画上映会の開催 - 2018年前半「働く喜びを作るということ―インクルーシブな就労環境を考える」講演会開催
2018年度インクルーシブ教育支援研修の実施
バリアフリー映画上映会の開催 - 2018年後半第59回津田塾祭にて「津田塾が切り拓くInclusiveな未来 ―あそぶ まなぶ ひらめき、 つながる」イベント開催
「シンポジウム パラリンピックの出かた・見かた・関わりかた―東京パラリンピックを100倍楽しむ方法―」の開催
- 2019年前半2019年度インクルーシブ教育支援研修の実施
- 2019年後半「津田塾が切り拓くInclusiveな未来―インタラクション コネクション 出会いと学びのびっくり箱」
「LD児を含む子どもたちの理想的な英語学習を考える―ディスレクシアや各種の障害の視点から―」講演会の開催
「手話べり場」の定期開催開始「シンポジウム パラリンピックの出かた・見かた・関わりかた―第二弾:大会の見どころを知って応援に行こう!―」の開催
沿革について、ちょっと詳しく。
津田塾祭との、かかわり。
2015年から津田塾大学インクルーシブ教育支援室として活動を始めて以降、本当に多くの方たちとの出会いがあり、その出会いに支えられ、「障害があってもなくても居心地のよい修学環境」づくりを進めてきました。得られた多くのご縁を、より多くの方と共有していくことを目指し企画・開催されたのが、毎年秋に開催される津田塾祭の中でのイベント、「津田塾が切り拓くInclusiveな未来」です。(野村財団からの助成を受けて実施しております)
「出会う」ことを目指した2017年度から、2018年度は「つながる」ことへ、2019年には「インタラクション―相互交流」を目指すものへと発展していきました。
イベントは、障害のある・なしに関わりなく、子どもたちが居心地よく過ごすことのできる空間であることを大事にしてきました(巨大な段ボールハウスやクッションプール、滑り台で遊んでもらったり、バリアフリーぬりえを楽しんでもらえるような空間づくり)。
また、インクルーシブな社会、暮らしを考える時間を設ける時間も継続して持ち続けてきました。そうしたインクルーシブなありようを、どのように実現していくことができるか―身近な挑戦として、OPEN DAY!@TSUDAとして、障害のある中高生たちに開かれたオープンキャンパスを開催するなどもしてきました。また、子どもたちがワクワク胸を躍らせながら学びを深めていくことができるような、英語や数学、理科に関する学びのワークショップを開催してきています。手話や点字に触れる機会も好評を得てきました。
これまで出会った素敵な製品を生み出している福祉作業所や団体とのコラボレーションも実施しています。「Inclusive Interaction Market―あいあいマーケット」というアンテナショップでは、作り手のみなさんからのメッセージをお預かりし、イベントの場で共有、そして消費者としてのイベント参加者からのお返事を出す「おてがみプロジェクト」も実施されました。
多くの学生ボランティアの皆さんと、地域のみなさま、OGの皆様の力を借りながら、イベント開催を継続しています。
交流の場、としてのIES。
その他にも、さまざまなイベントを企画してきました。
大学で多く取り扱う映像教材を視覚障害のある学生がどのように取り扱うことができるか、検討している過程に出会ったNPO法人シネマ・アクセス・パートナーズさまからは、音声情報をどのように補うことができるのか、本人の理解や鑑賞を妨げない必要最小限の情報保障の作法について、映画の音声ガイド制作の立場から教えていただく機会を持ちました。以降、毎年バリアフリー映画上映会を開催させていただいてきました。
また、ディスレクシアに関する研究の第一人者であるワイデル・タエコ先生を英国からお招きした講演会や、パラリンピックのメダリストをお招きした講演会、AIとインクルージョンについて考えるAI研究会の立ち上げなどにも関わるなど、アカデミズムとインクルーシブな共生をつなぐ各種企画運営・実施を精力的に実施してきています。
IESの運用
下記のメンバーで構成されています。
ディレクタ 1名
アドバイザ(臨床心理士・手話通訳士)各1名
地域連携コーディネータ 1名
ティーチング・アシスタント(大学院生)2020年5月現在 2名
学生ボランティア(IES研修修了生)