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魳
細長い体に口先がとがっている魚、魳。
かますは、「魚」に「帀」がついて「魳」です。
口が大きいので、穀物を入れる叺に似ている、という理由でカマスと呼ばれるようになったそうです。
叺とは、あまり聞いたことがない人が多いと思いますが、
わらを編み込んだ筵を二つ折りにして両端を縫って袋状にしたもののことをいい、物資の運搬や野菜の保管などに用いられたそうです。
現在、土砂崩れの防止用に「土嚢」が使われたりしますが、そのルーツにもあたるようなものだそうです。
魳は結構凶暴な魚でもあるそうです。
時速150キロものスピ―ドで泳ぎ、なかなか歯も鋭いものを持っているとか。
一度食らいついたら逃さないように、やや内向きに鋭い歯が並んでいるとか。
(アカカマスに関しては小魚や甲殻類を食べているそう)
沖縄から南には「鬼カマス」と呼ばれる2メートルにも及ぶ大型の魳もいるそうで、時には人間を襲うといいます。
海のギャングという異名もあるとか。
また、大カマスと呼ばれる種は毒性を持ち、食べると腰が抜けたり、口がしびれたりするといいます。
本当に怖いお姿です…。鬼がつくだけありますね…。
ちなみに私たちが普通頂く魳は「アカカマス」と呼ばれる種で体長は約40センチ程度だそうです。
ほっ。
鮍
カワハギは「魚」に「皮」で鮍です。
このお魚は、他の魚とは異なり、捌くときに、皮をバリバリ剥いで捌くことから「カワハギ」と呼ばれているそうです。
本当にバリバリと剥いで捌いていることが動画を観てみると分かります。
大胆に捌いていくので、ちょっとびっくりしてしまう人もいるかもしれません。
生き物をいただく、ということについても、正直少し考えさせられるような気がします。
鮍の他の呼び方として「バクチウオ」という呼び名があるそうですが、それもやっぱりこの大胆に皮を剥いでいく捌き方が由来しているといいます。
「博打で負けて身ぐるみ剥がされる」さまから、こうした名前がついています。
博打とはギャンブルのことですね。
鮍は鱗がなく、ざらざらとして表皮と角が特徴的で、角が立っているときは警戒のサインだといいます。
折ると死んでしまう、ということでなんだかユニコーンのようですね。
大きいものだと30センチ程度になる鮍。
横から見るとひし形のような形をしていますが、平たい形をしています。
味はきわめて淡白な白身のお魚で、お刺身はフグにも例えられ(そもそもフグ科のお魚です)、肝が非常に美味であることでも有名。
ファンもたくさんいるそうです。
(ただし、アニサキスが潜んでいることもあるそうなので十分に注意をすることが必要です)
鱚
キスという名前の魚は、ついつい口づけを意味するKissを連想してしまう人が少なくないようですが、お魚の名前の由来に全く関係はありません。
ロマンスが始まるのかと思ったけど、残念
なんでやねん
鱚というお魚は、日本各地の海岸で普通に見られ、比較的簡単に釣ることのできるものだそう。
そうした釣りやすさに由来して「岸」の変化した語というのが「キス」の名前の由来として有力な説です。
また、味が淡白なことから「潔し」の転訛で「キス」になった説や、
さっぱりして混じりけのない味を意味する「生」、素直で飾り気がないという意味の「直」とする説があったりします。
すぐに群れる事から「帰す」としたなどの説も。
漢字では「魚」に「喜」と書きますが、
この「鱚」は国字で、「喜」は「キス」の「キ」を表し、おいしく人気のある魚で釣れると嬉しくて喜ぶところから、こうした漢字が使われるようになったのでは、ともいわれます。
国字とは、日本で作られた漢字のことで、和字・和製漢字などともよばれます。
つまり、中国から輸入してきたはずの漢字ですが、
実は中国由来ではなく、日本国内で生まれた漢字、ということになります。
中国では伝わりません。