言葉でつなぐ、つながっていく⑤ なんでそんな漢字になる感じ?

女の子が着物を着て、書き初めをしているイラスト ご機嫌な勉強のススメ

さんかくすと文がえます

ことばの発展・進化

言葉、漢字を使い分けていくときに、明確めいかく判断基準はんだんきじゅんがあるばかりのものではないようですね。
でも考えてみれば、言葉や漢字の意味は、その言葉や漢字を使う人々の気持ち次第しだいで少しずつ意味合いが変わっていく可能性があるものです。

例えば‥‥

 

コギャル
コギャル

この前、見つけたクマさん、やばかったんだ~!!

M先生
M先生

へ~…

クマさんがやばかったのかぁ‥‥。

 

…よく、ケガもなく、無事に生きて帰ってこられたね!よかったよかった。

コギャル
コギャル

???
なに言っているの?

  

もう~。ちがうよ!クマさんのぬいぐるみがヤバかったんだよ~

M先生
M先生

…というように、
「ヤバい」という単語は、国語辞典などには「『まずい』『あぶない』のぞくな言い方。見つかったり、つかまったりしそうで危ない。」と書かれているのですが、
コギャルさんの使う「ヤバい」は、どうやら「かわいい」という意味でつかわれているらしいのです。

    

 

 

言葉は、私たちがどんなふうに使うか次第しだいで新しい意味を持つようになります。
言葉も生きているんだなあと思います。

 

だからこそ、言葉を選ぶときに注意が必要です。
自分自身も、なぜそのような表現をするのか、なぜその漢字を使うのか、こだわって選んだりしていくことができるようになると、いいなあと思います。

 

M先生
M先生

例えば当て字が、そのままよくつかわれる表現になった、ということを夏目漱石なつめそうせきの作品から概説がいせつしている記事があったり…

 

 

M先生
M先生

使い分けに悩むような表現について考察をしている記事がいくつかあったりしますよ。

 

 

 

M先生
M先生

そういえば…
私は「わかりみ」とか「ぴえん」という言葉の意味がよくわからないんですよね。

 

 

新しい用語、変化する用語をんでいく、そうした辞書編纂じしょへんさんの仕事もとても大切ですね。
考えをどんなふうに表明していくか、言葉にどう向き合っていくか、選び、使いこなしていくか、が私たちの言葉力をきたえていってくれるような気がします。

そんな辞書作りの物語が三浦しをんさんの『舟を』。

大渡海だいとかい」という名前の辞書をつくるお話です。
この辞書の名前の由来を、退職間近たいしょくまぢかの登場人物、荒木あらきさんが期待の新人、馬締まじめさんに語りかけるシーンがあります。

「ひとは辞書という舟に乗り、暗い海面かいめんに浮かびあがる小さな光を集める。もっともふさわしい言葉で、正確せいかくに、思いをだれかに届けるために。もし辞書がなかったら、俺たちは茫漠ぼうばくとした大海原おおうなばらをまえにたたずむほかないだろう」
「海をわたるにふさわしい舟をむ」
松本先生が静かに言った。「その思いをこめて、荒木君とわたしとで名付けました。

 

M先生
M先生

ここでの「フネ」は「舟」。
どんな舟か、少しイメージできるのは、「フネで旅する漢字の海原(うなばら) シリーズ① いろいろなフネ」の記事を書いていたから。

 

伏線ふくせんを張っていた??」と思えるような、こういうつながり方が、学んでいくことの醍醐味だいごみですよね。
この「これはアレかー!!!」というヒラメキの瞬間しゅんかんが学んでいて楽しいことの一つだと思います。

 

『舟を編む」、映画も公開されています。よかったら、観てみてくださいね。

 

 

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