おばけのはなし

提灯お化け、一つ目小僧、お岩さんなど、怪談話や肝試しなどに出てくる、夏のお化けのイラスト 語源

さんかくすと文がえます

怪談かいだん

「怖い話」は「怪談かいだん」ともいわれます。

漢字にも注目してみましょう。

 

意味
①あやしい。信用できない。ふしぎな。
②あやしいもの。ばけもの。もののけ。

成り立ち
心と、圣(コツ)(音符圣)から成る。不思議に思う、「あやしむ」意。

語例

奇怪きっかい」「妖怪ようかい」「怪力かいりき」「怪人かいじん」「怪傑かいけつ」「怪獣かいじゅう」「怪鳥かいちょう」「怪物かいぶつ」「怪我けが」「怪訝けげん

 

意味
かたる。はなす。はなし。はなしあい。

成り立ち
形声けいせい。言と、「火」という字がたてに二つ(音符炎)からなる。おだやかに「かたる」意。

語例

会談かいだん」「歓談かんだん」「座談ざだん」「雑談ざつだん」「冗談じょうだん」「美談びだん」「縁談えんだん」「余談よだん」「面談めんだん」「筆談ひつだん

 

M先生
M先生

怪談かいだん」はあやしい、信じがたいような不思議なお話
といった意味合いになるでしょうか。

 

きせつめぐり ことばめぐり 夏!」でもおぼんの話がでてきていましたが、夏にはおぼんという行事があります。

 

ぼんには、死んだ人のれいが帰ってくるとされているので、先祖のれいをおむかえし、またあの世へお見送りし、供養くようしようというならわしです。
だから、亡くなった人の話題が出やすいということもあったのかもしれません。

一方で、亡くなった方の中には、成仏じょうぶつできずにいるれいもいるなどして、浮かばれないれいなぐさめようとする盆芝居ぼんしばい」や「盆狂言ぼんきょうげん」などがおぼんの時期に行われるようになったといいます。

夏の歌舞伎かぶきといえば「怪談かいだん」もの、という傾向が江戸時代くらいから定着し、夏の風物詩ふうぶつしとなっていったようです。

 

 

日本三大怪談にほんさんだいかいだん

四谷怪談よつやかいだん

夫に裏切られ顔のくずれる薬を飲まされて死んでしまったおいわが、幽霊ゆうれいとなって復讐ふくしゅうをとげる話。元禄げんろく時代の事件をもとに四代目・鶴屋南北つるやなんぼくが「東海道四谷怪談とうかいどうよつやかいだん」を執筆しっぴつし、歌舞伎かぶきに仕立てて有名になりました。その後、初代・三遊亭圓朝さんゆうていえんちょう落語らくごに仕立てるなど、さまざまなバリエーションがあります。実際のおいわは夫婦仲も良く、近所でも評判ひょうばんの女性だったようで、おいわにあやかるため、四谷よつやには「お岩稲荷いわいなり」が建立こんりゅうされています。

(「怪談かいだん・怖い話は、なせ夏の風物詩ふうぶつしなの?」より引用)

 

 

皿屋敷さらやしき

奉公人ほうこうにんのおきくが、家宝かほうの皿を割ってしまったことを責められ井戸で死んだ。すると、おきく幽霊ゆうれいな「一枚、二枚……」とうらめしな声で皿を数えるようになったという話で、もとになった実話があるといわれています。大阪おおさか歌舞伎かぶきに仕立てた「播州皿屋敷ばんしゅうさらやしき」が、江戸では番町ばんちょうを舞台にした「番町皿屋敷ばんちょうさらやしき」になるなど、各地にいろいろな皿屋敷さらやしきの話があります。

(「怪談かいだん・怖い話は、なせ夏の風物詩ふうぶつしなの?」より引用)

 

 

牡丹灯篭ぼたんとうろう

ある男にがれて死んだおつゆは、牡丹燈籠ぼたんとうろうともしてその男のもとへ通い逢瀬おうせを重ねた。しかし、幽霊ゆうれいであることがばれてしまい、幽霊封ゆうれいふうじをした男をうらんで殺すという話。中国の小説をヒントに、初代・三遊亭圓朝さんゆうていえんちょう落語らくごに仕立て、歌舞伎かぶきでも人気の演目えんもくになりました。

(「怪談かいだん・怖い話は、なせ夏の風物詩ふうぶつしなの?」より引用)

 

 

M先生
M先生

勇気のある人は、いつか、覚悟かくごの上で、見てみてください…。

 

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