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一人称代名詞にもいろいろあるんだなあということを見てきましたが、主語の有無でもニュアンスが変わってくる、という話をしました。
例えばどういう感じでしょうか。
例えば自己紹介の場面
M先生です。
などあえて、一人称代名詞を使わなくても自分の名前を名乗っているということは分かりますね。
<わたし>はM先生です。
一方で、一人称代名詞を使って名乗ることもできます。
(一人称は「わたし」でなくても「あたし」でも「おいどん」でもよし。でも、M先生がよく使うのは「わたし」です。)
<あたくし>はM先生です。
実際に、「あたくし」なんていうと、ちょっとイメージ変わりますね…。うふふふ。
では、こんな名乗り方はどうでしょうか?
<わたし>が、M先生です。
気づいていただけたでしょうか。
助詞を「は」から「が」に変えてみたのですが、この一字が変わるだけでもまた印象が大きく変わります。
なんとなく、強調した名乗り方に見えますよね。
助詞は、言葉に意味を肉付けする語、とも説明されることがありますが、どういう助詞をつけて文章をつくるか、ということでも随分伝わってくるニュアンスが変わるのですね。
<わたし>も、M先生です。
といわれると、他にも「M先生」という名前の人がいるのかな?というニュアンスが出て来ますね。
<わたし>の、M先生です。
…となったら、もはやM先生の自己紹介ではないですね。
謎の人物と、何かしらの関係性がありそうですね。
<わたし>と、M先生です。
これは、謎の人物とM先生が一緒に自己紹介している感じですね。
ただ、謎の人物は全く自己紹介はしていませんが…。
…とたった一字でありながら、大きく文章の意味の方向性を動かす「助詞」の不思議を感じていただけたのではないでしょうか。
いろいろな助詞
助詞には、主に4つの種類に分けることができます。
(東京外国語大学言語モジュールから転載してご紹介します)
1.格助詞
主に名詞について、その名詞と他の語(ほかの名詞、あるいは動詞・形容詞)との意味関係を示す。
庭の花
山田さんと田中さん
2.接続助詞
従属節の術語となっている動詞・形容詞・名詞について主節との意味関係を示す。
朝起きて顔を洗います。
春になると暖かくなります。
3.副助詞
さまざまな語について、特別な意味を付け加えます。
この本は読みました。
この本も読みました。
この本だけ読みました。
4.終助詞
主に文末に現れ、話し手から聞き手への伝達に伴う態度などを表します。
あしたは日曜日ですか。
明日は日曜日ですよ。
なかなか難しいですよね。
以下のサイトでは、誤った例もたくさん紹介されていて、そこから受けるイメージもあわせて考えることができます。
でも、この助詞はなんだろう?という意識をして覚えるよりも、
さまざまな文章を読みながら、助詞の持つニュアンスや意味、使い方にたくさん触れて、なじみながら覚えていくのがよいのではないかな、と思います。
ちなみに二人称の代名詞にはどんなものがあるでしょうか?
英語でいうところの「 you 」。みなさんもいろいろ考えたり探してみたりしてみてくださいね。