きせつめぐり、ことばめぐり 夏!

法被をきてはしゃぐ女の子 天体

さんかくすと文がえます

山の日

大きな山のシルエットが浮かび上がる、夕焼け空のイラスト

 

自然や山の恩恵おんけいに感謝する日として制定された国民の祝日です。
今年は8月10日が山の日です。

 

この祝日も、実は比較的最近作られた記念日。
2016年から「山の日」が新設されました。

山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する日」とされています。

 

ぼん

お盆に飾るような、豪華な金色の花瓶に入ったカラフルな菊のイラスト

ぼんとは、日本で夏に行われる祖先のれいまつる一連の行事のことです。
日本古来こらい祖先信仰そせんしんこう仏教融合ゆうごうした行事でもあります。

かつては、太陰暦たいいんれきの7月15日を中心とした期間に行われていましたが、
現在では新暦しんれきの8月15日の頃が一般的におぼんの時期とされています。
地域によってもずれがあるようです。

  

いったい、この「おぼん」とはどういうことをする日なのでしょうか?

あまり知らない人もいるかもしれません。

ぼんの時期には、先祖が浄土じょうどから地上に戻ってくると考えられています。
ご先祖様がお家に帰ってくることができるようにお迎えし、お見送りする
先祖の冥福めいふくをお祈りし、先祖のれい供養くようするための機会なのです。

 

では、おぼんはなぜ「ぼん」と表現するのでしょうか?

 

実はおぼんの正式名称は、
盂蘭盆会うらぼんえまたは盂蘭盆うらぼんといいます。
そしてこの名称の由来にあるのは、「盂蘭盆経うらぼんきょう」というお経。

さらに言葉をひも解くと、もともとの由来は「Ulambana(ウランバナ)」というサンスクリット語。
ぶら下げる」「るす」という意味の語だそう。

  

釈迦しゃかさまの弟子の目連もくれんさんが、地獄でお母さんが逆さづりにされて苦しんでいる(生きている間の行いが悪かった、ということで地獄に行ってしまったのです)ことを知り、「どうしたらいいか」とお釈迦しゃかさまに泣きついたところ、

夏安居げあんご(4月16日から3か月間、僧侶そうりょが室内にこもって修行する期間)のおわる7月15日に修行僧に飲食を供養くようしたらその功徳くどくによって救われる」と言われ、

それを実施し、救われたというエピソードがおぼんの行事の背景にあるそうです。

 

7月15日に地獄におちてくるしむ人たちを供養くようする、という仏教の教えと、
中国の儒教じゅきょう道教どうきょうの教え
日本のぼんには祖先がかえってくるという信仰が合わさって、
今日のような「おぼん」になったのではないかと言われているのです。

お盆のときにご先祖様を迎え入れる(送り出す)ために焙烙(ほうろく)の上などで焚かれる火のイラスト

  

ぼんの時期、家庭によっては迎え火送り火きます。
お墓もしくは家の門口や玄関前で焙烙ほうろくと呼ばれる素焼すやきの平らなお皿のうえにオガラを置いて火をともしてきます。

お墓で迎え火をした場合は、その火を盆提灯ぼんちょうちんに移し、そのまま自宅に持ち帰ります。

 

M先生
M先生

オガラとは、麻の皮をはいだ後に残るしんの部分のことだそう。

清浄せいじょうな植物とされていて、悪いものを清めてくれるものとされているのですって。

 

すべて、ご先祖様が自宅まで迷うことなく来ることができるようにする、ということなのです。

また、ご先祖様をあの世へかえる際も、同様に迷子にならないようにお見送りします。
灯篭流とうろうながなど川に流す慣習を持つ地域もあるそうです。

 

灯りのともったいくつもの灯篭が川の水面に浮かびながれている様子を写した写真

 

お盆の期間中に飾る、茄子やきゅうりを使った牛や馬の形をした飾り物、精霊馬のイラスト

ナスやキュウリで馬と牛を作る慣習も、
ご先祖様に早くお家に帰ってきてほしいからキュウリの馬(精霊馬しょうりょううま)に乗ってきてもらい、
帰りは少しでも長くこの世にいてほしいのでナスの牛(精霊牛しょうりょううし)に乗ってゆっくり帰ってもらおう、という願いが込められています。

(が、どちらに乗ってきてもらうか、などやはり地域によって異なるようです)

 

 

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