フネで旅する漢字の海原(うなばら) シリーズ⑤ 夏のおさかな天国

猫の魚屋さん 天体

さんかくすと文がえます

かます

カマスの写真。細長い体に口先はとがっている。

 

細長い体に口先がとがっている魚、かます

かますは、「」に「そう」がついて「かます」です。
口が大きいので、穀物こくもつを入れるかますに似ている、という理由でカマスと呼ばれるようになったそうです。

かますとは、あまり聞いたことがない人が多いと思いますが、
わらをみ込んだむしろを二つ折りにして両端りょうはしって袋状にしたもののことをいい、物資の運搬うんぱんや野菜の保管などに用いられたそうです。

現在、土砂崩どしゃくずれの防止用に「土嚢どのう」が使われたりしますが、そのルーツにもあたるようなものだそうです。

 

  

かます結構凶暴きょうぼうな魚でもあるそうです。

時速150キロものスピ―ドで泳ぎ、なかなか歯もするどものを持っているとか。
一度食らいついたらのがさないように、やや内向きにするどい歯が並んでいるとか。
(アカカマスに関しては小魚や甲殻類こうかくるいを食べているそう)

 

沖縄おきなわから南には「鬼カマス」と呼ばれる2メートルにも及ぶ大型のかますもいるそうで、時には人間をおそうといいます。

海のギャングという異名いみょうもあるとか。
また、大カマスと呼ばれる種は毒性を持ち、食べると腰が抜けたり、口がしびれたりするといいます。

 

 

M先生
M先生

本当に怖いお姿です…。鬼がつくだけありますね…。
ちなみに私たちが普通頂くかますは「アカカマス」と呼ばれる種で体長は約40センチ程度だそうです。
ほっ。

 

 

 

かわはぎ

 

カワハギは「」に「」でかわはぎです。

このお魚は、他の魚とはことなり、さばくときに、皮をバリバリいでさばくことからカワハギ」と呼ばれているそうです。

 

 

M先生
M先生

本当にバリバリといでさばいていることが動画を観てみると分かります。
大胆にさばいていくので、ちょっとびっくりしてしまう人もいるかもしれません。

生き物をいただく、ということについても、正直少し考えさせられるような気がします。

 

かわはぎの他の呼び方として「バクチウオ」という呼び名があるそうですが、それもやっぱりこの大胆に皮をいでいくさばき方が由来ゆらいしているといいます。

博打ばくちで負けて身ぐるみがされる」さまから、こうした名前がついています。

 

M先生
M先生

博打ばくちとはギャンブルのことですね。

 

かわはぎうろこがなくざらざらとして表皮ひょうひつのが特徴的で、つのが立っているときは警戒けいかいのサインだといいます。
折ると死んでしまう、ということでなんだかユニコーンのようですね。

大きいものだと30センチ程度になるかわはぎ
横から見るとひし形のような形をしていますが、平たい形をしています。

味はきわめて淡白たんぱく白身しろみのお魚で、お刺身はフグにも例えられ(そもそもフグ科のお魚です)、きもが非常に美味びみであることでも有名。
ファンもたくさんいるそうです。

(ただし、アニサキスが潜んでいることもあるそうなので十分に注意をすることが必要です)

 

 

 

きす

 

キスという名前の魚は、ついつい口づけを意味するKissを連想してしまう人が少なくないようですが、お魚の名前の由来に全く関係はありません

 

M先生
M先生

ロマンスが始まるのかと思ったけど、残念

K原さん
K原さん

なんでやねん

 

きすというお魚は、日本各地の海岸で普通に見られ、比較的簡単にることのできるものだそう。
そうしたりやすさに由来ゆらいして「岸」の変化した語というのが「キス」の名前の由来ゆらいとして有力な説です。

また、味が淡白たんぱくなことから「いさぎよし」の転訛てんかで「キス」になった説や、
さっぱりして混じりけのない味を意味する「」、素直で飾り気がないという意味の「」とする説があったりします。
すぐに群れる事から「帰す」としたなどの説も。

 

 

漢字では「」に「」と書きますが、
この「きす」は国字で、「喜」は「キス」の「キ」を表しおいしく人気のある魚で釣れると嬉しくて喜ぶところから、こうした漢字が使われるようになったのでは、ともいわれます。

 

M先生
M先生

国字とは、日本で作られた漢字のことで、和字和製漢字などともよばれます。
つまり、中国から輸入してきたはずの漢字ですが、
実は中国由来ではなく、日本国内で生まれた漢字、ということになります。
中国では伝わりません。

 

 

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