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秋、と聞いてイメージするのはどんなものでしょうか?
秋…といえば、「実りの秋」「食欲の秋」「読書の秋」‥‥など、
いろいろなことにモリモリ取り組めてしまえるような、そんな気持ちになるような季節です。
暦について改めて
「きせつめぐり、ことばめぐり 夏!」でもご紹介しましたが、
日本の暦は明治維新を以て太陰太陽暦から太陽暦に変更しています。
いわゆる旧暦とも呼ばれるものが太陰太陽暦にあたるわけですが、ご紹介する季節の表現や催しは、旧暦時代のものに名残をおいたものも多くみられるわけです。
改めて、新しい暦が定着してきた経緯について、考えられるとよいかもしれません。
太陽暦とは
ちなみに太陽暦は太陽と地球の関係にちなんだ暦です。
簡単にいうと、1年を地球が太陽のまわりを一回転する期間としたのですね。
12の月で割ったのは、古代ローマ以来の風習が伝わってのことだそうです。
ただ、地球が太陽の周りをまわる実際の期間は365.24日なので、4年に一回、閏年を設けて調節しているのです。
太陰太陽暦の太陰とは?
一方、太陰太陽暦の「太陰」とは何なのでしょうか。
太陰とは天体の月のことを指します。
太陰太陽暦は、一か月を天体の月が満ち欠けする周期に合わせたのですね。
天体の月が地球を回る周期は約29.5日なので、太陰太陽暦では30日の月と29日の長さの月を設けて調整していたそうです。
さらに、地球が太陽の周りをまわる周期は約365.24日とは先ほどもお伝えしたとおりですが、この事実は地球への太陽の光の届き方と大きくかかわってきます。
太陽の光の届き方‥‥気温にも影響してくるため、季節の変化とも連動しています。
なので、月と地球の関係だけで暦を作っていくと、どんどん季節と暦にもずれが生じてきてしまうのです。
月と地球と太陽の関連をうまくとるために、
旧暦・太陰太陽暦では「閏月」を2~3年に一度設けて(13か月ある年があった、ということです)季節と暦を調整していたのです。
太陽と月をめぐって
この太陽と月をめぐる事実は、かつて何百年も前に住んでいた人達に、多くの知識や哲学、現在に通ずる科学知識の土台になるような発見につながりました。
陰と陽などと言われると、月と太陽が連想されますし、
太陽は男性、月は女性のイメージが持たれていたりもしています。
昼を象徴する太陽と、夜を象徴する月。
陰陽にしても、男性女性にしても、昼と夜にしても、
どちらも欠けてはならず、双方が補い合っている、というイメージが受け継がれてきているようにも思います。
このあたりも奥が深そうなので、あまり深入りはここではできないのですが、太陽や月の動きは人々の暮らしの本当に身近なところにありました。
例えば、潮の満ち引き。
気象庁のホームページでも説明がされていますが、
月が地球に及ぼす引力と、地球が月と地球の共通の重心の周りを回転することで生じる遠心力が、それぞれ「起潮力」をもたらし、潮位の高いところ「満潮」と低いところ「干潮」を生み出すのです。
潮の満ち引きは釣り人さんにとっても重要要素だといいます。
潮の満ち引きは潮の流れに影響を与え、
さらにこの潮の流れが魚の動きに影響を与えるからだそうです。
この潮の満ち引きは、生き物の生殖にも影響を与えるといわれています。
人間の出産も満月のタイミング(大潮)のタイミングにみられることが多い、ということが聞かれたりもします。
おさかなくんは、カブトガニの孵化に成功させたということで、ニュースに取り上げられたことがあるそうですが、
このカブトガニの孵化の成功の背景には、時々カブトガニを散歩させていたことがあったのではないか、としています。
この散歩が、吹奏楽部(おさかな君は、おさかなを飼う水槽に関連した部活と勘違いして管楽器の吹奏楽部に入部したそうです)の朝練習の前と放課後に行われていたこともあって、
潮の満ち引きみたいなリズムになってカブトガニが勘違いしたのではないか…とも語っています。
つまり、満潮のタイミングは水槽の中にいて、干潮のときには散歩している、
というリズムを持つことができて、それがカブトガニの生殖リズムにマッチしていたから孵化に成功したのではないか、という解釈ですね。
さて、前置きがだいぶながくなってしまいましたが、さっそく秋の日々のことに思いを巡らしていきたいと思います!