7月30日 まなキキ公開編集会議(国語)

オンラインで通信するカエルとウサギ イベント告知
       

さんかくすと文がえます

7月30日に開催された「第1回学びの危機カンファレンス」でのまなキキ公開編集会議。
国語部会の開催報告です。

企画案 文殊の知恵集めー伝え方の工夫@オンライン

COVID-19の感染拡大を受けて、小学校から大学までさまざまな学校で学ぶ人たちは、オンラインでの授業に直面しています。

実は学校の「授業」という場は、情報の伝達が行なわれる場の一つです。
先生たちは、≪知ってほしいこと≫≪学んでほしいこと≫≪考えてほしいこと≫を試行錯誤して伝えようとしています。
”どんなふうに伝えるか”で「伝わり方」はどんなふうに変化するのでしょうか。
私たちが何かを伝えようとするとき、どんな工夫が必要なのでしょうか。


みなさんが率直に「おもしろい」、「楽しい」と感じたエピソードを持ち寄って、目的に沿った伝え方の工夫を考えてみませんか?
オンライン授業を通じて、みなさんが体験した苦労やこなし方など、知恵を持ち寄ってみませんか?


編集会議では、ぜひ下記のいくつかのお題を中心に皆さんの経験やアイデアを持ち寄って議論させていただきました。

 (国語デスク・ナビゲーター M先生)

 

お題1.聞き手の心を鷲づかむ伝え方

今回は「授業」などの場面に限定しますが、みなさんの印象に残った授業とはどのような授業だったでしょうか。また、それは、どのような内容だったのでしょうか。
どんな工夫があなたの胸に響いたのか、紐解いていってみましょう。

事例1.

ニュージーランドに留学中に受けた「エンタープライズ」という授業
授業を受講したのは中学生のとき。
 :自分でビジネスを0から考えて物を売ってみる、約2か月程度で実施する授業。
  保護者や町の人達が購入してくれるので、その売り上げを競う。
  自分たちは、「クレイ(炭)」の歯磨き粉などのプロダクトを作り販売。

 

Aさん
Aさん

お金を増やすためにはどうしたらいいのか…という日本ではなかなか学べないようなことで新鮮でした。

M先生
M先生

確かになかなか学ばないことですよね。
消費者の気持ちなどをやっぱり考える、ということが求められたのでしょうか。
リアルで実施した授業とのことですが、オンラインでも実施可能だと思いますか?

Aさん
Aさん

まさに、消費者の立場からどう感じるのか、どう考えるのか、といったことを考えたりしました。
オンライン授業としての開催ですが、私は結構できると考えています。メルカリなど今、オンラインでも商品を売るプラットフォームは充実しています。ビジネスはオンラインでも実際にやられているので、そういう意味では実施可能なのかな、と思います。

M先生
M先生

なるほど。
その授業が、コミュニティの人達とコミュニケーションをとる、とかそういうことをメインとしたものだったのではなく、「商品を考えて、販売してみる、ビジネスの仕組み」みたいなことを取り扱った授業であったから、ということなのかもしれませんね。

事例2.

「プロパガンダとアドボカシー」というタイトルの授業で、リテラシー意識を高めるための授業。
大学2年生のときに受講した授業。
 :「津田塾が共学化!」というネットニュースの記事をクラス全体で共有する、という授業。
  この授業がオンラインで実施されていたら「どうなのかなあ」と思う部分がある。

参加者
Bさん

実は、この記事は全くのウソのフェイクニュースだったのです。
最初、クラスで記事を読み始めたら、「ええ!?」などとザワザワしはじめたのですが、そのうち、「あれ…でもおかしくない?」などという声が上がり始めて、ようやくこの記事はフェイクニュースでした、というネタバレにつながったんです。

M先生
M先生

なるほど!
おもしろ~い。でも、どうして、「オンラインだったらどうかなあ」と感じたのですか?

参加者
Bさん

やっぱり、リアルな教室の場だったからこそ「ザワザワ」があったのではないかなぁ、と思うんです。
どよめき、というか、ザワザワした雰囲気の中で、この記事は果たして本当か?」という雰囲気が伝染していったような気がします。
内容も身近なもので、且つびっくりするようなものだったし、それを一緒にシェアする仲間がいた。「ええっ」と沸き立つと正常な判断を失ってしまうかもしれない、ということも実感を持って体験したように思います。この「だまされた」という経験があったからこそ、そのあとの先生の講義がとても身に沁みました。

  

おふたりの話から―

今回は時間の関係上、お二人からしかお話を聞くことはできませんでしたが、お二人の話にある特徴は、
 ・自分で経験したり、実感するタイミングがある。
 ・自分がどう考えるのか、どう判断するか、感じるかを前提に授業が次のプロセスに移る。
 ・時間的移行を意識させられる要素が明確にある。

ということだったのかもしれません。

特にネット記事を読んでみて…という授業については、その情報がどう伝染していくのかということが、リアルならではの特徴があるのでは?と語ってくださったことが印象的でした。

 

M先生
M先生

ネットの記事でも、ツィッターなどで拡散して盛り上がって「バズったり」、「炎上」するということがあると聞きます。
このあたりは、もしかしたら参加者Bさんが感じた、リアルの教室での「ザワザワ」と重なるところがあるのでしょうか…?

参加された方からは次のようなコメントもいただいています。

国語で、同じ年代の人たちでも、売ることを学ぶ外国の教育やリテラシーの教育などそれぞれ印象に残っている授業があるのだなと感じました。
私の印象に残っている授業というか行事なのですが、広島原爆を経験した人の話です。広島に実際に修学旅行で行き、原爆ドームを見て、経験した方のお話を聞くというのは、写真やオンラインでは本当にその原爆の恐ろしさが伝わらないのではと感じました。このような平和学習、経験した方のお話などはこのコロナ禍でどうなるのかなと感じました。

学びのナビゲーター記事への反映について

今回のご経験は、自分がどう巻き込まれていくのか―という授業の経験であったようにM先生は感じました。
言葉をかえると、自分の考えが経験や実感を通じて新たなものに刷新されていくような経験をしたからこそ、印象に残ったともいえるかもしれません。
また、ある「概念」を具体的に実感することで身をもって理解したから、印象に残った、ともいえるのかもしれない、と感じました。

相手に何かを伝えようとするとき、また理解してほしいと思うとき、何が本当に伝えたいこと・もの・内容なのかーそれを問い直すことで、形のアレンジが可能になってくるように思いました。

そのためには、まず、伝える側が「伝わってほしいポイント」を明確に捉える必要があると思います。

もう一方で、コメントでくださったような戦争体験の「語り」が、なぜそこまで大きなインパクトを持って心に残ったのか、受け止める側の気持ちも、丁寧に見ていく必要があるのかなあ、と感じます。

  

M先生
M先生

今回の話を持ち帰り、
国語のナビゲーターの皆さんともしっかり議論して、
記事へと反映していけたらいいなぁと思います!

議論にぜひ参加してもいいよ!という津田塾生の方は、ぜひgoogle formで気軽にご連絡ください!
津田塾生ではない方も、ぜひお気軽にinclusive_events@tsuda.ac.jpまでご連絡ください(@は半角にしてください)。

 

お題2.オンライン授業の苦労や工夫

多くの人が、オンライン授業を経験することとなった数か月だったのではないでしょうか。これまでの授業とは異なりPCを取り扱う場面も多くなり、自分なりの学び方も変更が必要になったところや、悩ましかったこと、工夫したところがあったのではないでしょうか。
何に困ったのか、苦労したのかをシェアすることと、その対処の工夫をみんなで考えることは、年齢を問わず、オンライン授業に関わる全ての人にとっての「知恵」になるのではないでしょうか。

ノートの取り方

このことに悩んだり、苦労した方は多かったようです。

 

参加者
Cさん

私はこれまでPCでノートをとっていたのですが、PCで授業をしているので、PCでノートをとる、ということができなくなりました。

M先生
M先生

ノートは授業ごとに一冊ずつ分けているんですか?

参加者
Cさん

いえ、ルーズリーフでノートをとっています!高校時代に回帰した感じですね。
授業によっては、1スライドに大量の情報が書かれている割に短時間しか提示されていないので困ってしまうことがあります。

参加者
Dさん

私もノートの取り方で考えさせられることがあります。
大学の授業で、配布資料があると自分は印刷してその紙にメモを取ってノートをとるのですが、プリンタがない人はどうしているのだろう?と毎回気になっています。
ノートに書くにしても、どのスライドのメモなのか、それを紐づけるのにも苦労していそうです。
リアルの授業だったら、印刷されたものを配布してもらっていたと思うので、考えさせられてしまいます。授業によっては、50枚のスライドのものなどもあるので、大変です。

M先生
M先生

ひえ~
それは大変ですね‥‥。
個人的に実践していることなのですが、配布資料はパワーポイントからPDFに形式を変えて保存して、4割り付け/2割り付けで印刷すると、スライドのサイズが小さく見にくくならないで印刷できるので、もしかしたら印刷できるときには工夫できることかもしれません。
それにしてもプリンタがなかった時の工夫は考えられるとよいですよね…。

 

友達とのやりとり

 

参加者
Cさん

オンライン授業だとグループワークが難しいです。
ZOOMを使った授業で、ブレイクアウトルームをしても、ブレイクアウトルームで別れたメンバーで作業分担する、というようなことはできないんです。だから不便だなあと感じることがあります。

M先生
M先生

なかなかちょっとした雑談をする時間が持てなくなってしまった、という声も私は聞いたりしていました。
ちょっとした授業の質問や感想を聞いたり、シェアできることって、ときには大切ですよね。

 

オンラインあるある

 

参加者
Cさん

正直、一時間半とかずっと聞いていられません…。
PCだと首がずっと下向きになるので、首や肩、腰痛に初めて苦しまされました。
PCもずっと稼働しているので熱を持ってしまい、冷房をガンガンかけて冷やしたり、PCの台を購入するなどしています…。

M先生
M先生

つらいですねぇ…。

ちなみに、当日は発言できませんでしたが、M先生はPCの下、4隅にペットボトルの蓋をおいて、PCの底と机の間に空間ができるようにしています。これで少しでも熱が溜まりにくくなるかなあ‥‥という。

あと、PCが熱を持っているからか分かりませんが、USBも熱を持つとデータが消えたりすることがあるので、気を付けてくださいね。私はこの4月、USBデータが消える、という衝撃的な事件に遭遇したので、バックアップを取る、ということも皆さんが知っているべき知恵なのかもしれません‥‥。

  

参加された方からは次のようなコメントもいただいています。

オンライン授業で教える側の難しさとして「沈黙を避けようとする」という傾向を挙げられると思います。対面授業なら教室を歩いたりノートをめくったりで間を保ちますが、オンラインだとそれがしにくい。電話やラジオに似ています。沈黙を埋めるために思わず無駄な発言をしてしまう。授業の質が落ちる。これ、アイデア次第でクリアできると思います。

学びのナビゲーター記事への反映について

今回は、現役大学生の方を中心に、オンライン授業での苦労や大変さ、心配なことを共有していただきました。

いろいろな悩みや問題、苦労についての対応策までは今日はなかなかディスカッションすることができずに終わってしまいました。

今後少しずつ知恵を共有していけるような場を持てたらなあと思います…!
このページの最後に「コメントを書き込む」という機能がついています。
もし、こういうやり方はどうかな?というご助言やご指摘があったらぜひ書き込んでくださるとうれしいです!

 

お題3.オンラインだからこその注意

このテーマについては話し合うことができませんでした。
また、機会をみて、みなさんのご意見など伺えたら嬉しいです。

2020年上半期は、ツィッターなどSNS(ソーシャルネットワークサービス)を通じた誹謗中傷が問題となる事件や出来事も多かったように思います。
オンラインでは、誰もが簡単に情報の「発信側」に立つことがあります。顔が見えない相手に向かって、あまりにも簡単に言葉を放つこともできます。
言葉を「伝える側」として何に気を付けるべきなのか、ということも、ぜひ伝えていくことができたら、と思います。

オンライン・コミュニケーション 失敗したこと・困ったこと

オンラインでのコミュニケーションは手軽で気軽な反面、相手を傷つけたり、逆に自分が傷ついたりすることもあります。
リアルでも同様にコミュニケーションでのつまずきは起こり得ますが、オンラインだからこその失敗にはどんな特徴があるのでしょうか。

オンライン・コミュニケーション 私が気を付けていること

オンラインだからこそ、そしてリアルのコミュニケーションと同様に、私たちが気を付けているマナーやルールがあるのではないでしょうか?
腹を割って、想いを分かち合って、一緒に何かを考えたり、議論していくことは、果たしてオンライン上でも可能なのでしょうか?私たちにとって、コミュニケーションをとるときに大事にすることは何なのか―そういったことも一緒に考えていけると嬉しいです。

  

これまでの国語のナビゲーター記事一覧

M先生
M先生

子どもたちの興味・関心にマッチしているのか
見やすいものになっているのか
などなど、気になっているところはたくさんあります!

率直なご意見やご指摘も、お待ちしております!

教科で学ぶトピックスの魅力

■ 国語:詩に親しんでみよう
■ 国語:古文にふれてみよう①
■ 国語:古文にふれてみよう②
■ フネで旅する漢字の海原シリーズ① いろいろなフネ
■ フネで旅する漢字の海原シリーズ② 海の向こうからやってきたもの
■ フネで旅する漢字の海原シリーズ③ フネの名前
■ フネで旅する漢字の海原シリーズ④ 春のおさかな天国
■ フネで旅する漢字の海原シリーズ⑤ 夏のおさかな天国

言葉やコミュニケーションについて

■ 「わかりやすい」ことば?やさしい日本語?Plain English?
■ 言葉でつなぐ、つながっていく①―なぜそう”あいさつ”するの?
■ 国語:【コミュニケーションとしての言葉】

語彙や熟語

■ きせつめぐり、ことばめぐり 夏!
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国語の運用

■ 分からないことを大切にして それがあなたの世界の入り口になる
■ 国語:大切なあの人に…手紙を書いてみよう
■ 国語:本の魅力を伝えてみよう

特別企画

■ まなキキオンライン講読会 第一講
■ まなキキオンライン講読会 第二講
■ まなキキオンライン講読会 第三講

 

イベント告知 国語:学びのナビゲーター

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